アクセスや設備の充実だけでは危険! 2024年、今必要なのは「雰囲気」
民泊の開業、ゲストからの評価…。
アクセスや設備などハード面の充実にばかり力を入れていませんか?
しかし、今、本当にゲストから求められているのはソフト面。
ずばり、雰囲気のいい、落ち着いた空間デザインです!
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「雰囲気」のクチコミは 1090% 増
Expediaグループの2024年トレンド調査によると、
宿泊先の評価で「雰囲気(vibe)」という言葉を使ったクチコミの数は、
2023年、前年比でなんと平均 1090% も増加しました。
92%の人が「雰囲気を重視する」としており、その重要性は明らかです。
また、日本人の65%が「落ち着いた」雰囲気を重視すると回答しており、
世界全体で見るとその数字こそ下がるものの、最も人気があります。
2024年は、立地や備品よりむしろ雰囲気重視で落ち着いた空間を演出し、
それを推していく方が集客につながり、
高評価を得られる可能性が高いです。
旅は成長から心地よさへ
そうは言っても、どうやって空間を作っていけばいいのか——。
ヒントは「心地よさ」にあります。
JTB総合研究所は、旅行に関連する社会の価値観の変化として
「よりよいこと(成長)」から「より心地よいこと」
が優先されることを挙げています。
さらに2023年の調査によれば、場所に求める心地よさを形作る要素として、
①価値観を共有すること
②自分を受け入れてもらえること
が重要であるようです。
従って、この2つのポイントを意識することで心地よさがアップし、
くつろげる、落ち着いた空間に繋がるはずです。
思いをシェアし、日常から少しズラす
前述の2つのポイントについて、具体的に考えてみましょう。
①価値観を共有すること
これは言い換えればオーナーとして、
民泊や地域に対する思いをシェアすることです。
例えば、田舎の一軒家貸しの物件だったら
「窓から見える海の景色に惚れ込んでこの物件を手に入れることに決めた。
ぜひ喧騒から逃れ、誰にも邪魔されずのんびり楽しんでほしい」
といった感じで。
自分を主語に、この宿のどこが好きで、
地域でどんなことして過ごすのが好きかを、
宿の説明文やメッセージのテンプレに一行加えてみましょう。
あるいは、玄関にメッセージボードをたて、
「夕飯に出かけるなら〇〇がおすすめ!」
「明日は〇〇で朝一があります、お見逃しなく!」
と地域のプチ情報を添えてみてもいいかもしれません。
同じような時間の過ごし方に心地よさを感じる、
つまり同じ価値観を共有するゲストを取り込むことができます。
ポイントは、たとえ直接ゲスト会わなくても、
自分の人柄や価値観が伝わるようにすることです。
②自分を受け入れてもらえること
ゆっくりと空間を味わうような滞在スタイルを紹介しましょう。
オーナーやスタッフが、気合を入れておもてなしする必要はありません。
例えば、15時にチェックインしたゲスト。
午後のティータイム、夜の食事、夜景、朝の周辺散歩……
と、長時間、宿や周辺地域でのんびり過ごすには、何が必要でしょうか。
ありきたりなIKEAのマグカップではなく、
ソーサー付きのティーカップを用意してみたり。
ソファをテレビに向けるのではなく、
夜景を楽しめるようにあえて窓側へ向けてみたり。
家での「当たり前」とはちょっとズラすことで、
慌ただしい日常から離れて落ち着いた時間を過ごしてください、
というメッセージを伝えることができます。
そして具体的に、そうした過ごし方を提案することで、
自分の滞在を考えてくれている=受け入れられている
という充足感に繋がるはずです。
ちなみに例でティーカップを挙げましたが、
食器や家具類はできるだけ、カラーを統一し、
シンプルにした方が落ち着いた空間になります。
色や柄もランダムにとりあえず数を間に合わせるのは得策ではありません。
統一感という意味では、3COINSやニトリなんかは、
シンプルでおしゃれなものを幅広く揃えており、
値段も100均には劣るものの比較的手頃でお勧めです。
最後に
今回は、2024年の旅行トレンド調査から、
宿の空間デザインについて考えてみました。
ポイントは、
2024年、旅行者が宿の滞在で重視するのは「雰囲気」
中でも「落ち着いた」雰囲気にもっともニーズがある
オーナー自身の価値観を共有する
ゆっくりと滞在を楽しむことを想定した空間づくりが重要
以上4点です。
センスがないからと諦めるのは、もったいないです。
困ったら、コーディネーターなどの専門家に手伝ってもらいましょう。
もしくはこちらの方のように、「落ち着いた雰囲気を予約者に伝えるにはどんな文章がいい?」と、ChatGPTに文面を相談してもいいでしょう。
そして、自分が落ち着くと思える空間を、自信を持ってシェアしましょう。
文=町田紗季子