漫画「風のファイト」作成日記、目が見えないということ
今回の漫画に登場するのは視覚障がいを持ったキャラです
目が見えないということを考慮に入れてキャラを動かさなくてはいけない。これがスポーツとか格闘技だったりすると、余計体の動きをどうしたらいいのかわからなくて、頭をひねることが多いのですが、制約が多ければ多いほど作家というのはチャレンジしたくなるものなのではないでしょうか。
視覚障がいをもつパラアスリートはどうゲームエリアを認識しているのかというのが下の伊藤亜紗さんの本に書かれてありとてもヒントになりました。
目が見えないアスリートの身体論
キーワードとなるのが音なんだと思うんです。視覚機能が使えなくなると、脳の中で、音を聞く機能がかなり発達することが、科学的に証明されているとネットで記事を読みました
実際にブラインドサッカーと呼ばれる視覚障がいのサッカーの選手は、ボールの中の鈴の音など色々な音を頼りに、フィールドの全体を俯瞰した形で認識できるといいます。スポーツをするエリアはルールで決まっているので、ルールのない街中より安全だと選手の方がいっておられました。
漫画「風のファイト」のオープニングであまり視力が良くない主人公の風はいじめっ子を、座頭市のように蹴り倒しますが、いつも遊んでいたり、カンフーのトレーニングをしたりするのがこの公園という設定を作ったので、彼女にとっては認知できるエリアなわけです。
ブラインドボクシングを始めてみたとき、これが目の見えない人の動きなのかと目を疑いました。リングのエリアを知り尽くしていて、音から相手の位置や動きを察知してできる動きなのだと思います
視覚障がいといえば、僕は瞽女のアニメーションを作りたいと思っています。
瞽女は三味線の歌を、口伝で覚えるしかなかったのです。音に敏感でないとなかなか慣れないものだと思います。そして瞽女さんというのは記憶もすごく、中には何百曲と頭の中に入っている方もいらっしゃったとか。
目が見えなくても、ほかの機能をフルに生かして、勝負をかける視覚障がいのパラアスリートを漫画にしてみるのはとても面白いです。
今回の作業ライブアーカイブはこちら、作業しているパソコン画面が見れます。https://0000.studio/becotaro/broadcasts/7a984c6d-3e02-4a69-8768-2c09791890e8/archive