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資本主義下では、漫画の泉はなかなか生まれない。note記事紹介


今日はジュウ・ショさんの記事を読ませていただきました。

佐々木マキさんをご存じですか? 前衛的であり、当時のカウンターカルチャーを代表する漫画雑誌ガロに作品を載せていた漫画家であり絵本作家でありイラストレーターでもあります。

タイトルに”泉”と書かせていただいたのですが、泉とはマルセル・デュシャンの代表作を意味しています。

見てわかる通り便器です。無審査で出品できる展覧会に出品されたのに不許可処分を受けてしまったそうです。

漫画の作品で、ずば抜けたストーリーとか、誰も見たことのない世界観とか予想外の顛末とかキャラが名言を吐くとかいうのはあるのですが、泉ほどぶっ飛んだ作品というのは、なかなかないように思います

佐々木マキさんの漫画は泉かもしれません。果たして漫画なのかと思うくらい。でもコマとコマのつながりが難解のところが魅力的なのだろうなと思っています。何年も前に描かれた作品なのにいまだ新しい、誰も見たことのないマンガだと思います。こういうマルセルデュシャンでいうところの"泉"的な作品は、資本主義化ではなかなか出現しないんだと思っています。なぜなら誰も見たことのない作品は誰も理解できることが難しい作品で、多くの支持が得られないということは、ヒットしないということで、資本主義的には勝てないのです。

でも完全なる敗北ではないのです。資本主義のルールでは勝てないだけのことで、この世界にはいくつものルールや世界があるはずなんです。

僕は佐々木マキさんの漫画をリアルタイムで経験していません。後々にガロを知り、何十年物昔に思いをはせながら読んでました。

僕がリアルタイムに出会った佐々木マキさんの作品は絵本です。

お気に入りの絵本があったんです。それは少年が飛行機を作って乗って世界を旅するという絵本です。

この本の一番お気に入りのページは、世界を飛行機で旅する少年ではなくて、部屋で飛行機を作っているシーンです。部屋中飛行機の部品だらけに埋もれて少年が飛行機を作っています。

飛んだという結果より、何かを夢中になって作るということが好きだったのかもしれません。

結果を知るよりわくわくが大きいですから。






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