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「ずらし旅」のススメ(限界旅行オタク見習い期間中)(3泊4日総走行距離1600km)

私は旅が好きだ。
中でも好きなのは、駅の電光掲示板。
「途中の停車駅は、品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪・新神戸・岡山・広島・小倉です」などと流れてくるのを見るのが好きだ。
サンライズエクスプレスは「いとエモし」だ。
日常の風景の中に、燦然と輝く「東京」の文字。
新幹線ホームで見る「東京」とは違った輝きがある。

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でも、最も好きなのは高速道路の緑の看板(特にジャンクションやその付近に掲げられているやつ)だ。
九州で「九州道 熊本:85km 長崎道 佐賀:43km 長崎道 長崎:126km 大分道 大分:138km」という看板を見た時はテンションがブチ上がった。

そんな、ただの高速道路オタク(初心者マーク)の限界旅行記である。
ご笑覧ください。


1日目 温泉を目指して

私が住んでいるのは、兵庫県の瀬戸内側のどこかだ。
初日の行き先は、長崎県雲仙温泉
火山があって温泉があって長崎に近い、という3点で選んだ。
移動方法はこれである。

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旅のお供はSpotifyとロッテの板ガム。同乗者はいない。
この「同乗者はいない」というのが辛いところで、話し相手のいない自動車の移動というのは、想像以上に疲れが溜まる。
とはいえ、兵庫~長崎の移動に自分以外の人間を乗せるというのは、大泉洋を除いて人権侵害であり、裁判沙汰になると負けてしまう。

それに、私は高速道路オタク。
流れ行く緑の看板を眺めているだけでも楽しいものだ。

などと思っていたのは「広島 196km」の時だけであり、広島県に入れば「山口 152km」に変わり、山口県に入れば「北九州 183km」という看板に変わった。
なんだか目的地から遠ざかってないか???(錯覚)
アダプティブクルーズコントロールがなければ即死だった。

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限界旅行オタクの聖地、壇之浦パーキングエリアからの景色。
尾道と因島ほどではないが、関門海峡も大概狭い。

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ふく天うどん。本場(?)では「ふぐ」ではなく「ふく」という。
発音しにくいな。

その後、佐賀県を走って「何もねえな!」と叫んだり、長崎県に入って「段々畑がめっちゃある!すげえ!」と叫んだりしているうちに、諫早の街が近づいてきた。高速道路を走るのもここで終わりである。

松浦鉄道のそばを走る道では「もしかして、これって昔の海岸線やな?」と考え、アップダウンの激しい農道を走っているときには「こんな傾斜地でも畑を作ってるとか、そんなに肥沃な土地なのか?」と考える。
教養は旅を豊かにするかは知らないが、妄想は捗る。

もはや地理オタクしか分からない文章になってきたので、雲仙温泉の雲仙地獄の写真を貼ります。

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地味だな! でも実際に地味だから仕方ない。
これは写真を撮った人間のせいではなくて、本当に地味なのだ。

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これは別府の地獄。

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これも別府の地獄。

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これも別府の地獄。色とりどり、種類もいっぱいな別府の地獄。
地獄が見たいなら別府に行こう。

でも温泉は絶品。少し硫黄の匂いがして、火山性温泉だな! という感じがしてとても良い。あと、連休最終日なのでほぼ貸し切りなのがデカい。
やっぱり温泉に入ると「整い」ますね。
ただ、感染防止対策のためにエントリーシート制というのは参った。
宿の人もお疲れ様です。

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2日目 長崎の歴史に思いを馳せる、一蘭は忘れろ

ここから比較的まともな旅行記になります。
朝の体温を測ることは、朝風呂に入ったあとに気がついた。
朝ごはんはたくさん食べたので健康です。

今日の最初の目的地は長崎市。
雲仙温泉から"たったの"60kmだ。近いな!

長崎市に到着して、とりあえず行ったのがここ。

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ちなみに、グラバー園の旧グラバー住宅は工事中だった。
ちゃんと調べてから行けよ。

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そうやってグラバー園を見ていてふと思ったのが、この建物は8月9日も大丈夫だったのだろうか、ということだ。Googleマップで距離を測ってみると、直線距離で5~6km、ググってもそういう記述は出てこない。
広島と長崎、街が違えば歴史も違ってくる。
もしかしたら、右手に見える丘にも守られたのかもしれない。
グラバー園は、とてもいい景色だった。

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その後、ちゃんぽん発祥の店とかいう四海樓という店でちゃんぽんを食べたが、あれならリンガーハットでいい。
リンガーハットの冷凍のちゃんぽんでいい。
誇張じゃなく、リンガーハットはうまいのだ。

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さて、長崎と言えば何か?
そう! 路面電車ですね!

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そう! この信号も有名ですね!
これが見たくて長崎まで来たまである(ない)(ある)(鋼の意志)
ちなみに、周りでこの信号の写真を撮っているのは私以外にいなかった。

さて、この旅行の真の目的は「水族館めぐり」である。
何を隠そう、私は現在「日本の水族館全制覇」を目指しているところであり、去年も名古屋港水族館と竹島水族館と鳥羽水族館(2回目)に行ったところである。
そして、今回の最初の目的地は「長崎ペンギン水族館」だ。

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驚  安  の  殿  堂
ではない。長崎ペンギン水族館である。
なんでも長崎は捕鯨船の基地があったらしく、クジラのついでに持って帰ってきたペンギンが街に住み着いたものの、漁業に被害を及ぼしたり道を歩いていたら路面電車に轢かれたりしたので水族館になったらしい。
途中までは本当の話です。

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コガタペンギン、これはレアですよ!(興奮した声)
西日本ではなかなか見れないキュートなペンギン、オーストラリアにはこんなんが野生でいるっていうから絶対行きたいよね! ね!!!

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ソ ー シ ャ ル デ ィ ス タ ン ス

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ペ  ン  ギ  ン  の  急  増
かわいい(確信) 絶対かわいい(興奮)

さて、ここから150kmほど走って博多のホテルへと向かいます。
朝食付き駐車場つきで1泊6000円のところ、GoToトラベルの割引と2000円の割引クーポンを使ったところ、1泊2000円になりました。
でも、西鉄バスに怖い思いをさせられたので、次は電車で行きます。

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一蘭本社総本店に行ったところ、ツイッターのフォロワーさんから「なんで博多に行ってまで一蘭なんだ」と言われました。言い返す言葉もねえ。
でもブラックモンブランを食べたから許して。

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3日目 山口県には何があるの?

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今日は朝風呂に入らなかったから体温も測れた。えらい。
朝ごはんはとても豪華でよかったのだけれども、やっぱりバイキング形式が欲しくなる。というか客が文字通り片手で数えられるほどしかいないのだから、別に感染拡大もしないだろ…と思ったが、赤字が拡大しちゃうね。
ごめん。

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今日の目的地は「山口県」である。
何があるかと聞かれた時に困る県ランキングで上位に入ってくるところだ。
大学で同じゼミにいた下関市出身の女の子は「下関は実質福岡県」と言っていたので、下関を除外すると思い当たる場所がない。
錦帯橋のある岩国市も実質広島県だしね。

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それでやってきたのは、実質福岡県下関市にある「海響館」である。
ここは、ペンギンファンにはたまらない水族館だったので、詳しくは個別記事を読んでね。

下関といえば唐戸市場だ。
何があるかは分からないが、たぶん魚の何かが食べられるだろうと思って行ったところ、やはり魚を食べることができた。

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ふぐの寿司!!!🍣 右はなんかの寿司🍣

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ふぐの唐揚げ! いやマジでふぐの唐揚げってめっちゃうまいんよ。

次に向かうのは秋吉台。ちなみに、今日の宿は錦帯橋の近くにあるので、この日はトータルで280kmほど走ったことになる。
秋吉台、一体何があるかといえば「カルスト台地」であり、地理に詳しい人なら分かってくれるはずだ。

つまりは、何もない。

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見渡す限り、何もない。天候も相まって、いよいよ何もない。
しかし、この「何もない」景色というのは、地域の人が定期的に野焼きをしてるからこそ維持されているものである。
つまり、人為的に「何もない」景色を作っているのだ。
わざと「何もない」風景を作る山口県民が、このへんにはいます。

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さて、これは草むらです。
ではなく、立派なドリーネです。(たぶん)
ドリーネ、ウバーレ、ポリエ。これらはそれぞれ、カルスト地形に見られる窪地のことである。カルスト地形は石灰岩がたくさんあるので、雨が降ると溶けていって穴ができるのだ。
この穴ぼこを見て私は「ドリーネ!ドリーネだ!」って心の中で叫んでいたが、そんなことをしていたのは周りを見渡しても自分しかいなかっただろう。いや、人が少なすぎて私ぐらいしか人がいなかったのだが。
教養は旅を豊かにするかは知らないが、草むらの穴ぼこを見つけて興奮する異常地理オタクを作ることはできすのだ。

そうこうしながら、ジオパークセンターというところでコーヒーを飲んでいると、一眼レフを首から下げた、絶対インスタグラムをやっているだろうなという風貌のカップルがやってきた。
こんな何もない場所に来て、一体何をするんだろうかなどと思っていると、急に雨が降り出した。

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もやがかかって、いよいよ何もなくなってしまった。
インスタ映えカップル、強く生きろ。

さて、何も見えなくなった秋吉台に別れを告げて、今日の宿「岩国国際観光ホテル」のある錦帯橋までやってきた。
雨が降っていたので、錦帯橋を渡るのはやめた。滑りそうだし。

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さて、今日の宿は平日にもかかわらず1泊15,000円もする。
その理由は錦帯橋でも温泉でもなく、晩飯である。
ここからはツイッターの実況でお送りします。

GoToトラベルのおかげで10,000円になりました。
温泉は普通でした。


4日目 色々あるが人はいないぞ島根県

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朝食バイキングを返して。
体温はまた測り忘れた。新しい旅の様式とは。

今日の目的地は、島根県にある「しまね海洋館アクアス」だ。
岩国からそこまでのルートを説明すると、まず山陽自動車道を広島方面に走り、広島市の山奥で広島自動車道に乗り換え、中国山地の入り口で中国自動車道に乗り、最後は浜田自動車道を走る。
この浜田自動車道というのが走っていて笑える道で、最初から最後まで沿道に人の気配がしないのだ。
新名神や新東名のように山をぶち抜いた高速道路でさえ、少しばかりは人の営みが感じられるのだが、この高速道路ではそれがない。
夜に走れば「きさらぎ自動車道路」になること間違いなしである。

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一体何を案内してくれるのだろうか。

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さて、ここが島根県立しまね海洋館アクアスである。車以外ではアクセス不可能なクソ田舎に、似つかわしくないほど立派な水族館があった。
いや、マジでどこに作ったんだよという場所にある。

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なんでも、島根の創世神話にサメが出てくるらしく、サメ推しである。
サメ好きにはたまらない水族館……かもしれない。

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この水族館イチオシの海洋生物はシロイルカだ。
思ってたよりも遥かにデカいし、きっと実物を見たら「デケえ!」と思うこと間違いなしである。

幸せのバブルリング。
ソフトバンクのCMでやっていたとか。

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(^ω^)

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いくらなんでも命名が雑すぎる。

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眠そう。

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安直すぎる海鮮丼チョイス。
旅行をすると、2回に1回は海鮮丼が昼飯で出てくる印象がある。

さて、島根県と言えば出雲大社である。

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今ではこんな田舎なのに、こんなに立派な神社があるのはなぜなのだろう。
太古の昔にふるさと納税で建てたのだろうか。

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これは参道なんですけれども、本殿に向かって下り坂になっているってのは珍しくないですか?
おおよその神社というのは高い場所にあって、だからこそ神様を水害やらなんやらから守れるということになる。
どうしてなんですかね、教えて詳しい人。

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うさぎ推しが激しい。
でも、可愛いからヨシ!

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クソデカしめ縄を見て、3泊4日の旅は終わりとなった。
とはいっても、家に帰るまでが遠足である。
段々と感覚が麻痺してきているが、出雲から兵庫県まで帰らないといけないのである。そこそこの距離がある。

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帰り道、宍道湖SAでソフトクリームを食べていると、休憩のためバスから降りてきた女子高生に「ソフトクリーム食べてる!食べたい~!」と熱い言葉を投げかけられた。
いいだろ、大人はサービスエリアでソフトクリームを食べれるんだぞ。
ひとり旅だけど。

さて、旅を総括すると「平日ならコロナ禍の中でも安心して旅行をできる」ということである。
もちろん、福岡市内は人が多かったし、唐戸市場で入った回転寿司もそこそこ混んでいたが、他人とずらして旅をすれば人が少なくて安心できる。
教養は旅を豊かにするかは知らないが、少なくとも「ずらし旅」をするなら少しは役に立ってくれるだろう、と思った。

旅は、ずらすと、おもしろい。


あとペンギンはいいぞ!!!!!!🐧


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