出社のみなさんへ
前日になればその気になるから気にならなくなるんだけど、一番重苦しいのは出社日が決まったとき。〇日は出社かぁ、ってそりゃあもう面倒で恨めしいわけ。だけど、当日の朝、二日酔いはいつもと変わらないのにテキパキと朝シャワーなんかしちゃって、その分の時間を考えて早起きなんかしてる。メイクをしてるから朝日を浴びるのも怖くないし、通学路にいる誘導員を見ると嬉しくなるの。パン屋にしては遅い開店準備を覗き見て、人々がどのくらい厚手の服装をしているのか確かめる。それぞれどんな理由で歩いているのか想像しては無視して、私は地下通路へ吸い込まれていく自分の背中を想像する。こうこうと明かりのついた地下街は、在宅で昼間に電気をつけている部屋の明るさに似ている。