見出し画像

【保存版】グローバルビジネスに学ぶ仕事の極意



はじめに

グローバルプロジェクトとはどんな特性があるものなのか、勝ち抜くには何に気をつけなければならないのか。
関連する情報はSNSに流れてきたり、学術的な書籍があったり、仕事の中で伝承されたりという形で存在はしているものの、現実に即したものがストックされていることは多くないと感じています。

そこで、5年以上グローバルプロジェクトで働いている私の経験をもとに、ポイントとなる点を少し抽象化して整理してみたいと思います。
教科書のように正解を示すものではなく、実際的には各プロジェクトの内容を鑑みてテーラリングする必要があります。
ただし、私がグローバルプロジェクトにかかわる人たちと会話をする中で共通認識を持っているポイントに絞っていますので、同環境での一定の汎用性はあるかと推察しています。また、私自身が海外側へ赴任した時期もありますので、「日本から見た海外」だけではなく、「海外から見た日本」の視点も含めています。

なお、「グローバル」という言葉は広義的に捉えるとイメージがバラバラになってしまうので、ここでは「日本企業が海外に現地法人、或いはクライアントを持ち、且つ日本人以外がステークホルダーになっているプロジェクト」を指すこととします。つまり外国人とコミュニケーションするということですね。

また、「外国人」と一概に括ることは難しく、例えばドイツ人と中国人では仕事の計画的な進め方には大きな違いがあります。グローバルプロジェクトにおいて文化の違いは大きな論点にはなるのですが、一度始めると季節が変わるほど時間を要してしまうため、ここでは割愛します。

少し細かいですが、ここで取り扱う「外国人」の属性についての補足です。基本的には海外にいる外国人ですが、日本語は話せいないものとします。また、日本文化(日本企業の文化)に一定の見聞はあるものの、しっかり理解していないものとします。これは、多くのグローバルビジネスにおいて発生しやすいシチュエーションとなります。

章立てについて

本noteに関しては先に章立てを考えたのですが、今回いくつかの章を書くだけで相当な時間を要してしまいました。
そこで、このnoteでは書いた章だけを発信し、追加の章に関しては書き終えるたびに更新と言う形で通知したいと思います。
今後書く予定の章については、本文の一番最後に記載しています。

1. 日本メンバーの英語力は要チェック

まずはじめに、意外と見落としなのが海外ではなく日本メンバーの言語スキル。こちらについて考えたいと思います。
プロジェクト立ち上げ時、「英語ができる人は誰である」という点については十分に議論されアサインメントが行われることはあっても、会議に同席する、或いは資料を読む人々の英語スキルは見落とされがちです。

さて、これの何か問題になりうるのでしょうか。
具体的な例を挙げると、例えば英語力が不明な人が会議に参加している場合、英語ができるメンバーがその人に対して英語で質問を投げ掛けても良いのか、日本語で確認した方が良いのか分からないという問題が起こりえます。

前提として、英語の会議では英語のみの話者を含むと考え、基本的に英語のみで会話を行うものですが、複雑な内容を話す場合や英語が使えない人と会話する場合は、いったん英語を止めてその国の言葉で話す場合があります。

問題に戻りましょう。英語ができない日本メンバーに英語で質問をしてしまうとどうなるでしょうか、きっと間違えた答えが出てくるか、うまく回答を得られないことでしょう。
一方で英語ができる日本メンバーに日本語で質問をしてしまうとどうなるでしょうか、きっと回答は得られるものの、英語での会議というテーマに対し直接的な理解ができないメンバーが発生することや、翻訳が必要になってしまうことが想定されるでしょう。

これらの問題は、ことばにすると些細なことのように見えるかもしれないけれど、積もることで日本と海外のあいだに溝を作ってしまうもの。なるべく避けなければならないものです。

そこで事前に日本メンバーの英語力を確認しておく必要があります。直接聞くのも憚られるかもしれないですが、会議や資料を連携するときにカジュアルに確認できると良いと思います。あるいは状況を見ながら推測してもよいかもしれません。

日本語と英語のコミュニケーションの前に、日本人同士での足元のコミュニケーションは固めておく。まずは身内からです。

これは英語コミュニケーションだけに適用できるワザではなく、国内でも活用できます。
例えば技術に関する知識、インダストリアル知識、プロジェクト経験など、様々なコンテキストがあり、人により異なります。
英語と同様に、これらについてもお互いがどのレベルにいるのかを把握することで、コミュニケーション面でケアすることができます。

2. メールだけの依頼はしていないものと同じ

日本人を相手に、仕事の依頼をする。納期までには結果が帰ってくる。
外国人を相手に、仕事の依頼をする。納期を過ぎても返事が来ない。

こんな経験はないでしょうか。
これは日本人は仕事ができる、外国人は仕事ができない、という二元論ではなく、状況的な課題がある場合が多いです。

もちろん業界や業種、職種や会社にもよりますが、日本人はわりとメール依頼で動く場合が多いですね。一方で多くの外国の場合はそうならないことが多いです。

  • メールを送ったのに、レスポンスがない…。

  • メールを送ったのに、一部しか回答が来ない…。

  • メールを送ってOKの返事が来たのに、その後音沙汰なし…。

日本で仕事をしていると、何故だろうと思うことばかり。
メールを受ける方からすると、海の向こうにいる人からメールを受けるだけでは、優先度や重要度が伝わりづらいということがあります。
身近な現地の社内からの依頼では、その辺りがクリアに伝わることが多く動きやすいですが、遠い場合はどうしてもコミュニケーションが疎遠になり難しいことがあります。

原因は主に以下のことが考えられます。

  • 信頼関係が構築されていない

  • 依頼事項の情報が薄い

それではどう対応すれば良いでしょうか。

信頼関係がない場合は、兎に角接点を増やしましょう。
所謂ザイオンス効果で、特定の人物や物事に何度も繰り返し接触することで好感度や評価が高まっていくという心理的傾向を利用し、信頼関係を構築する必要があります。

How The Mere Exposure Effect Shapes Our Worldview

これは時間的猶予がある場合、またはプロジェクト初期でエンゲージメントが低い場合に有効です。メール、チャット、会議、様々なコミュニケーションチャネルを活用して、存在をアピールしましょう。

また、信頼関係が一定構築できている場合にも課題が解決しない場合は、依頼事項の情報が薄い場合があります。

「何故コイツらは急ぎで依頼事項を投げてくるんだ?」「オレらにも仕事があるんだけど、日本の依頼をやる意味は?」

外国のメンバーからするとこんな疑問を持つことがあります。横に座っていたり、時差がなければ直接会話して解決できることかもしれません。日本語の会議に参加していれば、背景情報も拾えるかもしれません。

時差や言語が障壁となって、依頼事項以外がすっぽりと抜け落ちてしまうことはままあります。

それらを効果的に補足できるのが、ミーティングです。
下記はコミュニケーションの効果と手段のマップです。

Channels of Business Communication

上に行くほど効果的だがリッチな手段、下に行くほど効果は薄いがスリムな手段となります。ビジネスでの定石は、リッチな手段でコストをかけてしっかりとコミュニケーションをとったあと、スリムな手段で効率的な連携を行うものです。

ロケーションや時差による距離がある海外とのコミュニケーションにおいては、リッチなコミュニケーションが省略される場合があります。

そこで、一度はこれらのコミュケーションチャンネルを取り入れて補足することが大事になります。
Face-to-Faceは一番良いですが、出張のコストが大きいものです。そこで取り入れやすいものが、ビデオ会議です。
メールで書いて一生伝わらないことや、無限に返信のやりとりをする内容も、30分会話すれば解決したりします。

ビデオ会議には、時差への対応や英会話スキルが必要になりますが、効果はそれを凌駕するほどあります。可能な限り、まずはミーティングを心がけると良いのですが、難しい場合はメールを送って反応に不安を感じたら、即ミーティングを設定することで深みにハマる前に先に進めます。
テキストでは質疑しにくかった質問が出てきたり、そもそも声によるコミュニケーションで柔らかみが生まれる効果もあります。

メールだけの依頼はしていないものと同じ。これは日本国内でも時に起こりうることです。
対応策を頭に入れておけば沼に沈むことは減ります。

3. 「普通」の概念は捨ててしまおう

「普通は事前チェックするよね」
「設計書、普通に作っておいて」
「普通に進めてくれればいいから」

仕事中、こんな言葉を聞いたことはないでしょうか。
慣れ親しんだ組織であれば、特に違和感を感じないことでしょう。「普通」と言われて、それが前回と同じを指していたり、社内でよくみる進め方だったり、すぐに頭に浮かんでくることでしょう。

一方で、グローバルな仕事において、「普通」というのは禁句です。まったくもって伝わりません。仕事崩壊のきっかけになります。
なぜ「普通」を使ってはダメなのか、これにはいくつか理由があります。

まず大きな要因が、コンテクストのギャップです。
こちらは「異文化理解力」という書籍で紹介されているカルチャーマップです。

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

①のコミュニケーションの欄を見てください。日本は赤色の線ですが、右側のハイコンテクストに寄っています。
これはつまり、日本人は文化の共有性が高く、コミュニケーションの受け手側が行間を読むことが求められます。簡単に言うと、空気を読むコミュニケーションということです。

日本人同士であれば一定これが通じて効果的です。例えば同じ街で生まれ育ち同じ業界の会社で働いていれば、ある程度は相手が言いたいことを察することができるでしょう。(もちろんそうでないケースも多いものですが…)
一方で他の国、特にアメリカのように生まれや育ちといった背景が異なる人が多い文化では、ローコンテクストとなっています。すなわち、言葉にしないと伝わらない、明確に言語化して伝えるという文化です。

さて、例えばここで出たハイコンテクストな日本とローコンテクストなアメリカで仕事をするとします。
日本人が「普通に必要なプロジェクト資料を作成して」と伝えても、その普通が共有されていないため、うまくいきません。
伝えるのであれば、何の資料が必要かを明確に伝える必要があります。
(もちろん相手がマネージャークラスであれば、細かく伝える必要はありませんが、明確に決まっているものがあれば当然伝える必要はあります)

ハイコンテクストな文化からすると、いちいち細かいことを伝えなければならないことを面倒に感じるかもしれませんが、具体的にコミュニケーションを取る必要があるのです。
これは、ハイコンテクストな文化であることだけでなく、かなり多くの違いがある他国の人とのコミュニケーションでは慎重にやるべきポイントなのです。

わかりやすい例を挙げます。下記は典型的な非管理職の労働スタイルです。
・日本人は仕事が終わらなければ、終わるまで残業を自主的に行う
・イギリス人は仕事が終わらなくても、指示がなければ定時に帰宅する

もしあなたが日本人マネージャーで、メンバーに対して「仕事が終わっていないよね、普通は終わるまでやるよね」と考えていると、痛い目を見るわけです。
翌日、「何で帰ったんだ」と怒っても、相手からすると指示されていないので意味がわからないわけです。こうして言葉にしない期待から軋轢が生まれ、プロジェクトは失敗に終わるどころか、組織崩壊にすら向かっていきます。

対応方法としては、「すべてを言葉にして伝えること」につきます。
ハイコンテクスト文化で育った我々にはそう簡単なことではないかもしれませんが、まずは「普通」というキーワードを捨てることから始めると良いかもしれません。
もちろん、これは国内でも発生することです。同じ日本人であっても、世代や業界、生まれ育ったバックグラウンドの違いにより「普通」は異なります。

だれかの普通は、他の誰かの特別なこと。
考え方の違いを受け入れましょう。

4. 同期コミュニケーションを差し込む

コミュニケーションには2種類あります。同期コミュニケーションと、非同期コミュニケーションです。

簡単に説明すると、リアルタイムで対話ができるものが同期コミュニケーション、必ずしもタイミングを合わせなくて良いものが非同期コミュニケーションです。

https://dcross.impress.co.jp/docs/column/column20210122/002094-3.html

リモートワークが増えたパンデミック以降、多くの非同期コミュニケーションが台頭してきました。メールに加え、チャット、グループウェア、SNSなど、便利でフレキシビリティに富んでいます。

海外とのコミュニケーションにおいても、この非同期コミュニケーションが使われるケースは多いものです。
時差がある場合はミーティング設定が難しくなりますし、ミーティングで英語を使って対話をすることは文章より難易度が高いものです。

一方で、ここには落とし穴があります。私の経験上、非同期コミュニケーションの上でプロジェクトが失敗することは多々あると考えています。
具体的なシーンで考えてみましょう。

例えば、日本本社からアメリカ東海岸の支社にいるメンバーに仕事を依頼してみることにします。作業量は、頑張って1日稼働すれば終わるような調査とします。
あなたは簡単な依頼のメールを送付します。依頼の背景、目的、内容、それから期限が書かれています。

さて、1週間経ちましたが、アメリカのメンバーから返信はありません。リマインドを送ってみます。まだ返信がありません。
再度送ってみるとようやく返信がありました。すぐに対応してくれるようで、あなたは安堵しました。
ところが数日経っても音沙汰がありません。どういうことでしょうか…。

別チームの同僚が、たまたまアメリカのメンバーとミーティングを行い、その際にあなたからの依頼についての愚痴を聞いたようで、教えてくれました。
どうも、忙しい今の状況でできる内容ではなく、おまけに依頼の内容もよくわからないというのです。


さて、何故このような状況になってしまったのでしょうか───。

大きな原因として、依頼メールは送ったものの、相手の声を聞けていないことがあると考えています。
本社からの指示に、そんなものが必要なのかと思うかもしれません。ところが、海外のコミットメントが取れていない場合、非同期コミュニケーションでの依頼は悪手になります。
しっかり同期コミュニケーションで話をし、相手の状況を聞き、疑問点に答えた上で納得してもらう、このプロセスが非常に重要になります。

これは日本国内でも同様なのですが、「やれと言われたらやる」というカルチャーや、そもそも文化的背景が近い日本人同士であれば、大きな問題なることは比較的少ないです。

一方で、他国とやりとりするケースでは顕著に問題となります。
文化的に、しっかり対話を行わない依頼は優先度が落ちるかもしれません。会社の関係性的に、彼らの支社内の支持が優先される状況かもしれません。
言語的に、パワーのかかる外国語よりも楽な自国語の仕事を先に行おうと考えるかもしれません。
地理的に、遠い場所にいる相手より近い相手の依頼を大事に考えるかもしれません。文化の近い相手に親近感を抱き、優先するかもしれません。

これらの問題点は推測ですが、存在する可能性は高いと思います。バリアを少しでも破りコミットメントを高めてもらうため、同期コミュニケーションを大事にすることが必要です。

時差があり、言語的なハードルがある中でも、必死で会話を行うこと。
相手も人間です。動いてもらうために、泥臭い仕事は効果的です。

毎回同期コミュニケーションを取る必要はありません。コミュニケーションの質は上がりますが、コストがかかります。
コミットメントが取れている間は非同期コミュニケーションで十分でしょう。状況を見て差し込むことができれば、バランスが取れて良いと思います。
日本国内での仕事でも同様に、ポイントを見て活用していくと良いと思います。

5. OKYはコンフリクト・マネジメントで解消

"OKY"という言葉をご存知でしょうか。OKRではなくOKYです。

これは、「お前が(O)、ここに来て(K)、やってみろ(Y)」を略した言葉で、海外駐在員の間で生まれた言葉のようです。
海外現地の状況を理解していない日本本社の指示に対して、「お前がここに来てやってみろ」と、不満を表しています。

グローバルビジネスにおいて、このようなシーンは多々あります。ありすぎてほとんどがこの問題なのではないかと思えるほど、頻出の問題です。

例えば日本本社から海外支社へ指示があったとします。それは、新しいソフトウェアの導入で、海外へは3ヶ月で導入を完了するようにという内容だとします。
通常日本国内であれば問題のないスケジュールであっても、海外ではより多くの変数があり、国内同様に進められない場合が多々あります。
現地法規制への準拠、コンプライアンスの問題、監査への対応、輸出入手続きといったハード面から、導入先部署の担当者が長期休暇で不在であったり、言語や文化の壁により調整が難航したり、説得に時間を要したりというソフト面の課題もあるかもしれません。

そういった現地特有の事情を整理して、日本と現実的なスケジュールへ調整することは海外支社の仕事で、とりわけ日本人駐在員の仕事になりがちです。

事情を鑑みない指示や、計画確定後で調整の余地がない場合などに浮かび上がる感情が、OKYなのです。現地に来ればすべてがわかる、何が大変でどんなことをしなければならないのか───。

これは日本と海外支社に限った話ではありません。
日本国内のドメスティックな仕事でも発生しうることです。
どのようなシーンがあるか、目を瞑って少し考えてみましょう。




例えば、以下のような状況が考えられます。

  • システム利用者の声を聞かずに、情シスが利用サービスの変更を決めた

  • 事業部門はシステムに文句ばかり言い、情シスのポリシーをわかってくれない

  • 本社のポリシーは現場最適にならないものの、拠点は理解してくれない

  • 開発部署が運用の大変さを理解せず、運用でカバーを連発する

  • 営業はシステム開発のインパクトを鑑みずに仕事をとってくる

上から3点は事業会社内の問題、下2点はシステム会社内の問題です。
他にもOKYを言いたくなる場面は多々あるでしょう。
どれも、現場を理解していない一方的なコミュニケーションにより、軋轢が生まれてしまうのです。

OKYを避ける、或いは解消するためにはどのように対処すれば良いでしょうか。
お互いに相手の状況を理解しようと努めることです。

日本本社と海外支社の例で考えてみましょう。
悪い手段として、大きく2点挙げられます。

ひとつは、日本の指示をそのまま受け入れてしまうことです。
難しいことを承知でも、相手に合わせる必要があるんだと諦めてしまう。当然海外支社のステークホルダーからは非難轟々です。うまくいくはずがなく、周囲からの信頼も無くし、バッドエンドになってしまいます…。
当然日本からもプロジェクト失敗と見られます。

もうひとつは、海外の事情があるから無理だと突っぱねることです。
海外支社メンバーからの株は上がります。一方で、日本本社から見るとプロジェクトは計画通り進まないわけなので、問題とされてしまいます。
課題を伝えるまでは良いのですが、「ではどうすればいいか?」まで踏み込まないと、生産的とは言えませんね。


次に、運用と開発の例で考えてみましょう。

運用でカバーばかりさせる開発部署に、「お前がここに来てやってみろ!」と言いたい気持ちはとてもわかります。一方で、開発部署にも何か事情があるのかもしれません。
事情があるから許されるというわけではなく、相互理解のために話を聞く必要があるのではないかということです。

相手の事情を聞いて理解する、その上でこちらの事情をしっかりと説明して理解してもらう。

歩み寄ることで、より良いところに話がまとまり、納得感が少しでも上がるのではないでしょうか。

「お前がここに来てやってみろ」と言ってしまってはおしまいです。会社で仕事をしている以上、自分の役割と責任を相手に投げてしまうことはできません。その気持ちをグッと堪えて、何故相手はこちらの事情がわからないのか、何故事情を鑑みない指示をしてくるのか、想像した上で、対話する。これがベストプラクティスなのではないかと思います。

ベストなのは両方の立場を経験することです。開発と運用、日本本社と海外支社、事業部門と情シスなど、両方経験することで双方の目線を持つことができます。
一方でこれは容易なことではないため、先ほど挙げたお互いに歩み寄り話をすることが大切になります。

PMBOKのコンフリクト・マネジメントに、以下のような対処方法が整理されています。この中でベストな選択肢は「対峙・問題解決」です。

https://www.pmaj.or.jp/online/1303/pmp_bukai.html

相手に押し付けるのではなく、また自分だけ妥協するのではなく、積極的に対話をすることが大事になります。
これは簡単ではありませんが、どんな仕事でも役に立つ頭に刻んでおきたい考え方です。



グローバル関連おすすめ書籍

海外の人々と仕事をするにあたっておすすめの書籍をいくつかご紹介します。


異文化理解力、数回読み返していますが味がありおすすめです。
日本と海外を一対一で比較しがちですが、国ごとに分けて考えています。
また文化をカルチャー・マップという軸によって分類しているのがとてもわかりやすいです。


今後書く予定の章立て

  • ドキュメントは出てこない、そもそも無い。

  • OKと言い合ってから認識合わせがはじまる。

  • 時差と物理的距離は文化と言語の違いをさらに引き裂く。

  • 相手の立場を想像してみる。

  • R&Rを大事にすること。

  • 同期的コミュニケーションを大切に。

  • 朝夜の個別チャットという寝技。

  • 文字を書く。絵を描く。

  • やっぱり相手もニンゲン。

  • メンバーに依存するな。

  • 他人に期待しない

  • 異なることをそのまま受け入れる

  • 謙虚であれ。


記事に関して、何かコメントやご意見があれば忌憚なくお寄せください。
noteまたはTwitterでお受けさせていただきます。
グローバルプロジェクトで躓く人が少しでも減り、平和なプロジェクトが増えることを祈っています。

いいなと思ったら応援しよう!