地域のセラピストが地域をマネジメントしたら地域No.1のデイになった話
①何も実績は無いが、やる気だけはあった
時は2019年9月。私が所属している相模原市南区でスタッフ全員がPT・OTのデイサービス「UP Life」がオープンしました。
元々病院で数年間の勤務歴があるだけの私は、オープン半年前に社長から「お前、管理者な。地域を盛り上げてね」とだけ言われて不安とやる気に満ち溢れていました。
そんな色々と未経験な私の頭の中では、「地域を盛り上げる➡収益化が望める形で地域の健康予防・改善の拠点としてUP Lifeが活用できるようにする➡関わる全員が得する相模原南区だけのミニ地域包括ケアシステムを作ろう」という連想ゲームが始まっていました。
②社長とケアマネと一緒に作った”ミニ地域包括ケアシステム”
まずは、社長と一緒に事業案を立てた後に近隣のケアマネへご挨拶。
この事業のポイントは「収益化」と「UP Lifeが拠点となれる要素」でした。つまり、「収益化」は自分達も相手側もお金が動く仕組みにしなければなりません。そこで目を付けたのは、介護保険制度でした。
平成28年度から基本チェックリストというものが行われ、早期に心身機能・生活能力が低下している高齢者を発見して、素早く介護保険サービスに繋げられるようになりました。
基本チェックリストを実施できる場所は本来、地域包括支援センターです。
しかし、UP Lifeで行うことで、基本チェックリストの項目だけでなく低下した運動機能をPT・OTが細かく評価し、一早くサービスの必要性を判断できるというメリットがありました。
つまり、運動機能の低下を一早く汲み取って地域のサービスにつなげることはUP Lifeが拠点として機能する要素でした。
このことを地域包括支援センターへ直談判。快く許可をいただいたところで、次は店舗から半径4km圏内の病院・ケアマネ(居宅)・地域包括支援センター・福祉センターすべてに飛び込み営業で回りました。
めちゃくちゃ冷たい対応されるところもあれば、とても好印象を持っていただいたところもありました。
そして、各事業所と連携しながらトライ&エラーを繰り返し、それによって完成されたミニ地域包括ケアシステムがこちらです。
これにより、居宅や他の事業所、施設に利用者が増えて収益は上がり、利用者は一早く健康予防・改善が行えるためWin-Winの関係で収益化することができます。
このミニ地域包括ケアシステムが順調に循環したことで、ただのデイサービスだった「UP Life」が相模原市南区の「UP Life」と変化してきました。
③ブランド化しないことがブランドになった
あくまで拠点としての存在を目指していた「UP Life」ですが、ある日ケアマネからこんな依頼が来ました。
「山さん、〇〇さんの家屋調査に立ち会ってくれませんか?」と。
利用者でも何でもない、全く知らない方への家屋調査の同行依頼。そして次の日、別のケアマネからも依頼が。
「山さん、○○さんが何科に受診して今後どうしたらいいのか診てもらえませんか?」
もはや医者の仕事までも頼まれる始末。法的な限界を承知してもらった上で行いました。
いつの間にか、UP Lifeは「地域住民の医療・健康・リハビリに迷ったらとりあえず行っとけば何とかなる」という場所へ変わっていました。
住民や事業所の方に声をかけてもらいやすいように敷居を低くしながら、一人一人丁寧に対応していたらいつの間にか、それがブランドになっていました。
そのおかげ様で、多くのケアマネから「リハビリのことならUP LifeがNo.1だね!」と言っていただけるようになりました。
いままでこのような場所が地域に無かったようで、ありがたいことに現在でも様々なところから健康・リハビリに関するご相談を承っています。
④マネジメントの4つポイント
今回のマネジメントには4つのポイントがありました。
地域造りにビジネス的な視点は必須です。
信頼が無いと収益化しない、収益化しないと継続しない、継続しないと成果が出ない、成果が出ないと信頼が無くなる。
このサイクルを好循環にしていくためには、上記4つのマネジメント力は必要です。是非、これらから開業や事業を行う方は参考にしていただけると幸いです。
では、最後までご覧いただきありがとうございました。