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税金の使い方について除雪を背景に考える

 税金の使い方で「なんでこんな使い方をするの?」とか「絶対に無駄じゃん!」とか思っていることが数多くあると思います。今日はそんなことを様々な角度から建設関係と関連してお話ししようと思います。

除雪をしようと思うとどうするのか?

 昨年は全国で大雪になったことは皆さん記憶に新しいと思います。あれは誰がやっているのか。様々にありますが、主要な幹線道路は自治体が行なっています。国道なら国が、県道なら県、市道なら市役所が行います。市役所の場合、全ての市道を行うのはとうてい不可能なので、幹線道路で重要な道路を行うようになっています。また、町内の除雪は、地域除雪といって、市役所に申請すれば、各自治会で除雪業者に作業の委託を発注して、その額の1/2を補助するという形で助成金が支払われます。
 余談ですが、除雪は地方自治体等の除雪計画の中で計画されて実施されます。       

 除雪をしようと思うとどんなことが必要になるのか。下記に記載しますね。

・除雪車の手配・定期点検代
・ガソリン代
・運転者の確保(大型特殊免許(運転免許)、車両運搬整地(技能講習)

 上記はあくまで運転するために必要なものです。
 運転するのは基本的にほとんどが建設業者になると思います。
 その他にはどんなことが必要なのか全て書きます。

【除雪車の維持について】
・除雪車両の保管基地
・故障したときの修理屋の確保
・故障したときの代替車
・道路等構造物破壊箇所の修繕

【除雪車を運転するまで】
・除雪路線・除雪車車種の選定
・出動連絡体制の確保
・除雪路線の下見(道路の凹凸、排雪場所の確認)
・除雪体制の確保(実施業車の確保)
・積雪状況の確認

【除雪車を運転してから】
・除雪状況の確認(パトロール班による)
・業者の排雪状況の確認
・除雪途中でスリップした車両の救助
・除雪路線沿線民家からのクレーム対応
・公共施設駐車場内の除雪
・遅延路線の応援
・道路交通の妨げにならないよう運転中の追い抜きに配慮

 これだけのことを考えなくてはいけません。当然、これら全てに税金がかかることは分かると思います。
 毎年のように、雪が大量に降る地域、毎年1度程度しか降らない地域と様々に条件が異なります。
 今除雪の維持が困難な状況になりつつあります。

・人件費の高騰
・建設業者の老齢化(高齢ほど人件費が高い)
・担い手不足

 が挙げられ、また、役所の除雪車の維持費は税金から補填しますが、業者は除雪の出動がない年は、除雪車の維持費を自分たちが現場で稼いだ売り上げ・利益から補填しなければならず、出動回数が少ないと除雪関連に対する利益が赤字になります。
 こういった背景から、除雪をやめたいと思っている業者は数多くあると思います。慈善活動でやっているわけではないですからね。

公共事業に対する考え方

 建設業とは、簡単に建築と土木と分けることができますね。建築は決まった敷地内に建築を行い、土木は道路や川、海、山と様々ですが、両者には特徴があります。
 建築は、民間工事の方が圧倒的に多く、土木は公共工事の方が多いです。言い換えると、土木は公共工事に対する依存が大きいと言えます。そんなことで、土木の公共工事が減ると、土木業者は衰退してしまいます。
 では、除雪車(ダンプトラックやブルドーザー等)を使う業者はどちらか。当たり前に土木業者ですよね!なので、道路の除雪を行なっているほとんどは土木業者なんです。
 土木業者がいなくなると、除雪ができなくなる、または除雪してもらえるまでに時間がかかったりで、仕事に行けない、外に出れないといったことを我慢するしかなくなってしまいます。
 税金の使い方として、悪く言うと建設工事に対して「無駄遣い」、「そんな道路いらない」といったことを耳にします。たしかに、新しい道路は地方部は都心部と比較して必要性を感じることは少ないです。むしろ、道路の数を縮小するべきとも考えられます。
 しかし、構造物の修繕等は必要で、そういったところに投資する金が削減されてきているのも事実あります。

 何が言いたいかというと、除雪体制の確保をするのであれば、ある程度の土木業者に対する金のばらまきも一つ必要ではないかということです。
 降雪地域では、特にそういった考え方は必要なのではないかと思っています。
 一般の方からすると、「土木業者だけずるい」とか思うこともあるかもしれません。しかし、実際の業務はすごくハードです。
 例えばですが、除雪期で、幹線道路の除雪と地域除雪を請け負ったとします。幹線道路は夜間にすることが一般的に多いですが、それが終わってから地域除雪に行きます。そんな感じで寝る時間がありません。さらに本業は「建設工事」になるので、その期間工事をする時間はどこにあるのか?と疑問をもってしまいます。当然、雪がなければ工事はできますが、現場がにも雪は降るので、作業前に現場も除雪をいなければなりません。
 「もういや」。自分がやっていたらつい言ってしまいそうです。
 給料が少ないと、そんなことやってらんないですね。

まとめ

 税金の使い方には、様々な要因があって、一見無駄遣いに思えることでも、実は無駄ではないと考えられるケースもあります(本当に無駄遣いしている場合もあるかもしれませんが)。
 一番苦しいのは、本当に必要なことを胸を張って本音で言えない部分があり、公務を執行する時は苦しいことはあるかもしれませんね。
 個人的には、どんなことでも本音でしゃべってしまえばいいと思いますね。必死にしゃべって共感してもらえないことが、昨今の公務員の鬱病を誘発しているとも思います。
 話しがそれましたが、税金の使い道はこのように様々ですので、今回ご紹介させていただきました。これから、ニュース等でそれっぽい事柄が報道されていたら、少し別の角度からそれについて考えてみるとおもしろいかもしれません。
 以上、税金の使い方についてでした。

 最後に、この記事が参考になったと思っていただけたら、「スキ」、「コメント」をいただけると幸いです。
 どうもありがとうございました😊!

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