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Hello, Devine Family! 〜オーストラリア紀行 その1〜

2023年6月、ビーエコスタッフHはあるミッションを手に約7時間半、海の上を飛んでいました。

コロナ前に計画していたオーストラリアへの旅を3年越しに決行していたのです。
友人に会いに行くということもありましたが、今回の目的の一つはかなり意味のあるものでした。

そう、Bee Ecoの生産者Devine Family(デヴァイン一家)に会いに行くことです。

オーストラリア上空の様子

ビーエコスタッフとして働き始めた当初からお互いの顔と名前はSNSなどを通じて知っていたものの直接話したことはなく、常々「いつか会いたい、お話ししたい」と思っていたのが、遂に実現できる日が来ました。

彼らが住んでいるのはオーストラリアはNoosa(ヌーサ)というエリア。サンシャインコースト空港から車で40分ほどのエリアです。

 Google Maps

オーストラリアの東側、ブリズベンより北に位置する町で美しいビーチ、サーフカルチャー、そして手付かずの自然が残ります。日本人にはあまり知られていない土地ですが、そのビーチの美しさと温暖な気候のため実は地元オーストラリア人には人気のリゾート地です。

ヌーサの町並みを知ることも、デヴァイン一家の暮らしを見せてもらえることにもワクワクしていました。

【どんな町?】

彼らに会う前に少し町を散策。今回の旅はオーストラリア在住のビーエコジャパンスタッフに案内をお願いしています。

ヌーサ観光の中心地はNoosa Heads(ヌーサヘッズ)という岬の麓にあります。中心地はそこまで大きくなく、車であれば5~10分くらいでぐるっと回れてしまいます。高級感のあるカフェや洋服屋さんが立ち並び、ゆったりとした空気が流れていました。観光地ということもあり平日も週末も人出の差はそこまで変わりはないそうでみんな各々の時間を過ごしています。また、海辺には思わず口が開いてしまいそうな高級住宅もたくさんありました。さすがリゾート地です。

町並みを車の中から

そうそう、この6月というのはオーストラリアでは冬。朝夕は10度近いことがありますが、私がいた期間の日中は22~24度くらいと半袖でも過ごせる気候でした。お店の外装も海辺の町に似合う白や青を基調とした場所が多い印象を受けます。

肝心な海はというと・・・・

ものすごく綺麗!!

岬の奥へ行ったところの砂浜

この一言でしか表せないのが悔しいですが、開けた海と砂浜をみた瞬間「いますぐ泳ぎたい!」という衝動に駆られます。海辺には散策路が整備されていて散歩やジョギングを楽しむ人がたくさんいます。散策路は岬の内陸にある国立公園の中にあり、岬をぐるっと回れるようになっています。ヌーサには「木よりも高い建物を建ててはいけない」という条例もあるそうで、町中の高級感とはまた違い、自然そのものが残されたままのハイキングコースが続いています。

左側に海が広がります。全部歩くと往復4時間くらいだそう。

ここは世界サーフィン保護地区ともなっていて、早朝からサーファーが各々のボードを持ってこのハイキングコースを行き来しています。

ヌーサは洗練された町並みと、自然あふれる環境が一体となった地域でした。

【お次は隣町へ】

そんな町をあとに、次はEumundi(ユーマンディ)とへ向かいます。
ここにはEumundi Market(ユーマンディ・マーケット)という南半球でも最大規模のマーケットがあります。

毎週水曜日と土曜日に開催され、国内外の手作り工芸品や衣服、アクセサリーやハチミツ、絵画などお土産選びに迷ってしまうブースが200店舗以上出店しています。

地元のミュージシャンがライブをしていたり、食べ歩きもできるストリートフードも多様で、ドーナツやフレッシュジュース、ホットドッグなどから各国のローカルフードなども楽しめます(日本食を出しているところもありました)。

1日で回りきれるのか?というくらい大きいマーケットなんですが、ここにビーエコラップの作り手、マットが出店しているとのことで訪問させてもらうことになっていました。

【Eumundi Marketって?】

そんなユーマンディ・マーケットの歴史を少しだけ。

マーケットが生まれたのは1979年のこと。二人の友人同士がユーマンディエリアにアートと農産物を集めたヨーロッパスタイルのマーケットを作ろうと立ち上がったことがきっかけでした。記念すべき第一回目は軽食が出されたものの、ブースを立てたのは3つの市場商人だけ。そして当日の来場者はなんと8人のみ、その日の売り上げは約3000円だったそうです。

そんな始まりだったマーケットは1年間定期的に開催され、次第に品物の多様さと新鮮さ、そしてフレンドリーな雰囲気を持つマーケットと噂になっていきました。

「Make It Bake It Sew It Grow It」
作って、焼いて、縫って、育てて

そんなモットーは今に受け継がれ、地元生産者を盛り上げています。

【マーケットをお散歩】

マーケット入り口
お昼時、フードが集まるエリアには人がたくさん

まずはマーケットをぶらぶら。丁度お昼時だったので、フードエリアから散策を開始しました。先ほど言ったように様々な国の食べ物がずらり。珍しいところだとハンガリーの揚げパンみたいなものもありました。そんな中、私が選んだのはオーガニック食材をふんだんに使ったベジタリアンサラダラップ。

ファラフェルと野菜のラップ

余談ですが、オーストラリアではどこへ行ってもベジタリアン・ヴィーガンオプションが存在します。

というのも実はオーストラリアは数年前まで世界1、2位を争う肥満大国でした。そんな事態に政府が動き、国民が健康志向へと変わってきたという背景があります。同時に環境問題や動物愛護の観点からベジタリアン・ヴィーガンを好む人口が増え、飲食店も変化していきました。
今ではメニューのオプションがあるだけではなく、ベジタリアン・ヴィーガン専門のレストランもかなり多く存在するんです。

これは別の街ですが、ノンアル、更にヴィーガン専門のカクテルバー。

ハンバーガー屋さんでもベジタリアンオプションが3種類くらいありました。
言うまでもなく、注文したサラダラップは中身が新鮮な野菜が満載で美味しかったですよ。

【ついに・・・】

本当に大きい!色々とエリア分けされているようですが、まだ続くのか?!と思ってしまうくらい。観光で来てるであろうお客さん、地元のお客さんなど様々な人が行き交います。

そしていよいよ・・・・

マーケットの中ほどにいました。そう、ビーエコラップ生みの親、Matt(マット)です。
やっと、やっと、会えました!

Hi, Matt!

彼を見つけるとフレンドリーな笑顔が出迎えてくれました。
お互いに「Finally! やっとだね!」と、挨拶をしましたが、もうすでに昔から知っている感覚になります。

アクセサリーやペンなど、小物を販売しているエリアにBee Ecoのブースはありました。テーブルに大きなパラソルのみと割と簡単なブース。テーブルにはビーエコたちが年季の入った木箱に並べてあります。横には色々な野菜やパンを包んだサンプルもずらり。日本んスタッフも関東近郊のイベントやマーケットに出店しているのでディスプレイの参考になるな〜なんて。

色鮮やかな野菜とビーエコラップたち

丁度お客さんがいなかったのもあり、「今日はどこを回ったの?」「観光はどこに行ったの?」など話をしていると、すぐさま通りすがりのお客さんがビーエコに興味を持って近づいてきました。

「すでに使っているんだけど買い足しにきたの」という会話が聞こえてきます。

オーストラリアではbee’s wax wrap(ミツロウラップ)というと割と知れ渡っているキッチンアイテムです。やっぱり、使っている人が多いんだなと実感する場面でした。

たくさんの柄からお気に入りが見つかったでしょうか。

マットには後ほどゆっくり会えるとのことだったので、しばしお別れ。
マーケットが終了する時間までまだ見ていないエリア(多分あと半分くらいありそう 笑)を見て回りました。

暑いのでジューススタンドに目がいってしまいます・・・

【マーケットの後に向かうのは・・・】 

14時も過ぎるという頃、ブース撤収をし始めたマットに再会しました。

あのテーブルや大きいパラソルも全部自前だったんですね〜。毎週水曜と土曜に出店なので毎回大変だな・・・と思ってしまいますが、そこは慣れたものでスムーズに荷物を車に積み込みます。

ここから向かうのは・・・
デヴァイン一家のご自宅!

マーケットの出店風景を見させてもらうのも目的の一つではありましたが、メインはこっち。彼らの住む家にお邪魔させてもらい、どんな暮らし、どんな風な製作をしているのかを実際にこの目で見て、話を聞く機会を作ってもらっていたのでした。

マーケットから彼らの家までは車で25分ほど。
色々と話もあるだろうから、と道中同席させてもらうことにしました。

【Bee Ecoの物語】

聞きたいことは山ほどあるけど、日本で販売するに至った経緯へと話が弾みます。

(なぜBee Ecoを作ったのか?というストーリーはウェブサイトに掲載しているので、ぜひチェックしてみてください:

「Story 作り手のデヴァイン一家とは」をご覧ください)

日本に輸出することになった経緯・・・

それは先ほどまでいたユーマンディ・マーケットとも関係がありました。Bee Ecoを作り始めてしばらく経った頃、約10年前にマーケットに出店することになったそうです。マット曰く、その頃はオーストラリアのみならず、ミツロウラップを作る会社は世界にたった4社しかなかったらしいのです(!)

当然、オーストラリアでもまだまだ知られない存在でした。

出店をするようになった頃、マーケットの担当者から「マーケット広報誌に記事を載せたい」と依頼があったそう。

ビーエコの原材料もできる限り地元産のものを使うというこだわりもあったため、地元の生産者を応援するマーケットの広報誌なら・・・と記事を書いてもらったそう。(今度、その記事の画像などあるか聞いてみます ※1)

それが一面に載ったことで全てが変わりました。

珍しい商品、作り手のこだわり、人々が求めていたモノ、世の中の環境に対する意識が高まっていた、という要素がマッチしとてつもない反響があったそうです。

オーダーは次から次へとに入り、国内外から「うちの店舗でも取り扱いたい。注文は可能か」という内容のメールが200通以上舞い込んだそう!

彼らは家族で運営していたため、残念ながら全ての問い合わせには答えることができないような状態でした。

そんな中、日本からメールが1通来ている、と目に留まります。

というのもマットは大の日本好き。実は20歳そこそこの頃にワーホリで日本に住んでいたことがあるそう。3年間、日光のホテルで働いていて、その期間中大阪にも数年住んでたよ、と教えてくれました。

その事情もあったため日本からのメールを開けてみたらなんとメールの送り主は同じエリア、サンシャインコーストに住んでいる日本人(今回案内をしてくれたビーエコスタッフです)。本当にびっくりしたよ!と言います。

更にマットのお子さんとスタッフの子どもが同じ学校に通っていることも判明し、これは縁だ!と日本での輸入が始まることになりました。

スタッフにも話を聞いたところ、子どもの学校のオーガニックカフェに置いていた商品を見て良いと思い、パンフレットにあったメールに連絡をしたことが始まり、とのことでした。

日本で販売することになった経緯は聞いていましたが、そんな背景もあったとは知らず。そんなお話が聞けたことは本当に貴重でしたし、それがあり私が今こうして彼らに出会うこともできたというのも奇跡だと感じます。

【森の奥へ奥へ・・・】

そうこうしている内に、窓の外の風景がガラッと変わってきました。

 

そう。この森の奥にデヴァイン一家の家が存在するというのです。

ここからは何かのアトラクションにでも乗っているかのよう。車は揺れる揺れる・・・
もちろん、外灯なんてものは見当たらない、時たま分かれ道があるけど見渡す限り木・木・木。

これは道を把握してないと自分の家にも辿り着けないんじゃ・・・と聞いてみると、

「陽が落ちると真っ暗になるよ。実際迷ってしまった人がいて、みんなで探したこともある。数時間森の中を彷徨ってしまって思ってもないとこから出てきたよ。見つかったのはラッキーだったね。」と・・・。

そんな話をしているうちに視界が開け、広大な土地とそこに佇む建物が見えてきました。

ついにデヴァイン家に到着です!

ほんの一部・・・

と、せっかくのところですが、長くなりすぎたので今回はここまで・・・。


次回は家の周り(といっても規模が大きいです)、周辺の自然と歴史や将来に関してマットや家族から聞いた話をしたいと思います。
ビーエコの製作現場も少しだけ・・・

ぜひ、次回の記事もお楽しみに!


H



追記:

※1 後にマットに詳しく話を聞いて見たところ、ユーマンディマーケットに最初に出店した時に、同マーケットが発行している「ONE MAGAZINE」の表紙になったそう。

こちらが表紙とインスタグラムでの投稿

プラスチックに変わる何かを作ろうと2014年から布とワックスで色々方法を試すことを始めてそうです。ユーマンディマーケットは毎年300万人の観光客が訪れる南半球で最大のアートマーケット。そこに出店すること、そしてコミュニティに加わることが夢だったそうです。そして2015年5月に出店が決まりBee Ecoの立ち上げとなったとのことです。

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