ぐるっと日本を旅してみた Vol.56
2023年8月19日(土)56日目
谷間のキャンプ場に朝日が昇ってきた。
とても気持ちの良い朝。
そして、気温が徐々に上がり、
暑くなりそうな日差し。
今日も島根県を巡る一日。
何を見て、
何を感じて、
何を食べる?
楽しみです。
神々の集いし場所 出雲大社
出雲大社の広い駐車場に車を置くとまずは外側の道路を歩いて大社正面の鳥居へ向かった。
道路が丁字路になったところに勢溜の大鳥居が立っている。
そこから神社を背にすると参道がまっすぐ見えて観光客で賑わっているのが分かった。
そちらは、後で行ってみよう。
鳥居で一礼すると僕らは出雲大社の境内に足を踏み入れた。
松の並木が4列並び木々の間に参道が3本、一直線に伸びている。
中央は神様の道。
我々は両サイドを歩くことになる。
今までも神社の参道で中央を歩いてはいけないと言われていたが、はっきりと参道を区分けしているのは初めてだった。
その為、神々の世界に足を踏み入れた気がした。
京都、奈良で寺社を巡ったけれど、出雲大社はどの神社とも一線を画している気がする。
その歴史や建物の風格は負けず劣らず立派なものがあり、2礼4拍手1礼という参拝方法も独特だ。
しかし、大国主命祀る出雲大社は、神話の世界からここにあるという事が一番の違いかもしれない。
境内には大国主命の像が立ち、白兎がそれを見上げている。
他にも66体の白兎像があるとのこと。
その先にシュッとそそり立っている本殿が見える。
その手前の大きなしめ縄が掛けてある拝殿で参拝をして左手へ進む。
さらに巨大なしめ縄が目に入ってくる。
神楽殿だ。
その大きさに圧倒される。
大社造の神社建築、大注連縄、独特な参拝方法、今まで見てきた神社とは全く別の風格がある。
10月神無月、この出雲では神在月という。
日本中の神々がここに集うのだという。
唯一無二の場所。
そんな気がする。
この頃から日本の歴史、神話の世界に少しづつ興味を持ち始めた自分がいた。
食べ歩き 神門通り
一旦車で移動して門前町へ行ってみる。
宇迦橋大鳥居から境内の入口、勢溜の大鳥居までの参道は神門通りという。
通りの両側に多くの店が並び観光客が散策している。
一畑電車の出雲大社駅へ行ってみた。
行き止まり式のホームにちょっと古そうなオレンジ色の電車と新しそうな白い電車が止まっていた。
オレンジ色が先に発車していく。
電車を見送ってから僕らは街歩きを始めた。
参道の両側には土産物店や、スイーツ店や、蕎麦屋が並ぶ。
気になる店に入っては、ご当地キャラクターやらグッズを見ていく。
交差点の角が広くなっていて、ショップが並ぶ一角があった。
しんもん横丁というらしい。
その中の蜂蜜屋を除いてみる。
美味しそうなものがたくさん並んでいて、神塩はちみつレモンスカッシュを注文して飲んでみることにした。
冷たくて、ほんのり甘くて、美味しい!
さらに歩いて、勢溜の大鳥居まで上がってきた。
大鳥居の向かいにおかげ横丁という小さな商店街があり店を見て回る。
おかげ横丁を出ると甘右衛門さんというお店の店先に「出雲巻」と言う文字が目に入った。
ソフトクリームなのだが、抹茶の緑とチョコの茶色が複雑に渦を巻いている不思議な形のソフトクリームだった。
まるでコーンの上に緑と茶色の毛糸を編み込んでいるよに見える。
抹茶の香りと苦味にクリームとチョコの甘さが喉を通っていく。
夏の暑さもあって冷たいものを体が求めている気がする。
これまた美味しい。
ミィも僕も結局、土産やグッズは買わずに冷たいものばかり食べ歩いていた。
宍道湖のシジミ 道の駅 大社ご縁広場
出雲大社の参道の入口、宇迦橋大鳥居をくぐり堀川を渡った所にある道の駅 大社ご縁広場へやって来た。
道の駅の向かいにあるローソンを見ると、店舗の上に宇迦橋大鳥居が見えて、ちょっと神々しい店舗に感じた。
道の駅は賑わっていて、土産物のコーナーも大勢の人がいる。
僕らはまずお昼を食べることにした。
道の駅併設のそば処吉兆さんへ入る。
メニューに神在そばというのがあり、美味しそうで、おすすめらしかった。。
神在そばは、出雲そばに宍道湖のシジミが乗っているとの事。
そういえば宍道湖まで来たのにシジミを食べていなかったなぁと思いこれを注文することにした。
青森のシジミラーメンを思い出したが、こちらは蕎麦だ。
シジミの出汁の効いた汁で食べる温かい蕎麦だ。
シジミがたっぷり乗っている。
「神在そば」なんとも出雲らしい名前の蕎麦だ。
コシのある美味しいお蕎麦でした。
特産品コーナーには土産としてシジミがあった。
「これを家に送ろう」
今までお土産なんて考えたこともなかった。
そもそも日本一周中の土産ってなんだろう?
日本全国の土産を送り続けるわけにはいかないからね。
だけど、初めて送ってみようと思った。
その日、カミさんにメールを送った。
「シジミ送ったから食べてね」と。
世界遺産 石見銀山
世界遺産の石見銀山。
近くに来たなら寄ってみようと思った。
午前中を出雲大社周辺で過ごした僕らは1時間ほど走って石見銀山へ向かった。
海岸線を離れて山間部へ入っていく。
到着したのは石見銀山世界遺産センター。
僕は、ここに車を置いて簡単に石見銀山の鉱山を見学できるものだと思っていた。
ところが、着いてみるとこの場所はほんの入口。
ここからバスに乗り換えて10分ほど言った先に世界遺産の登録地があるという。
さらに全体を見るのに3日は、かかる。
簡単に見るにしても自転車を借りたりして、3時間以上見て回る必要がある。
つまり本腰を入れて見学するには、朝から1日かけて回るつもりでくる必要があるらしい。
時刻はすでに午後3時近く、これから見て回るのは無理そうだった。
現地へ行くのは断念したが、ここ世界遺産センターで少しでも石見銀山に触れていこうと思った。
ここには、石見銀山を再現した展示や、写真、説明があり石見銀山の片鱗に触ることだけはできるようになっている。
現地には行けなかったが、僕らは石見銀山について少しでも学ぶことができた。
菰沢公園オートキャンプ場
江津市のローカルスーパーで食材を購入した後、キャンプ場へ向かった。
菰沢公園オートキャンプ場は、菰沢池を中心にした菰沢公園内にある。
チェックインを済ませると、コインパーキングのようなゲートでフリーパスのチケットを使って中に入った。
明日のチェックアウトまで出入り自由になっている。
キャンプ場はフリーサイトと、オートサイトに分かれていて、オートサイトにテントが一つ。
フリーサイトにも一つ立っている。
僕らはフリーサイトを予約していた。
フリーサイトと言ってもすぐ脇が駐車スペースになっているので、オートサイトとあまり変わらずに利用することができる。
そしてオートサイトより安く利用できるのでありがたい。
僕らは、先着のテントから離してテントを建てた。
これが今夜の宿となる。
ハルさんの休日 温泉津温泉薬師湯
「ハルさんが来たとこだ!」
白い木造の建物を見つけた時、ミィが声を上げた。
石見銀山の銀を運ぶ港があり、そこを利用することで繁栄した温泉街、温泉津温泉へやって来た。
古くからあるんだろうなという事を感じさせる旅館が並ぶ道を歩いていた。
そんな古い温泉街を歩いて行く。
薬師湯という共同浴場へ来た時だった。
「ハルさんが来たとこだ!」
ミィが声を上げた。
共同浴場に併設した古民家カフェがあり、ものすごくいい雰囲気の建物だった。
NHKの「ふるカフェ系 ハルさんの休日」で主人公のハルさんが尋ねた場所だった。
カフェには入らなかったが、温泉に入ってみる。
木造建ての古い建物は、前から見るとΩをひっくり返したような形をしている。
銭湯のような雰囲気で、左側の入口が男性、右側が女性になっている。
中に入ると中心に番台があり、そこで料金を払う。
浴場はそれほど広くはなく、石造りの床と楕円形の湯船があるシンプルな作りになっている。
昔ながらの温泉、という感じがする。
風呂上がりは、階段を上がり2階へ行ってみる。
狭い休憩所があり、ちょっとくつろぐことができる。
そして、さらに階段が上へ続いている。
そこを登ると屋上へ出ることができ、丸テーブルと椅子が並んだ休憩スペースになっていた。
そこから温泉街を見渡すことができる。
「ハルさんもお風呂に入ったんだよ!」
ミィは、ちょっと興奮気味に話している。
僕は、この回は見ていないのでそれほど感じなかったが、ミィは聖地にでも来たかのような勢いだった。
「来ることができて良かったね」
キャンプ場の近くだから来てみた温泉だったが、思い出に残る場所となったのでした。
56日目のDATA
2023/08/19(土)
天候:晴れ 最低 25.0℃/最高 33.3℃
島根県出雲市〜島根県江津市
走行距離:150.0km
総走行距離:8205.5km