掃除屋さんで独立する~③
掃除屋さんで独立する~②で独立後の営業活動の大まかなターゲットについて書きました。
営業の細かな工夫なんかはマーケティング関連のnoteや書籍で様々な手法が書かれていますよね。
今回は清掃のジャンル分けではなくて、方向性は?って話題を書いてみたいと思います。
方向性とは?
方向性なんて漠然と書きました。
・安く請け負い沢山の件数の仕事を請け負い売り上げを伸ばすか?
・技術志向で高めの価格設定で売り上げを伸ばすか?
・特殊作業で売り上げを伸ばすか?
・業務の範囲を広げて売り上げを伸ばすか?
と言ったような掃除屋さんとしての方針のような意味合いです。
ものすごく拘り時間をかけてしっかりした施工をしているのに、請負単価が安ければ利益が出せません。
やはり商売は売上もさることながら、どれだけ利益が出せたか?が大切だと思います。
利益率を上げるために内容をスカスカにする方法もあるとは思います。
掃除屋さんとしてはどれが正解なの?
こればっかりは「どれでも上手くいってれば正解」じゃないでしょうか?
僕も掃除屋さんですが「これで掃除が終わっているのか??」と思う品質の掃除屋さんも沢山あります。でもその会社はとっても利益を出しています。
技術特化で一般的な清掃単価の2~3倍の価格設定で、比較的緩やかに仕事をしていて悠々自適な暮らしをしている掃除屋さんもいます。
僕が考える各方向性のメリット、デメリットを以下に書いてみます。
・安く請け負い沢山の件数の仕事を請け負い売り上げを伸ばすか?
メリット:
なんせ安いので受注しやすい。
お客さんが複数の掃除屋さんを使っている場合でも優先的に発注してもらいやすい。
デメリット:
安く受けるので時間をかけられない為、品質が低くなりがち
商圏内で「あいつは安すぎる」と悪口言われやすい
単価の高い「しっかりした仕上げ」みたいな仕事はまず来ない
安さゆえに毎日ビッチリ沢山の件数を施工しなければ利益が出せない
・技術志向で高めの価格設定で売り上げを伸ばすか?
メリット:
1件当たりの単価が高いので、忙しなく働かなくてもある程度売り上がる
しっかりした仕事をやりやすい
お客さんからの信用を得やすい
デメリット:
1日で施工できる件数に限りがあり、断らなければならない発注が増える(お客さんを逃がしやすい)
入札物件などでは勝負にならない
技術にこだわると資機材への投資額が増える傾向にあり、費用がかさむ
・特殊作業で売り上げを伸ばすか?
メリット:
出来る人が少ない作業だと単価は言い値が殆ど
困ったときに頼りにされる
デメリット:
特殊な作業は毎日ビッチリ仕事があるほど発注がない(マーケティングをきちんと行えば受注は安定するが、、)
見積数に対する受注率は高くはない
・業務の範囲を広げて売り上げを伸ばすか?
メリット:
掃除屋さんなのに壁紙を貼るとかやれば、超大手の不動産会社(〇東建託とか)からは受注しやすい。(原状回復全てを1社に一括発注が多いため)
営繕が出来れば掃除プラス簡単なリフォームなど請けれて単価が上がる
デメリット:
本業が疎かになる
便利屋さんみたいに気がついたら何でも屋さんになっており、多機能工といえば聞こえがいいが、単なる器用貧乏になりやすい(全員がではないですが)
寿司屋なのにラーメンもトンカツもあるみたいな、美味くもないけど不味くもないみたいな半端な立ち位置になりやすい。
どの方向性でもいいと思います
どの方向性でもいいですが、大切なのは「自分の商売の根底を支える一番大切なジャンルは何か?」を忘れてはいけない事だと思います。
ビルメンなのに半端に福祉事業に手を出し倒産とか、営繕もやる掃除屋さんだったけど定食屋もはじめて借金踏み倒して逃げ回ってるとか、便利屋さんだったけど特殊清掃に特化しすぎて、便利屋時代の顧客を失いお金が回らず、会社ごと他社に吸収してもらったとか、本業を疎かにして失敗した人は沢山見てきました。
中には技術専門店だが安請負と高価格帯の中間を意識して、ボロい利益ではないものの、手堅く利益を出し続けるバランス型の会社もあります。
技術があるが孫請けで安請負を辛抱して続け、数年後に技術を認められ元請けになった会社もあります。
僕がこの16年清掃業界を見ていて感じるのは、主たる業務や考え方がブレない会社は続いているということです。(利益の多少は別として)
方向性が定まれば新規開業したときの定価の設定もしやすいです。
大手フランチャイズに合わせるのか、雲の上の存在のような掃除屋さんに合わせるのか?入札の積算の平均に合わせるのか?時間当たり〇円で決めるか。
そして価格が決まれば営業に行くお客さんも絞られると思います。
何より掃除屋さんとして大切な「仕上がりの品質」をどのあたりに設定するか?が定まると思います。
低価格ならそれなりでいいでしょう。標準よりも下でも良いかもしれない。高価格なら標準のはるか上を目指さなければいけません。
揃えるべき道具のグレードも種類も違ってきます。必要な人員数も変わります。
「掃除屋さんとしてどの分野で商売をする」、「掃除屋さんとしての方向性は?」これは確実に決めなければその後の準備がありますから、絶対に必要なことだと思います。
はじめてみて違うと思えば方向転換はいつでも出来ます。決めなければ転換する方向すら見失うことがあります。大切なことです。
次回の「掃除屋さんで独立する~④」では僕の会社のスタイルについて少し触れたいと思います。