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初めての彼氏は韓国人でした(2)

(前編に引き続き)学校でランチを食べている間、突然韓国人の女子グループがやってきた。そして私に、「H(彼)のことを好きって言ってる日本人ってだれ!?」と突然声をかけてきた。そして一緒にいた子たちは揃って私のことを指差してきた!(えっ、なにそのあまりにも漫画みたいな展開、、、)

そして韓国人の女子たちは「やっぱり!?どこが好きなの!?」「本当に好きなの!?」「Hには告白したの!?」って一斉に聞かれた。

私は初めての恋愛でとっても恥ずかしくなって「いや、好きだよ、友達として!!」って異様に友達をアピール。「だよね!あくまでも友達だよね!」って言われて「当たり前じゃん〜」って返事をした。(本当はすっごく好きなのに、恥ずかしいし、何より好きってはっきり言われてないのに、、しかもこの子めっちゃ可愛いのに私なんかが好きって言えないよ、、)

その後友達に「私別に好きって言ってないし!しかもなんなら向こうがアタックしてきたのに、なんで私が片思いみたいになってるの!?」ってやたらムキになった。

私は彼からの連絡を一旦断たなきゃ、、あの子たちに睨まれたら怖いし、、ってやたらビビってた。

女子同士の関係性って本当に怖くって、一瞬で噂広まるし、なに言われるかわからない。恋愛は確証ないけど同性の友情がなければ学校生活すらままにならないのである。

ただその後もずっとずーっと彼のことが頭から離れなかった。連絡くると嬉しくなっちゃうし、返信こなかったらどうしようってあえて返信の回数も減らしてた。

ただ、学校で1日も見かけなくって悲しいなって思いながら帰ったら、「今日学校きてた?見かけなかったから悲しかったよ」ってきたときのことは今でも忘れられないくらい嬉しいキャンパス恋愛だったなって思う。

ただお互いにウブで照れ臭くってうまくベタベタ出来なかった。

ある日突然「韓国に帰国することになったから後3ヶ月しか一緒にいられない。」その言葉は私の心に急に重い鉛を乗せられた気分だった。あとたった3ヶ月、、しかも彼は日本人じゃないから帰国したら会えるわけでもない。ひょっとしたらもうこれで会うのが最後かもしれない。

ただそれだけを思って毎日カウントダウンをしながら生活するようになった。お願いだから、時間が止まってほしい、時計を止めてって。ひたすら願った。

もちろんその時はきてしまう。学校の最終日、私は彼に最後に「ありがとう。韓国帰っても頑張って!忘れないでね!」それだけを最後に笑顔で言った。あのときの言葉と笑顔は私の中でかなり頑張った方だ。彼は「ありがとう。A(私)も元気でね。またすぐ会えること祈ってるよ!」そういってくれた。

学校から帰るバスの中、彼がキャンパスの前で手を振っているのが見えた。私も小さく手を振った。心の中では号泣だ。

その後も彼と連絡を取りつつもその約半年をすぎたあと、彼とは音信不通になった。

ただ彼が韓国に帰って2ヶ月ほど経ったあとに気が付いたことがある。私は7月に引越しをした。彼が韓国に帰国したのは6月の下旬であった。それまで彼が住んでいたマンションに私は7月に引っ越した。初めはそのことを知らなかったが、彼の親友から聞いた話だった。

その約2年後、大学1年生の夏に私は大学の友人と韓国に旅行に行った。とっても彼に連絡したくなったが、彼には付き合っている彼女がいる。

おそらく彼女とは私と音信不通になった頃くらいから付き合い始めたのだろう。

私は今でも思う。人生はたった一回。その時間はいくら後悔しても戻ってこない。そのときの行動で人生がもっと変わっていたかもしれないと。

彼はラッパーとして今韓国の音楽業界で注目されている。まだ当時趣味として歌っていたラップ。私に作ってくれた曲。彼は「初めて彼女のために歌を作るよ。それがAでよかった。これ聞いてゆっくり寝てね。おやすみ」

その言葉を忘れられない。夏の夜の甘酸っぱい初恋の思い出。

今あなたは何をしていますか?元気ですか?私のことを覚えていますか?

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