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The Ship Life 〜 Betrayer [裏切り者] 1 〜
こんにちは。豪華客船で美容師として働いていたMiyukiです。コロナきっかけで船上での仕事は一旦終わりました。(今度いつクルーズが再開されるかは未定ですし、私もまた戻るかは未定です。)
船上での毎日は、海外ドラマの中で生活してるように、毎日がドラマチックでした。私が体験した事、先輩クルーが体験した事、いろんな面白い話をまとめていきます。
今回の話は、ツアーデスクで17年働いたJosh(仮名)の体験談です
【 Betrayer ~ 裏切り者 ~ 】
いつもと違った複雑な気持ちの朝、僕は日課の熱いシャワーを浴びていた。
キャビン(部屋)のシャワー室はかなり狭い。
もちろんバスタブはなくシャワーエリアは大きく足を開いたら端から端まで届く広さである。その日も考え事をしていたが、シャワーカーテンをちゃんと内側に入れて、トイレの前の踊り場が濡れないようにだけは気をつけていた。
熱めのシャワーはまだ眠い頭をスッキリさせてくる。ただ、今日は眠気というよりも頭の中をいろんな感情が巡っていたので、熱いシャワーを一点に浴びながら頭の中を整理していたのだろうか、知らないうちにいつもよりも長めに浴びていたようだ。
綺麗に畳まれたバスタオルが、トイレの上のラックに並んでいる。クルー(船員)用の清掃員が毎日タオルとベッドシーツを変えてくれるので、時間がタイトなときは、有り難いなとおもいながら、いつもこの階担当の清掃員の彼の顔が浮かんでいた。
今日もそんな日だった。考え事するときのシャワーはいつもそう。比較的きちんと朝のルーティンをそつなくこなす僕でも、ズレが生じてしまう。
それは、友人であるDavidにどんな顔してを声をかければいいかを考えていたからだった。
昨晩、寝る間際に僕の彼女のMarinaが話していたことが頭から離れない。僕たちはカップルとして一緒のキャビンで暮らしていた。2人ともレストランとツアーデスクで部署が違うので、1日の終わりにはその日にあった事をシェアして寝るのが日課だった。
ただ、昨夜は充分な睡眠は取れなかった。
Marinaの話を理解するまでに時間が必要だったからだ。
毎日いろんな事をお互い話すが、大抵はたわいもない事。ただ、昨日は僕がキャビンに戻った時は、Marinaが待ち構えていたかのように興奮していて、僕のシャワーが終わるを待ちきれず、バスルームの扉を開け、彼女はトイレの蓋を閉めてその上に座り、シャワーカーテン越しに話しを始めた。
それは、僕らカップルの共通の友人カップルのDavidとKimiの事だった。厳密に言うと、5ヶ月ほと前、Marinaの紹介でKimiに会い、その流れでDavidと繋がった。
昨日のディナータイムに起こった出来事で、その話を聞き終わっていろんな何故がいっぱい頭に浮かんできて、David本人と直接話もしたかったので、Marinaからの話は半分疑いながら聞き、明日もいつものように7;30に起きなきゃいけない僕は、時計が3時を回ったのを確認して無理やり2人で眠りについた。
次の日、朝食を取る為に先にクルー用の食堂に急いで向かったMarinaを後から追いかけた。いつものシャワーが長引いたので、自分の朝食の時間をゆっくり取りたいMarinaは先にキャビンを出ていた。
Davidはいつもの席に座っていたが、いつものようにMarinaもその隣の席を確保し一緒に朝食をとっていた。DavidはMarinaの上司にあたるマネージャーである。
僕たちカップルはDavidと仲が良いくいつも時間が合えば同じデーブルで食事して
僕も遅れていつものようにDavidの反対側の隣に座った
当然だろうなとも思ったが、ちょうどそのテーブルには僕たち以外にはいなかったからちょうど良かった
昨日の事件のことを直接本人に聞きたかったのだ
朝の食堂はみんなどこか急いでるようでゆっくり深い話は聞けない
ただ、Davidが落込んでやしないかとそれだけを確認したかったから、いつもより少し落ち着いたトーンで話しかけた
Josh『おはよう。。。元気か?』
David『やぁ、おはよう! haha あぁ聞いたか? まいったよな、、、』
Davidはいつもの彼とは違った引きつったような笑顔で答えてくれた
Josh『うん、Marinaから聞いたよ。。。マネージャーと話したのか?』
David『うん昨日の夜な、おかげであんまり寝れてない』
Josh『そうだよな。。。』
David『、、、オレそろそろ仕事行くわ』
Josh 『お、おぅ。。。今夜お前のキャビン(部屋)行くわ、ゆっくり話を聞かせてくれ』
Marina『そうね、そうしてあげて。。。』
David 『わかったよ、、、』
そう言ってDavidは食堂を後にした
Marina『心配ね。。。David。。。』
僕のいるテーブルからDavidが去って間も無くしてMarinaが食べ終わったトレイを運びながら静かにささやき彼女は先に仕事に向かった
僕も最後の一口を急いで口に放り込み、自分の持ち場であるツアーデスクにゆっくりと向かった