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少女と猫

 一人の少女ありまして、一人の猫に遭いました。

 少女は猫に歩むれど、猫はさらりとかわしゆく。
 どれほど彼に歩むれど、彼はさらりとかわしゆく。

 恐れも震えも、彼は見据える。

 愛の手さえはねのける。

 愛されたいなら、愛せばいい。
 ただその愛は人を選ぶ。

 甘くてとろける愛もあれば、吐いてしまう愛もある。
 愛は同じで、受け手で変わる。
 誰にも受け取られない愛はいったいどんな形をしているのだろう。

 猫の手も借りたいものだ。


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