ボウダナートの回せないマニ車
2021年、新しい年が始まりました!
とは言ったものの、私の住むネパールは、独自の暦を使っていて現在2077年9月の後半。
年が明けるまで、まだ3ヶ月ちょっとあります。
ネパールの暦では西暦でいう元旦は、単なる平日の金曜日に過ぎず、役所も銀行も開いていて、全然新年の気分が出ないのです。
が、それでは、日本人の私としては物足りないし、なんか寂しい!
だから、ヒマラヤ展望で有名な観光地であるポカラに住んでいた頃は、元旦は、早起きして、初日の出を見に行ってました(アパートからタクシーで20〜30分で展望台に行けましたからね)。
ヒマラヤを照らす朝日はちょっと感動ものです。
でも、カトマンズからだと、ヒマラヤサンライズ、ちょっと遠いのです。一人で前の日からお泊まりという気分にもなれず、代わりに、今年は、ネパール最大の仏塔のあるボウダナートに初詣してきました。
ネパールでは、ヒンズー教徒が多いのですが、実は、ブッダ生誕の地でもあり、モンゴル系の民族のシェルパや、グルン、タマンなど仏教を信仰する民族もいるのです。
ボウダナートの仏塔の周りには、マニ車と呼ばれるものがぐるっと一周設置してあります。このマニ車の中には、お経が書かれた紙が入っていて、マニ車を一回転させることでお経を一回唱えたことになると言われています。
だから、多くの参拝者は、このマニ車を回しながら、仏塔の周りを歩くのです。
さすが、仏教徒の聖地だけあって、ボウダナートは、観光客がいなくてもそれなりに地元の人々で賑わっていましたが、コロナ禍の今、以前と同じというわけにはいきません。
今年は、マニ車の前にロープがぐるりと張られていて、マニ車を回しながら歩くことができないようになっていました。
本当なら、黄色いカーテンがあるところ、そこにマニ車が設置してあって、それを回しながらみんな歩くのですが…。
お詣りのスタイルまで『新しい生活習慣』になっちゃうんですね。
そして、飛行機は飛んでいるものの、ツーリストビザでの入国がまだ再開されてないせいものあり、入り口のチケットカウンターには職員がおらず。
そうなのです。ここは(ここも?)外国人だけが入場料が必要だったのですが、その外国人がいないものだからチケット販売の人も必要ないのですよ。
そんな風に、思いがけず、コロナの影響を感じる新年となりましたが、天気には恵まれ、気持ちの良い初詣となりました。
私は、3周回って(なんとなく3というのは好きな数字なので)、ずっと探していた、お気に入りの漢方薬っぽい香りのお香をゲットし、大満足して、家路へ。
ボウダのマニ車は回せなかったけど、きっと、それも、自分でお経を唱えないと意味がないんだよという、啓示かもしれません。
そして、午後からの、仕事の前に、新年の抱負と目標を立てました。
今年の目標はいくつかあるのですが、そのなかの一つをここで特別公開!
それは、「めざまし時計をかけないで起きる」こと。
アラームに頼らない、自分の中の自然の力を呼び覚ますぞ!というチャレンジ目標です。
はてさて、ちゃんと明日から起きれるかな?(実はちょっと心配です)ま、楽しみながらチャレンジしたいと思います。
【text by Chikako from Nepal 】
宮本ちか子 瀬戸内海の島で海に囲まれて育つも、なぜか海のないヒマラヤの国ネパール在住。夫も仕事も家財道具も全て捨て、ネパールに移住したのは30歳のとき。ポカラで15年ホテルを経営するが諸々あって、泣く泣くホテルを売却。現在はフリーランスライター、タマラエネルギーワーク、仕入コーディネイト等々。バツイチで結婚は2回、娘が1人、ネパール人配偶者はアーユルヴェーダの治療師。「刺身が食いたい」とつぶやく回数が最近さらに増えてきたアラフィフである。