経済における立場の違い。

闇営業を始めたのをキッカケに、改めて経済学に興味を持ち始めてお金の流れを知るのが最近の楽しみになっている私でございます。

元々こういうのが肌に合っているというかね、税理士法人に勤めていたときにも業界地図って本を読んでるときが妙に楽しかったりしたの。

何が面白いのかと聞かれてもわからないけど、なんかすごい勉強した気になれるもんでね(笑)

最近はお気に入りの解説者の動画を見てるのが主なんだけど、そちらの界隈では先日に起きた円高とパニック相場の話題で持ちきりなのよ。

外国勢のマネーゲームによる影響など、庶民な私には無縁の世界で繰り広げられる様々な思惑が分かりやすく解説されてて面白いんだけど。

だいぶ笑えない話題もあったので、今日はそこについて話をしていきたいと思っております。

様々な要因が重なったことで起きた先日の円高とパニック相場、その1つの要因になったのが日銀総裁の利上げの宣言だったんだけれどね。

私はそれを自分では聞いてないんだけれどさ、とある解説者が「個人的にはその発言が会見の中でも特に気になった」と話していたんだよ。

どんな発言だったのかを要約いたしますと…

「(賃上げや利上げに)ついてこれない企業の労働者達が、より生産性の高い企業にうまく移れるような様々な仕組みや努力が続いていくということについてもモニターしていく」

わかりにくいので噛み砕きますと…

「金利を上げることで業績が落ちて賃上げ要求に応えられない企業も出てくることは承知しているが、反面で賃金を上げられる余力を持った企業もたくさん出てきている状況がある」

「このことから人手がより有望な企業に移っていく流れが発生するのであれば、日本経済全体として見れば非常に良いことだと解釈してる」

というようなことを言ったわけなのさ、そこに対して解説者は「この期に及んで賃上げしない企業は沈みゆく船と捉えて立ち振るを変えるということが個人にとっては重要だろう」って。

私、ここのところで考え込んじゃってさ💦

最低賃金の交渉を見てたときに「賃上げできる余力がない企業は淘汰されていくべきである」て思想が政府側の背景にあるような気がするというのは前々から感じていたんだけどさ。

それは働き手としても「そのとおり」と思う。

低賃金で雇わないと倒産するような生産性低い企業なんて、その時点でもう事業失敗してるし淘汰されて然るべきという考えは深く頷ける。

労働に対価を払えない企業なぞ潰れてしまえ。

ただね、私の年齢的に日銀総裁の思想は個人的な生活においてはあまりに酷だなと思ったの。

私も「どんなに結果を出しても給料に反映してくれない」と不満タラタラだった時期がある、これだけ物価が上昇していれば不満などという感情的な話を通り越して生活が変わってきてる人もかなりいるんじゃないのかな。

そんなときに「今よりも待遇の良い職場に転職をできないものか」て考えは当然出てくるけど問題はそれが現実的に可能かどうかなんだよ。

そのハードルが昨今はかなり高いと感じてて。

だってさぁー…

そもそも優良企業は新卒以外を採用しないさ?

しかも永らくの経済停滞を乗り越えてくために優良企業ほど「機械化とシステム化」を実行して効率を追求してきてるから、人手が必要な業務自体がほとんど無くなってしまってるんだよ。

人的投資より設備投資のほうが圧倒的に良い、今時「人海戦術」が主流な仕事って何かあるか?

そこが今のご時世でも事業実績を落としてない優良企業の秘訣ですよ、そういう背景を考えると「空いてる席なんてほとんど無い」わけでさ。

そこを新卒と取り合って勝てる気がしない。

人手不足で騒いでる業種はそういうところではないじゃない、介護職、運送業、飲食バイト!

かなりタフでプライベートな時間との両立とか厳しいよね、少しでも家庭事情なんかがあれば働き続けること自体が厳しい業種がほとんど。

日銀総裁が言ってる思想に当て嵌まるのって、新卒かよほどのスキル持ちだけじゃないかと。

まあ確かに企業間で人手の確保のために賃上げでパイを取り合う流れが起きるのは歓迎する、けどそこに上手く乗れる人達がどれほどいるか私的には現状を見ていてかなり疑問なのよね。

むしろ詰む人のほうが多いんじゃないのー…

例えばさ、うちの職場がまさにそうなんだが。

ご他聞に漏れず「機械化とシステム化で効率を追求したうえで人材は特に優秀な者だけ残した少数精鋭組織」を目指してきたわけなんです。

それが最近ようやく形になってきているのよ、機械化とシステム化が軌道に乗りはじめたからついに人員整理が始まることになっていてね。

解雇するわけではないんだけど、内容的に退職を促してるのと変わりないような異動なのね。

その対象者になって肩を叩かれた人達が、今更慌てているというのがここ2ヶ月ほどの流れ。

対象者以外の職員に対しても「これから職員数は減ることはあっても増えることは無い」て話をされて、気を引き締めるように言われたの。

これって他の企業でも同じだと思うから、異動を受け入れられずに退職を決めたときに再就職をするのはかなり厳しい道程だと思うんだよ。

彼等が異動の対象者になるに至った背景を思うと本人達の自業自得ではあるんだけど、そこに輪をかけて日銀総裁が日本全体の経済に対して「これを機に優良企業に再就職すればいいよね」てスタンスで考えてるのは結構怖いなってさ。

いやいや、優秀な人材ならその人だけ賃上げをして逃さないようにするんじゃないのかな?

再就職先を探すハメになるのは、大部分が他で「あなたは要らない」て言われた人なんじゃ?

「低賃金に不満を持つ優秀な人は生産性が高く十分な賃金を支払えるだけの余力を持っている優良企業に流れ込む」という流れが期待できるとは思うけどさ、それと同時に桁違いの規模で「低賃金でも自分みたいなのを雇ってくれてた職場を無くして路頭に迷う」が起きそうだよ。

それはどうなのかなぁー…てさー…

あまりにキャパが少なすぎやしないかなって。

私これも最近よく感じていることなんだけど、世間がどれほど厳しかろうと「しょうもない奴」が一定数存在するという構図は不思議なことに変わらないものなんですよね。

これまでは、そんな「しょうもない奴」も抱えて置いておけるくらいのキャパが存在していた。

今はそれがものすごく少ない。

私は「頑張ったら頑張ったぶんだけ良い人生を歩めるような報いのある世界こそが正しい」と考えてきた、けど別に「大した努力もしてないような連中は痛い目を見るべき」と思っているわけではないんですよ。

きちんと前者が成り立っているのであればね、後者がどうなるのかは良くも悪くも興味無い。

頑張る人がバカを見る世界が嫌いなだけです。

そういう感じだからさ、なんかこう「マトモな生活をするために個人がかけるべきリソースのハードルが上がる」みたいな形で平等とか公平を成り立たせていくのは私的に少し違うのよ。

言いたいことが上手く伝わるだろうか😂

日銀総裁の話はたぶんね、自分の年齢や職業により受け取り方にかなり差が出ると思うんだ。

これから社会人になる人達であるとか、もはやフリーランスでもやっていけるほどのキャリアを積んだ人達であれば都合がいいだろうけど。

30代↑にはキツい話だよなぁ…

まあ私の立場としては、今そういう話を聞けて良かったなと感じているところではあるけど。

私は役職試験に合格してるから現段階では異動とか解雇とかの対象に入ってないし、対象外の既存職員はむしろ昇給で人材の囲い込みのため優遇されていく方向に流れは向かってるから。

でももしこの先に、もう一段階の引き締めなど起きたときには私もどうなるかわからないし。

今からきちんと「私は囲っておいたほうがお役に立ちますよ」アピールしていかないとなぁ…

なんか他人事ではなくてゾッとした。

沈みゆく船かぁ…うちはそうではないけれど、それでも船員で有り続けることは難しい時代。

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