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飲み放題はなぜ存在するのか

 ダーツバーで頼んだお酒、カシスオレンジがとんでもなくおいしかった。
飲み放題の薄い酒とは大違い。なんで飲み放題なんてあるのだろう。

 飲み放題の起源を調べたところ、しっかりとした根拠となる資料はなかった。ただ、飲み放題っていうのは日本独自の文化であり、海外ではあまり見られないそうだ。
日本独自の飲酒文化「飲み放題」 | edamame - 関西観光ガイド

 飲み放題関連だと食べ放題が思いつく。食べ放題といえばバイキング。バイキングという形式はどうやら日本発祥のものらしい。
1958年8月1日に帝国ホテルの社長が開始した「インペリアルバイキング」が発祥なんだそうで。
これをやったきっかけとしてはデンマーク、コペンハーゲンを社長が訪れたときに、魚介類や肉料理、酢漬けなど、好みのものを自由に食べるスカンジナビアの伝統料理「スモーガスボード」(スウェーデン語でパンとバターのテーブルという意味。おしゃれ!)に出会い、好きなものを好きなだけ食べるスタイルを取り入れて生まれたそうです。
そこから「食べ放題」という名前で日本独自の食事方式として広まったそうです。
バイキングの歴史 | ブフェレストラン インペリアルバイキング サール | レストラン・バーラウンジ | 帝国ホテル 東京


以上を踏まえたうえで持論を展開したい。
食べ放題から飲み放題が生まれたのではないかと私は考える。
飲み放題は日本独自であり、食べ放題は日本発祥だ。無理のない発想だと考える。

 じゃあ、飲み放題ってなんで存在するのだろう。その話に戻る。
「飲みたいものを好きなだけ飲める」という要素は大いにあるだろう。お酒好きの人がお金を気にせず好きなだけ飲めるっているのは有難い。
また、飲み会の幹事としても飲み放題にすることで、お金が一定になるので集金がしやすい。幹事めちゃ大変だからね。

 いいところは分かった。でも、僕は飲み放題の悪いところに目を向けたいと思う。それはお酒そのものを楽しめないってことだ。質的な楽しみではなく、量で楽しんじゃっているということだ。お酒そのものをしっかり味わうのではなく、お酒をがばがば飲んでアルコールの多幸感を楽しんじゃっているということだ。

少し別の話をしましょう。インターネットポルノはなぜ無料で見れてしまうのだろう。その性質は通信料はかかるけども、量は無数であるという点では飲み放題と同じだ。
ネットポルノがあるのは広告費があるからといえる。しかし、それが本質ではないと考える。本質はポルノ依存者を増やすこと、そして時間を払わせることだ。ネットポルノは無料の代わりに時間を差し出させて広告費を稼いでいるのだ。
広告費を最大にするにはどうすればよいか。それはその人を依存者にしてしまえばいい。たくさん時間をかけてくれるほどたくさん広告を見てもらえるのだから。サブスクリプションも本質的にはそうなのかもしれない。

 少し過激な言い方かもしれない。だが、言いたかったのは無料であることお得であることは何かしら知らぬ間に他の代償をあなたが払っているかもしれないことを意識してほしいという話だ。

 飲み放題の話に戻ろう。いくらでも飲めるしお得に見えるけれども、その代償は何なのか。ただ、安く飲めるだけならこの制度は存在し続けられない。経済的に続けられないしね。

 その代償とはアルコールの耐性をつけさせること、依存させることだ。飲み放題にしたら元を取りたくなる。普段飲まない人も飲まなきゃもったいない気がする。それで飲む。飲む人を増やすシステムとして非常に合理的であると考える。

 それに知らず知らず巻き込まれるのはもったいない。それをあのダーツバーで飲んだお酒で知った。お酒ってのは質的に楽しむものだと思う。お店の人が丁寧に作ったものを高い金払ってしっかり楽しむことが大人な飲み方なのではないか、ビジネスに巻き込まれて代償を払わされない独立した大人の飲み方なのではないかと思う。


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