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国内OTAランキング(結論:じゃらんが圧倒的1位)
はじめに
※こちらは2020年10月に執筆した記事を転載したものです。
「コロナ危機の今の日本で、集客できるOTAはどこなのだろう。」
という、執筆者である長坂の疑問が発端でこの記事を書いています。
1.結論(じゃらんが圧倒的1位)
1位・・・じゃらん(100ポイント)
2位・・・楽天トラベル(60ポイント)
3位・・・一休.com+Yahoo!トラベル(28ポイント)
上記より、集客はじゃらん、楽天トラベルでだけで十分と言えます。
多くの宿にこちらの結論が当てはまるでしょう。
※ポイントの計算方法、一休.comとYahoo!トラベルを合算した理由は後述。
●Yahoo!トラベル
●一休.com
●Relux
上記3つのOTAは、ハイエンド向け*のみ、掲載を検討すべきです。
*ハイエンド向け=Booking.comの口コミ評価9.0以上
この点は、後ほど詳しく解説します。
2.楽天トラベルが経営情報の公開を取りやめた理由
じゃらんは『流通取扱高』という経営情報を公開しています(詳細)。
一方、楽天トラベルの経営情報は2018年6月から非開示*の状態です。
*出典はこちら
故に、じゃらんと楽天トラベルの単純比較は現状不可能です。
「楽天トラベルはじゃらんと比較されるのを嫌ったのでは?」
そう私は考えていますが、実際の理由は不明です。
3.比較方法は、OTAのセッション数
私は、コロナ危機における『宿目線の良いOTA』を調査し始めました。
しかし、ネット上にはコロナ危機中のOTA比較データは存在しません。
そんな中、私は以下の仮説を思いつきます。
「一般人の訪問数が多いサイト = 売上も多いサイト」
この仮説を元に、私はシミラーウェブ*を利用し調査を再開しました。
*シミラーウェブについて詳しくはこちら
比較する項目は、各OTAのセッション数です。
セッション数とは、要は『訪問した人の数』を意味します(詳細)。
「訪問した人が多いOTAは、売上も多い」
私はそう考えています。
4.一休.comとYahoo!トラベルの関係について
一休.comとYahoo!トラベルは、同じ企業グループに属しています。
●一休.com = OTA
●Yahoo!トラベル = メタサーチ(OTAから部屋を借りて販売)
故に、この記事では上記2つをセットにして考察しています。
なお、Yahoo!トラベルは、小さいOTA*からも在庫の提供を受けています。
*小さいOTA・・・JTB、るるぶなど
この記事では、JTBやるるぶのような小規模のOTAは加味していません。
![メタサーチ-1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64710956/picture_pc_f4322b8bb30e98dcdd45891d143820b5.png?width=1200)
5.セッション数のランキング
1位・・・じゃらん(4,500万/月)
2位・・・楽天トラベル(2,000万/月)
3位・・・一休.com+Yahoo!トラベル(1,300万/月)
4位・・・Relux(300万/月)
※数字は、万単位以下を四捨五入しています。
![セッション数](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64711945/picture_pc_50d960186cfce10dc7a51040f6c2e028.png?width=1200)
6.セッション数のランキングから見えること
1位のじゃらん(4,500万/月)を100%とします。
①じゃらん:100%
②楽天トラベル:44%(=2,000万÷4,500万)
③一休.com+Yahoo!トラベル:28%(=1,300万÷4,500万)
④Relux:6%(=300万÷4,500万)
要するに、じゃらんが圧倒的1位ということです。
2位の楽天トラベル、3位の一休.com+Yahoo!トラベルは必要でしょうか。
ここは意見が分かれるでしょう。
楽天トラベルと一休.com+Yahoo!トラベルがあなたの宿に必要か否か。
それは以下3つの項目を加味して検討しましょう。
●セッション数以外の項目
●長期戦略での口コミ集約
●あなたの宿はハイエンド向けか
それぞれ、以下に解説します。
7.セッション数以外の項目(楽天トラベルが健闘)
じゃらんのセッション数(訪問数)は圧倒的です。
しかし、予約に至った比率は楽天トラベルの方が高い可能性があります。
理由は、以下3つの指標で見ると楽天トラベルの方が優れているためです。
●滞在時間(予約者がそのウェブサイトに居た時間)
●平均ページビュー数(予約者が見たページ数)
●直帰率(1ページだけみて離脱した比率。低ければ低い方が良い。)
![エンゲージメント](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64787579/picture_pc_57acb234893856adb88e4bc64cf2a7de.png?width=1200)
滞在時間を例にします。
●じゃらん:351秒
●楽天トラベル:473秒
●楽天トラベルはじゃらんの1.34倍(=473秒÷351秒)の成約率*。
*成約率=予約まで到達する率
このように、無理やりですが仮定できます。
以下の計算から、1.結論で紹介したポイントに結びつきます。
楽天トラベルのセッション数は、2,000万でした。
これに上記の成約率を加味した1.34をかけると、2,700万になります。
その2,700万をじゃらんの4500万で割ると60%です。
つまり、じゃらん(100ポイント)、楽天トラベル(60ポイント)です。
以上が、1.結論で紹介したポイントの計算方法となります。
8.長期戦略での口コミ集約
私はレビューを多種類のOTAに分散させないよう推奨しています。
小さい宿に対しては、特に強く推奨しています。
理由は、口コミがもたらす売上への影響です。
弊社のデータによると、口コミは1つのOTAに最低30個以上必要です。
口コミ30個から、初めて売上への正の相関価値が出てきます。
コロナ危機を抜ければ、訪日外国人は戻ってくることでしょう。
Yahoo!トラベル、一休.com、Reluxそれぞれで口コミを30個以上貯める。
今その必要性があるのか、よくご検討願います。
1位、2位の楽天トラベルとじゃらんだけに口コミを集中させる。
その方が長期的に戦いやすいと思いませんか。
![レビュー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64788328/picture_pc_6391ec819cf325e2b7b7a5246abf1679.png?width=1200)
9.自社の宿のはハイエンド向け宿か
Relux、一休.com、それぞれの元社員に聞いた話を元に解説します。
Relux、一休.comに掲載できるのは、ハイエンド宿のみです。
掲載するためには、審査を通過する必要があります。
どちらのサイトも、掲載基準で重要な項目は、
『Booking.comで口コミ9.0以上』
上記を達成する宿であるかどうか、とのことです。
これは、相当な人材や設備への投資が無いと実現も維持もできません。
もし、あなたの宿が口コミ9.0以上をなんとか達成し、掲載されたとします。
その後、あなたの宿を待っているのは、他のハイエンドな宿との競争です。
Reluxや一休.comへの掲載が本当に必要か、よくご検討ください。
あなたの宿がハイエンドであれば、掲載する価値はあるでしょう。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64903362/picture_pc_e8ed88836bc536c82c2ca9b999812e2b.png?width=1200)
10.施設数の要素(2020年10月29日に追記)
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64903555/picture_pc_6a913d08af67480ff9f9a951b90bb180.png?width=1200)
じゃらんの1施設あたりのセッション数は、楽天トラベルの2.72倍です。
これは、より多くの『客の目』を連れてきていることを意味します。
じゃらんの強さは圧倒的ですね。
以下、詳細な計算のロジックです。
※読み飛ばしていただいて問題ありません。
●じゃらん
・施設数は27,229軒、セッション数は4,500万。
・1施設あたりのセッション数は、約1,652回(=4,500万÷27,229)。
●楽天トラベル
・施設数は約33,000軒、セッション数は2,000万。
・1施設あたりのセッション数は、約606回(=2,000万÷33,000)。
●1施設あたりのセッション数の差は、2.72倍(=1,652÷606)。
●上記より、じゃらんは楽天トラベルより2.72倍優れていると言える。
最後に
この記事の反響がある程度あった場合、
『海外OTA 日本での集客力ランキング』
という記事を書こうと思います。
Go To トラベルや各自治体の割引キャンペーン。
コロナ危機で、宿には上記のような形で潤いがもたらされています。
この潤いで宿が生き延び、世界が元通りになることを願っています。
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