小さな革命の兆し２

思い出したことがあります。

もう20年以上前のこと、
まだ30代初めの私は、その頃、神戸に住んでいました。
あるとき、通勤先の大阪から帰る電車で、
ひとりの女性が目に入ったのです。

旦那さんと見える男性と二人で、
シートに座っているその女性は、
どう見ても、５０代後半、
いや６０はとうに過ぎているように見えるのに、
お肌が白く、ツヤツヤしていて、化粧っ気のないお顔には、なんと、

シワがない！！！

失礼ながら、まじまじと見つめていた、若かりし頃の私。

なぜでしょう、
年齢は感じるのに、老けてない・・・

そのご夫婦は、桜並木で有名な、夙川駅で降りていきました。
仲の良さそうなご夫婦で、お食事のことなのか、
食べるものの話をしているふうでしたが、
ゆっくりと、電車を降りていく姿は、
やはり、それ相応の年齢が感じられました。

でも、やっぱり、どう見ても、
お顔にシワは、ほとんどなかったのです。

そんなことがあるなんて。

化粧でごまかしているわけではなく、
ほぼ、すっぴん。

化粧を厚くするほど、年齢が出てしまうものなので、
やっぱり、ほとんどノーメイクだったのでしょう。

そのとき、秘かに、年をとったら、私も、
あの女性のようになりたい・・・と心に決めました。
どうやればいいのかは、分からなかったけれど。

その後、年を重ねていくなかで、
知らず知らず、
他者目線での美の基準を持つようになっていったのですが、

あのとき、夙川駅で降りた女性のように、
年齢は隠せなくても、ツヤピカなお肌を手に入れられる方法が、
この世のどこかにはあるのだと、知った日が、確かにあったのです。