「生理の貧困」は日本だけ? ドイツやイギリスのタブーへの挑戦
『生理の貧困』のフランク・ロイドの記事集
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この記事の著者のサンドラ・ヘフェリンは、日独ハーフで、ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住二十三年、日本語とドイツ語の両方が母国語。なので、ドイツ国内の事情には詳しいだろう。在独日本人女性よりも。たぶん。
「生理の貧困」は日本だけ?
ドイツやイギリスのタブーへの挑戦
ドイツでもタブー視されてきた生理
日本で長い間、生理がタブー視されてきたのは、伝統的な「穢(けが)れ思想」をはじめとする文化的な背景もありますが、実は、欧米でも長い間、「生理は不浄」だと考えられてきました。
今では、ドイツを含むヨーロッパでは、「生理があるから、女の子は特定のことをしてはいけない」という考え方はなくなりつつあります。それでも、生理にまつわる課題は様々な場面で残っています。
「ジェンダー・ニュートラルなトイレ」の大失敗
英BBCの女性ジャーナリストが、ヨーロッパ最大規模の文化施設であるロンドンのバービカン・センターで映画を鑑賞した時のこと。休憩時間にトイレに行こうとしたところ、トイレの前に尋常ではない長さの行列ができていて、その多くは女性でした。
行列の原因は、施設側が男女平等を重んじようとしたために、「女性トイレ」と「男性トイレ」の区別をやめ、全てのトイレを「ジェンダー・ニュートラルなトイレ」にしたことでした。トイレには「ジェンダー・ニュートラル個室」と「ジェンダー・ニュートラル小便器」が設けられましたが、女性は後者を使えないため、結局は「男性が使えるトイレを増やしただけ」でした。しかも驚くべきことに、使用済みの生理用品を捨てるサニタリーボックスの多くが撤去されていたのです。
生理について日本のほうが話しやすい
「生理」というテーマについては、日本のほうが女性同士で話しやすい。
ドイツを含むヨーロッパの人は、生理に対して合理的に考える傾向があるので、生理痛などに悩んでいる女性は、ピルを服用して痛みなどを解消していることが多いです。そのため、「生理がつらい」といった愚痴に対しては、「だったら医者に行けば?」「ピルを飲めば?」と返されてしまい、「生理のつらさを女性同士で分かち合う」というような雰囲気はない。
日本では、仲の良い同性同士であれば、「最近、便秘がひどくて……」といった体調の悩みを話すことが許される雰囲気があります。現に日本のテレビCMにはよく「便秘に悩む人」が登場し、「何日間も出なかったんですけど、これを飲んでスッキリしました」と、自分の便通の状況を語るものがあります。ところが、ドイツを含むヨーロッパでは、排便や排尿に関する話は「隠すべき話」であり、日本よりもタブー視されています。ヨーロッパでは「生理」についても、細かいことまでは女性同士でも話しにくい。
フランク・ロイドのエッセイ集
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