見出し画像

ぐるっと日本を旅してみた Vol.63

2023年8月26日(土)63日目

学生時代の先輩から Facebook にコメントが来た。
「せっかく九州まで行ったのだから、ゆっくり周ってみたらどうですか」
確かに慌ただしく走り回っていたのだが。
「もう少しゆっくりしようかな?」と、ふと思った。
佐賀県には何も無いという印象があってこのまま長崎県へ抜ける予定だった。
「唐津の方へ行ってみようか」
唐津の先に呼子がある。
呼子はイカが有名だった。
「そうだイカを食べに行こう」
僕は西へ向かっていたハンドルを北へ切った。


さわ蟹 伊萬里神社

伊万里川の辺りに丸みを帯びた中華風の門があった。
その門をくぐり崖沿いの急な階段を登っていく。
伊萬里神社はこの岩栗山の上にある。
階段を登ったところの門をくぐると境内に出た。

伊萬里神社
伊萬里神社本殿

正面に本殿がありそこで手を合わせ、右手を見るとさらに上へ登っていく階段がある。
僕らはさらにそこを登って行った。
登った先は天台と言われる場所でちょっとした広場になっていた。
その奥に胸像が立っている。
森永太一郎翁の像とのこと。
森永製菓の創業者だ。

案内図
森永太一郎翁

この伊萬里神社には、境内に中嶋神社という神社があり、お菓子の神様なのだそうだ。
また、伊万里は非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)、今で言う橘の実が日本に入った場所。
当時、果物の事を菓子と表記していたため、お菓子の発祥の地と言われている。
そのこともあり伊万里出身の森永の創業者森永太一郎翁の像があるのだそうだ。
参拝を終えて階段の下まで戻ってきて、ふと水の流れる崖沿いを見るとサワガニがたくさんいた。
こんな所にこんなにもたくさんのサワガニがいるとは。
なかなかおもしろいなぁ。

沢ガニがたくさんいる

謎の尖塔と2つの駅 伊万里駅

もう少し伊万里の町を見ておこうと、伊万里の市街地へ車で向かった。
さすが伊万里と思ったのは、町のあちこちに伊万里焼の壺とか焼き物が置いてある。
それを見て回るだけでも楽しいのだ。

「何あれ?」
町の中心部の方に大きな教会の尖塔のようなものが見える。
キリスト教の何かいわれのある建物かな?
ちょっと楽しみになってきた。
まずは、観光案内所のある伊万里駅へ。
この駅が面白い。
道路を挟んで駅舎が2つ建っている。
左がJR 伊万里駅、右が松浦鉄道の伊万里駅。
もともと国鉄の伊万里駅があった。
国鉄がJRになりその後、第3セクター松浦鉄道が発足してしばらく同じ駅舎だったのだが松浦鉄道の駅が分離し線路を分断されて現在の姿となった。
JRの駅に行ってみたり、松浦鉄道の駅を覗いたりして列車が来るたびに大喜びで見に行って到着し、発車する列車を見て楽しんだ。

左がJR伊万里駅 右が松浦鉄道 伊万里駅
JR 筑肥線の車両
松浦鉄道の車両

松浦鉄道の駅側に観光案内所があった。
観光地のパンフレットを見たり、お土産品を眺めていたのだが。
気になった尖塔について聞いてみた。
「町中に大きな教会でもあるんですか? なんか尖った屋根が見えるんですが、あれはなんですか?」
「えっ、そんなのあったかしら?」
案内所の人と話をしていた時に町中に見えた尖塔について聞いてみたが、その人がきょとんとした顔をした。
隣りにいた人にも確認していたが2人で不思議そうな顔をする。
そして、「あぁ。あれね」
ようやく僕の言っている尖塔に心当たりがあったようだ。
「結婚式場ね」
えぇっ!そうなの?
「結婚式場ね。なぁんだ」
言われてみたらありそうだな。
見に行かなくて良かった。
僕らは、ガッカリしたけど、笑ってしまった。

空振り 唐津市

唐津の市街地に入ると高台に唐津城が見えた。
僕らはまず唐津城へ向かった。
町中は観光バスや車で混んでいる。
肝心の唐津城の駐車場も満車で入れなかった。
僕らは松浦川を挟んで反対側の海岸へ行き唐津城を眺めてみた。
松浦川の河口は広く、海につながっている。
そこに小山が海に張り出しその上に唐津城がある。
まるで水に浮かんだ城のように見える。
城に入れなかったが、この風景は目に焼き付けておこうと思った。

海の上の唐津城

唐津城に入れなかったので唐津市歴史民俗資料館(旧三菱合資会社唐津支店本館)へ行ってみた。
明治41年に唐津炭田に進出した三菱合資会社が事務所として建てた建物だそうで、今は唐津市の民俗資料館として使われている。
しかし、老朽化が進み保存修復工事が行われていて休館中でした。
結局唐津市街では何も見ることができなかったのでした。

旧三菱合資会社唐津支店本館
修復のため休館中

イカを食べる 呼子

呼子の町中にある2階建ての朝市通り駐車場に車を停めた。
ミィは街歩きに行ってくると言って1人で出ていった。
僕は車の中で今夜の宿を探していた。
今夜泊まるキャンプ場を決めるとミィが戻ってきた。
「イカを食べに行こう」
僕らは「ケンミンSHOW」で出てきた「海中魚処 萬坊」へ行ってみようと車を走らせた。
海中で魚を見ながら食事ができるらしい。
しかし今日は、土曜日。
目的地は車で溢れていた。
駐車場の入口に係員がいて車を停めた。
「食事ですか?」
「はい」
「もう今朝取れたイカは品切れで冷凍になりますが良いですか?」
ここまで来て、新鮮なイカを食べられないのは残念だった。
しかも、この混み具合を見ると食事ができるまでどれだけ待つかも分からない。
「あぁ、分かりました。やめます」
「すみません。またお待ちしています」
僕は、もと来た道を戻った。
この手前にもレストランがあったのだ
「玄海いか舟処海舟」さんは広い駐車場があり観光バスも停まっていた。
混んでいるか心配だったが、受付の人はすぐに席に通してくれた。
メニューを見るとそれなりの値段がし、活造りづくりを食べようとしたかったが、お昼に払える値段ではなかった。
「すごい!動いてる!」
隣の席は活造りやイカづくしを楽しんでいるようだった。
僕らは「いか丼セット」を頼み、イカシュウマイや刺し身を楽しんだ。
美味しいイカでした。
ごちそうさまでした。

玄海いか舟処海舟
イカ丼セット
イカ丼

兵どもが夢の跡 名護屋城跡

名護屋城は、秀吉の朝鮮出兵の拠点として建てられた城だ。
名護屋城の周りに諸大名が陣を張った場所がありこの半島になっている一体が巨大の城下町のようになって賑わっていたそうだ。
天守跡まで上がると周囲を見下ろし、その先に玄界灘を見る事ができた。

城跡の入口まで戻ってくるとその先にある佐賀県立名護屋城博物館に入ってみた。
名護屋城の歴史や発掘品の展示がある。
ただ、目玉は復元された秀吉の「黄金の茶室」。
金で組み上げられた茶室に赤い敷物や障子で派手!
金の茶器も展示されている。
豪華な茶室だけど、僕は落ち着かないなぁ。

佐賀県立名護屋城博物館
黄金の茶室

時間制限の温泉 国民宿舎 波戸岬

キャンプ場でチェックインをすると、
「今日は花火大会があるので、この先の道が午後6時に閉鎖されますから気をつけてください。」と言われた。
僕らはテントを設営すると、国民宿舎 波戸岬へ向かった。
途中、敷物を持って海岸へ向かって行く家族連れが多くいた。
お風呂はガラス張りで玄界灘を見ながら湯船に浸かることができた。
が、眼の前に離れが並んでいる。
まぁ見えないのだろうけれど外を歩く人がちょっと気になる配置だった。
ただ、温泉は開放感があって気持ち良かった。
さて、道路が閉鎖される前に戻らなくっちゃ。
余裕はあるのだが、ちょっと気持ちは焦ってしまう。

花火大会 波戸岬キャンプ場

波戸岬キャンプ場は、国民宿舎の併設キャンプ場かと思っていたのだが、独立したキャンプ場のようだった。
海に向かって坂になっていて段々畑のようにテントサイトが広がっている。
フリーサイトを予約していたのだが、すでに海の見える場所はテントで埋まっていた。
僕らが選んだのは海に近いが眼の前に低木があり見晴らしは良くない場所だった。
というかそこしか空いていなかった。
下り坂を2往復して荷物を運び、設営をして温泉へ行った。
戻ってきた僕らは、夕飯を食べる事にした。
スーパーで買ってきたアジフライを温める。
この辺りはアジが獲れてアジフライが名物だとの事。
ふっくらした味の身は美味しかった。

今宵のお宿
夕日がキレイ!
夕飯はアジフライ

食事を終えた頃、
ドーン!ドーン!
と大きな音が響き閃光が走った。
花火大会が始まったのだ。
呼子の花火大会が1日伸びて今日の開催となったとのこと。
周囲のキャンパーは音のする方へと歩いていく。
僕らもそれに習って花火を見に行った。
青森の種差キャンプ場で見て以来だろうか。
しかし、これほど間近で見ることができるのは楽しい。
このタイミングでここへ来れた事が幸せに感じられる夜だった。

63日目のDATA

2023/08/26(土)
天候:晴れ 最低 25.1℃/最高 32.7℃
佐賀県伊万里市〜佐賀県唐津市
走行距離:66.7kmkm
総走行距離:9048.7km

63日目のルート

いいなと思ったら応援しよう!