評価基準。

アホなことが起きた(笑)

今年も仕事で繁忙期に突入してるんですが。

またもや私は特別重点業務に任命されまして。

去年の実績からすれば当然そうなるよなと自覚はあるし、ハイハイ引き受けて事前の戦略会議のときに「大口の顧問先は全て私が引き受ける」ていうことを自分から進言していたんだよね。

大口の顧問先って他の職員達は嫌がるんだよ、でも私はむしろ大口の対応のほうが好きでね。

なんせ大口の顧問先のほうが相手もプロ職員なことがほとんどで、ワケわかんない人を相手にしてるよりやりとりがスムーズに進むから楽。

それに私の高い業務効率を遺憾なく発揮できて一瞬で事業実績を積み上げることができるし、諸々のメリットを考えるとお互いにそのほうが良いはずだから私に任せてもらえないかと私のほうから提案して満場一致でOK貰ってたの。

まあ大口なんて数えるほどしかない。

ということで大口の顧問先を待ち構えていて。

準備に時間がかかってるのか意外と来なくて、「まだ来てないですか?」て首を長くしていて。

で、そんな最中に事件が起きてしまった。

大口が来たときには私に回すように言っていたのに部下達が手を出してしまったのよ、それに気付いて私と上司は大慌てで止めたんだけど。

顧問先は、初手を出した職員が最後まで責任を持って対応しきるのが基本ルールなんだけど。

どう見ても部下達に対応できる規模じゃない。

慌ててバトンタッチして私が入ったんだけど、部下達が手を出してしまった部分だけは本人達に最後まで責任持ってやらせることになって。

私が入った部分は爆速で対応が終わったのよ、ところが案の定で部下達が手を出してしまった部分が終わらなくて当日中の総括が不可能に。

バカなことを…

全て私に任せてれば1日かからず終わってた…

てか8割私がやったのに2割も片付けられないとか、部下達もよくそれでやろうと思ったよ。

「話が違うよね?なんで手を出した?」

怒られる部下達。

これが言い訳がなかなかに予想外だったのよ。

繁忙期に入ってからというもの部下達は上司に実績の低さを指摘されまくっていたんだよね、それは私もなんとなく空気を察してたんだよ。

だから私のマネをして大口の顧問先を自分達が担当すれば褒められるはずだと考えて…というのが犯行の動機だったんだそうでございます。

1発逆転、名誉挽回、汚名返上。

え…なにその子供みたいな理由…

「積極的に取り組んでいるね!チャレンジ精神に畏れ入るよ!その調子で頑張ってほしい!」

そう言ってもらえると人生半分終わってる大人が思いついたというのか、バカすぎて呆れる。

(そういう話じゃない…そういう話じゃない…)

別の大口の来訪も続いたし、そちらの対応優先にして私は蚊帳の外で黙々仕事してたんだけど聞こえてくる話にツッコミが止まらなくて(笑)

(なるほど…自分の立場がわからないか…)と。

昔さ、当時の上司が此処の職場では人事評価の基準がどうなってるのか詳しく説明してくれたことがあって仕事のコツを教えられたんだよ。

これがシビアなほどに的を得てる内容でさ…

役職毎に人事評価で見られる項目が違うのよ、管理職であれば業務全体のプロセスの構築とか「管理能力」の部分が評価の対象になっていて。

そのかわりに事業実績は評価の項目に無いの、管理能力を問われる役職だからいくら事業実績をあげたところで評価されることは無いのね。

「それは管理職がやるべきことじゃない」てさ。

かたや現場職員は評価される項目が「出勤率」と「事業実績」だけしか無いのよ、それ以外の項目は見られないというバチバチの結果主義思想。

普通さ、勤務態度とか労働意欲とか見ない?

他の職員達と円滑な人間関係を構築できてるかとか、そういうのは項目にすらも無いんだね?

個人の人間性や対人能力は全く見ないんだね?

「そういうこと」だそうです。

なるほどね。

「勤務態度が良ければ出勤率が高いはずだよね」「労働意欲があれば事業実績が高いはずだよね」って考え方をしてるようで、詰まるところどんな努力をしようとも結果を出してなければ評価にならないという人間味に欠ける評価基準(笑)

まあ仕事だからね、大の大人に対して社会適応能力を雇用側が評価するのもおかしな話かも。

社会適応能力が高いのであれば必然的に実績も出せるはずだよね、て理屈も理解はできるし。

そういうの見るのは入社の面接のときまでだということなのかな、それもそうだなって納得。

とはいえここまでハッキリと割り切られた人事評価制度も珍しいと感じた、あくまでも「労力」として役に立つかどうかの視点が徹底してる。

どれほどまでに「豊かな人間性」を持とうとも、職場である此処では「労力として役立つこと」に繋がっていないのであれば評価に値しないと。

他の部署ではここまで極端ではないらしいの、組織内でうちの部署に求められる役割の位置付が影響して評価基準も振り切れた環境下だってことなんだそうで「皆はそういう場所で働くってことを意識していてほしい」とね。

「そういうことだから管理職である自分が業務の対応をしても評価にならない、けどお前達がやれば自分の評価になるから数字を詰むことが此処で認められる手段になる」ということで。

その上司は私によく数字として反映されやすい仕事を回してくれてたんだよね、これをお前がやれば評価になるからやっておけって感じで。

管理職である上司の立場としては、自分の部下が高い事業実績を出すことこそが自分の評価になるからお互いにWin-Winだったわけですよ。

そんなふうに人事評価の稼ぎ方を教えられた。

まあ実際、お陰様で私はトップなんですよね。

効率よく点数稼ぎをする術を心得てるから(笑)

そしてその上司も今は出世して異動しました。

まあ世知辛いといえば世知辛いんだけどさ。

正直、それを不服に感じるのであればそういう環境下でしか働けない自分自身の無力さを嘆くべきであって職場が悪いわけではないよなと。

人間性で稼げる業種もあるにはあるでしょ?

営業職なら「愛想の良さ」「誠実に取り組む態度」「豊かなコミュニケーション能力」とかが実績に反映されるだろうし、自分の持つ価値はそこで雇用側にはそこを評価されたいというのならば「そういう仕事に転職する」しかないんだよね。

うちの職場内にも、そういう部分で評価される役職はあるからそこまで昇進すれば価値として見なされるようになるだろうし。

どんなに「自分はこんな魅力を持った人間だ」と胸を張っていようとも、それがその場で要求をされてるものに応えられる能力に繋がってないのであれば「価値は無いと同じ」という結論で。

実績を出さずして「私はこんなに頑張ったのに何も見てくれない!評価してくれない!」とか騒いでも、そりゃそんなことのために雇ってるわけじゃないんだから当たり前だという話で。

いかんせん「下層の仕事」て大体それだよなと。

「自分は頑張ってる」て感覚と剥離しやすいとこあるよね、でもそもそも求められるものが違うから評価されるところがそこじゃないんです。

大口に無謀にも突っ込んだ、その蛮勇を褒めろと言われても「何を目指してるんだ?」て話で。

そこで大口を見事に捌いてみせたなら見返してやることができたろうに、それをやってのけたうえで「仕事できるのは琥珀さんだけじゃない」て吠えたなら格好良かったんじゃないのかな?

人様の仕事を横取りしようとしたうえに完全に持て余して総括を遅滞させたんだから、口答えせずに素直に反省して身の丈を弁えてなさい。

(しかし…私…勘違いされてるのかね…?)

とも考え込んだ。

私は「大口の顧問先だろうと物怖じせず担当を引き受ける勇敢さ」をかわれてるわけではないけど、周りの目にはそう見えてるのだろうか?

そう考えると少し笑っちゃうな(笑)

度胸も確かにあるにはあるんだけど、大口担当を名乗り出たのは過去の自分の実績なら対応が可能な範囲内におさまると判断したからだよ!

度胸を示して評価してもらうためじゃないよ😂

なんだと思われてるんだろうって(笑)

上司に怒られた後の部下は「仕事してるのに!」てブツクサと文句を言い合っていたけれども。

(いや総括まで完了させて初めて仕事なんだわ)とパタパタと他の作業をしながら心の中で静かにツッコミを入れた、ヤル気を見せれば評価が得られることを期待するほうが間違えてる。

それで許されるのは新人のうちだけでしょ…

でも実際そういう態度の人達は多いんだよね。

私と親しくしてる一部の部下には人事評価基準の話はしたことがあってさ、その人達はそれを覚えてるのかどうか知らないけど順調なのね。

(部内の底上げをしたいなら人事評価基準の話は皆にしたほうがいいのかもしれない)と一瞬考えたけど、それはそれでどうなのかなって。

確かに私も人事評価基準を教えられたときに、想像してたのと随分と印象が違って驚いたの。

でも言われてみれば当たり前っていうかさ?

「労働の対価として報酬を受け取る場所」だから事業に貢献してなければ評価されるわけない、心意気でお金を貰える場所じゃないことなんて言われないとわからないほうがおかしいよね。

ましてや良い年齢をした大人なわけですから。

そんなものに価値は無いというわけではなく、そういうのも自分個人の人生を豊かにするため必要ではあるんだけど「他者がそれを有り難いと感じるのか?」は環境とかにもよるもので。

此処では、まず事業実績が無ければならない。

そのうえでチャレンジ精神を発揮していくとか円滑な人間関係を築くとか、そういうの自分が成し遂げたいと思うのなら妨げないからお好きにどうぞって感じのスタンスなわけなんです。

「個人の感覚」ていうかさ?

私達にとって「仕事」は人生の大部分を占める、過ごす時間も長いうえに影響力も大きいよね。

それゆえに「職場」という環境下で個人の幸福感までも得たいと願うのはわからないでもない、でも間違いなく雇用側はそのために私達を雇うわけではないことは覚えてないといけなくて。

そこを割り切りながら、でも1日の大半を此処で過ごすんだから精神的満足感とかも得られる場にしていきたいなぁー…と望むのは当然で。

そこのバランスを維持できるだけの能力とか、卑屈にならずに考えていかないと周りを怨んで腐るだけになるから気を付けていかないとね。

言わないでおこう。

きっと部下達はあのまま「どれだけ頑張ってる姿を見せようとも評価しない組織」を怨んでく方向に突っ走るんだろうけど言わずにいよう。

私の性格が悪いから…というのもあるけど。

現時点でそれを理解できてないなら、言っても厭味に聞こえるだけで良いことなど無さそうで現状「私の仕事の邪魔にならないように」て部分は上司のほうが配慮してくれてるから。

お任せしよう、打開策を相談してきたら「此処の仕事はそういうものだという認識をしてる」と話をしてもいいけど積極的には関わらない。

私に怨みの矛先を向けられても困るしねぇ?

いやしかし大口の顧問先には申し訳なかった。

自分達が大口なの自覚してくれてて「お待ちしてますから大丈夫です」て反応だったんだけど、本当なら今日中に終わってましたすいません!

私は待ってたんだよー君達のことをー💦

次からは私が対応いたします。

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