掃除屋さんで独立する~②

掃除屋さんで独立する~①でおおまかな掃除屋さんのジャンル分けを説明しました。

ここからは独立後にするべきことなどを書いていきたいと思います。

道具を揃える

当たり前と言えば当たり前ですが、独立開業する人を沢山見てきて感じるのは「使えないものは買わないでお金を1円でも残そう」って点です。

無駄なものを買う人が多いです。

前項に書いた掃除屋さんのジャンル分けの中で共通して使えるものがいくつかあります。

具体的に言うと

バケツ  出来れば100円ショップの物ではなくてホームセンターに売っている少ししっかりしたものがオススメです。100円の物は1年程度で壊れますが、ホームセンターの物だと5年や10年まず壊れません。

タオル マイクロファイバータオルと綿タオル両方揃えることをおススメします。どちらも一長一短あり両方あると効率的です。

・モップ 床を拭くモップです。最近では昔ながらの「ビルメンモップ」という太い糸が沢山ついている物よりはマイクロファイバー製のフラットモップが流行です。床への接地面積もフラットモップは広いですから理論的にも効率的なのは間違いありません。

・スクイジー、シャンパー 窓ガラスを拭くためのT字の棒に布が巻いてあるような道具と、ワイパーのようなものです。こちらもマイクロファイバー制がいいと思います。スクイジーに関しては最初の一本ですとエトレ社製が無難で間違いないと思います。

・ポリッシャー 床を洗う機械です。これはなくても仕事が出来ないこともありませんが、初期投資で購入しておくと営業活動が軌道に乗り仕事が受注で来た際に高額な追加投資をしなくて済みますから気持ちが楽だと思います。

他にも細かいものは沢山ありますが、それはいずれ「掃除屋さんに必要な最低限の道具リスト」を作成しますので、そちらに記載するつもりです。

掃除屋さんはどれだけ技術が優れていても、技術をサービスに変換してくれる道具がなければ1円も稼げません。裸一貫では稼げない業種です。

お客さんを見つけましょう

前項のジャンル分類の「ビルメンテナンス」や「ビル管理」は脱サラでの新規開業は難しいと思いますので、それ以外の「空室清掃」「在宅掃除」「特殊清掃」「下請け専門」に的を絞って書き進めます。

前職も清掃業だった方は「どのような人から仕事が発注される」というのはご存じだと思います。

ただ、掃除屋さんでサラリーマンだった人が独立して自営業になって困るのが

「独立したら○○さんを応援するよ」と言ってくれていた人に限って仕事をくれない。

「頑張ってね」の言葉だけとか。

「前職の職場から嫌がらせを受ける」とか。

「掃除技術はあるけど、営業能力がゼロに等しい」という点でしょうか。

サラリーマン時代に「あんたを応援するよ」とか「あんたは独立できる器だよ」とか持ち上げてくれた人は基本的には信用しないのが間違いないと思います。みなさん親身になってくれますが、結局は他人事です。夢と希望のある話しかしませんよ。

顧客情報の漏洩を心配して元の勤務先が清掃資機材の問屋さんに「あいつには売るな」と圧力をかけるとか「弊社の顧客に営業活動をした場合、法的な措置を取ります」とか面白おかしい脅迫をする会社もあります。

雇われ掃除作業員から独立で一番多い悩みは「現場は出来るけど営業できない」だと思います。長年見てきてこれが一番多いです。

具体的な営業活動の一例

空室清掃をメインで受注しようと思うと、真っ先に思いつくのが町の不動産屋さんへの営業だと思います。

不動産屋さんでも「管理業務」を行っている不動産屋さんに営業に行くのがいいでしょう。中には管理業務は行わずに「仲介業務」だけの会社もあります。

賃貸物件の清掃は一般的にはお部屋を紹介してくれた不動産屋さんではなく、建物を管理している不動産屋さんが発注します。大家さんが直接発注する場合もありますが。

また不動産屋さんは掃除屋さんを複数社確保している場合が殆どです。新規で取引を始めるには価格を下げて営業する以外道はない気がします。が、他社さんよりも価格を下げた営業は絶対に行うべきではありません。

一度下げた価格はよっぽどのことがない限り上がりません。巡り巡って必ず自分の首を絞める結果に繋がります。

新規参入はチャンスがないわけはなく、不動産屋さんの繁忙期(3月4月)などはお抱えの掃除屋さんだけでは回らなくなっているケースが殆どです。このタイミングを狙い営業をかけると「掃除屋さん足りないし、頼んでみるか」という流れに繋がりやすく成約しやすいです。あとは技術的に他社さんよりも劣らなければ継続したお付き合いに繋がりやすいと思います。

ただ不動産屋さんからのお仕事は不動産屋さんが入居者から受け取っている清掃代金から幾らかピンハネされて掃除屋さんに支払われます。

入居者から5万円貰っているのに掃除屋さんには2万円なんてケースもあるそうです。

建物の大家さんが直接お掃除を発注してくれる場合はピンハネされないことが多い傾向にあります。可能であれば大家さんに直接営業するのが望ましいと思います。


在宅清掃の場合は一般家庭の奥様やご主人にアプローチできなければいけません。一般家庭に飛び込み営業で仕事がとれるか?

今はこのような時代ではありませんよね。

ですのでまずはホームページを作成しましょう。これは難しく考えずにランディングページ程度でもいいと思います。折り込みチラシの作成もいいと思いますが、費用対効果を考えると効率的ではないと思います。

1000枚のチラシをばらまいて何パーセント成約につながるでしょうか?

みなさんも色々と調べるときにまずはスマホで「東京 掃除」とか「東京 ハウスクリーニング」なんて検索されるのではないでしょうか?

また在宅清掃の場合は富裕層をターゲットにするのか?中流階級をターゲットにするのか?これでマーケティングの方法は大きく変わると思います。

他にも商売をする地域でも営業方法は大きく変わります。大都会で勝負をするならホームページは必須ですが、地方都市のような田舎ですとホームページよりも口コミが強い場合も未だにありえます。

あなたが商売をする地域の特性を客観的に見てみましょう。リーサスという統計で様々な分析しているサイトがあります。このようなサイトを使用し地域特性を分析するのは非常に大切だと思います。

作業内容も富裕層相手ですと難解になるケースが増えます。高級な大理石のテーブルを研磨するとか、全面ガラス張りのお風呂を磨く、高額な絨毯を洗うなどなど難易度が高くなります。賠償保険への加入が必須になる仕事が多いでしょう。中流階級がターゲットだと内容はそれなりで価格や他社と同じ価格でも何か付加価値や特典があるのか?などが強みになることがあります。

特殊清掃の場合もホームページが大切だと思います。チラシが有効なケースが多いのも特殊清掃の特徴かと思います。

ゴミ屋敷の片づけを狙うのなら、ゴミ屋敷化しやすい住人層が住むであろうマンションやアパートを狙ってポスティングなどは成約率が上がる傾向にあります。

どんな物件やどんな客層がゴミ屋敷化しやすいのか?それはある程度の経験がなければ判断できないかもしれませんが、特殊清掃業者さんのブログなどを読んでいると○○の職業の人はその傾向が多い、とか○○の△△の人はゴミ屋敷化の傾向が高いとかなんとなく見えてきます。

あとはそういう人たちが多いであろう地域に建っている物件を狙えばいいと思います。必ず傾向はあると感じています。

孤独死の片付けなどを狙う場合は市役所に営業(市営団地などではこういう事故は比較的多いです)または弁護士さんなどへの営業(法的な問題で弁護士さんが業者を探すケースも多いです)が確率が高いと思います。

ゴミ収集業者さんへの営業もいいかもしれません。

ゴミを片付けるからゴミ回収業者さんへ問い合わせる方も多いそうです。ですが、ゴミ回収業者さんはあくまでも回収しか行わないことが殆どです。室内で分別しゴミ袋に詰める作業は特殊清掃業者さんが行います。


下請け専門の場合はその地域の同業者さんへ営業というかお願いに行けばいいでしょう。僕はこのジャンルは全く勧めないので特筆することはありません。

長くなってしまったので続きはまた次回に。掃除屋さんで独立する~③に続きます。

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