シェルターが普及しない理由
地下シェルターの現状と日本での普及
地下シェルターの普及について、海外では核攻撃や災害に備えて広く普及している国があります。代表的な例が韓国やスイスです。ソウルでは、300%の普及率。
地下鉄やビルの地下部分がシェルターとして機能し、全人口の3倍以上を収容できるとされています。
一方、永世中立国のスイスでも核シェルターの普及率が114%に達しており、公共施設と合わせて全人口が収容可能な体制が整っています。
日本の普及率0.02%
日本では、核シェルターの普及率がわずか0.02%と非常に低い水準です。
1万人に2人が逃げられる計算。実質ほぼ皆無です。
これは、長期間の平和と核攻撃の現実的な脅威に対する危機感が薄いこと、民間の建物も木造住宅が多く、シェルターを設置するためのスペースや日本基準での強度が不足していることが要因です。土地も高いですし、大きな平野も少ない国土にも理由がありそうです。日本の建築基準に照らし合わせて考えると、とんでもない費用になってしまう懸念があります。
さらに、経済的負担も大きく、シェルター設置には1500万〜2000万円ほどの費用がかかると言われています。
平和と言ってもあれだけバンバンミサイルが北朝鮮から飛んできていますが、どこか人ごと、日本は攻撃されないような不可解な安心感があります。
地下でも助からないリスク
日本が地震大国である点も、シェルター普及の妨げになっています。地下シェルターが地震時に崩壊するリスクや、避難の難しさが懸念されているため、導入に対して慎重な姿勢が取られています。
頑張って地下に作っても潰れてしまう可能性が大きく、また日本特有の理由として、ハザードマップ上はシェルター設置に向いている平野部は津波や洪水などのリスクがある地域が多く、「地下にいると死んじゃう」問題が大きそうです。
また、シェルター設置に対する行政のサポートも十分ではなく、スイスや韓国のような財政的支援が少ないのも普及を遅らせる原因です。
今後はシェルターは普及するか?
日本では、あれだけ大きな2011年の地震被害、原子力発電所被害が出てもいまだにシェルターという単語を聞くことはほとんどありません。
日本での普及は限定的ですが、国際情勢や自然災害に備えるニーズが徐々に高まっています。世界的には増えていきそうですが、日本ではこのままの状況が続きそうです。例え、政治情勢が著しく悪化しても、一気に普及することは土地の問題、建物の問題、自然条件の問題から難しそうですね。