進行経過(2)、『A piece of rum raisin』番外解説
さて、第9章までアップしていて、第二ユニバースの書かれている第16章までの6章分が残っています。すでに書いてありますが、いっぺんにアップしても後が追いつきません。1日1章ずつアップして時間稼ぎをしないといけません。
第13章では、メグミがまたまた男女関係で悩みます。絵美がうまく相談に乗ってくれるといいのに。第14章ではその森絵美が転移してきます。第二ユニバースでは恋人関係であった森と宮部ですが、第一は、メグミが前に出てきてしまいます。彼女に従います。スカイラインを乱暴に運転してもらいましょう。
第14章の第一の絵美はなかなかコケティッシュなのですが、記憶が戻って台無し。冷静冷徹の氷のオンナの第三の彼女に逆戻り。ただこの章では、記憶の仕組みを説明していて、これはこれで、タイムリープではない記憶転移の仕組みを説明しました。記憶もエネルギーの一種の情報データに過ぎないということです。
第15章の第一の島津洋子のシーンは、メグミがヒステリーを起こす内容ですが、まだ起こしていません。ヒステリーを起こすよりも、仲間が増えた、という感情が先行したのか?マグマの圧力は高まるか?そこを書くとさらに長くなるので、流しましょう。この章の洋子の記憶転移がどう実際に起こるのか、海馬から大脳皮質への転送記憶の結合、解凍、展開をどう表現するか、記憶自体が何ものか?ということを念頭に簡単に書いたのですが、でも、難しい。
第二ユニバース編の第25章ができていません。マーガレットと洋子のケンカシーンができていません。第26章以降では、第三ユニバースに戻って、2010年5月11日(火)に起こったことを書き、その後、2008年9月に起こったセルン(CERN)のヘリウム流出事故と偶発的な記憶転移、2010年9月の記憶転移装置での第一への記憶転送を書かないといけません。
それでも、まだオメガが出てきません。ラスボスは誰か?どの組織なのか?それで、第二ではない第一ユニバースのメンバーが1983年7月のニューヨークに飛びます。彼らはビル・ゲイツに会わないといけません。それのお相手は、第二ではない第一の類似体のノーマンとマーガレット・タナー博士。ノーマンが喋ってくれると楽です。彼の喋りは書くのが楽。メグミが喋るのも楽。反対に、小平と湯澤が喋ると苦痛です。調査項目が増えます。
これを先にするか、1981年3月の小平と湯澤/1981年12月のアイーシャの転移を書くか、どちらを先にするか。ここまで書いて、幸せな第一部が終了。既に第1章から第24章で、11万623文字消費しています。長過ぎます。
これから、不幸な第二部。なにせ、第三世界の地球の生命の95%を絶滅させる大災害をどう回避するのかを書かないといけません。実は、第三ユニバースは回避できる。回避できないのが第二ユニバースです。第三ユニバースからの干渉がない世界ですから。もちろん、第一ユニバースも第三と同じ問題がありますが、それを解決しないと第三の絶滅が起こります。絶滅するのは第二ユニバース。
さて、
蛇足なんですが、超新星爆発とか、いろいろ、説明をした方がいいでしょう。それをまだ出演されていない、第三の日経サイエンス契約ジャーナリストの岬麗子さんから、第三の加藤恵美博士にインタビューしていただきましょう。
岬 「初めまして。日経ビジネスの岬麗子です。今日はよろしくおねがいいたします」
加藤「岬さん、加藤です。よろしくおねがいします。私でいいの?小平先生とかじゃなくていいの?」
岬 「いえ、その小平博士から加藤博士をご指定されたんですよ」
加藤「そうですか、仕方ない。ご指名とあらば・・・」
岬 「まず、お聞きしたいのは・・・」と岬がメモを見る。「小平博士がおっしゃるには、スーパーカミオカンデの観測したニュートリノの増大量で、極超新星爆発が発生、それに伴うガンマ線バーストが地球に標準を合わせたという発見は、加藤博士がなさった、と言われていました」
加藤「みんなのチームワークの結果なんですのよ。オホホ。でも、たしかに私が発見したのは事実です」
岬 「ガンマ線バーストが地球に標準を合わせ、ガンマ線が地球に降り注いだ場合、何が起こるのでしょうか?」
加藤「その前に、極超新星爆発の現象を説明しないといけないわ・・・それは、・・・」
超新星、異常に大きな恒星の破局的爆発なの。安定している期間、その星はずっと巨大な質量によってそれを圧し潰そうとする重力と、内部の核融合反応によってそれを吹き飛ばそうとする輻射圧との間で均衡を保ち続けています。輻射のエネルギーは光子によって星の表面へと運ばれるけど、その途中で何度となく物質による吸収と放出が繰り返されるので、移動の速度は極めて遅いの。星の内部で発生するエネルギーが。表面から輻射されるエネルギーを上回る。その結果、中心部の温度は上昇していく、どこまでもどこまでも。やがてそれは六百億度に達するの。この数字がどのくらいのものか、実際には誰にも想像すらできないでしょうね。
だけど、超新星の臨界温度で、ニュートリノの生成率が突然空隙に膨大な数に増大します。ニュートリノは物質とほとんど相互作用しません。そのため恒星の内部をまっすぐに突き抜けて、それまで光子となって出ていったエネルギーを運び去っていきます。ふいに光子の生成がぐっと減少し、それに伴って、星自体の重力による圧力を支えていた輻射圧も急激に減少する。
この時点において恒星は、突然猛烈な勢いで潰れ始める。ドカーンと潰れちゃうのよ。天体の動きは人間にとって非常に緩慢な出来事。何万年、何千億年というスケールで起きる現象。だけど、この爆縮、岬さん、爆縮わかる?わかるわね。この爆縮は、数時間、数日で起きるような急激な動きなのよ。
その過程で、重力のエネルギーが一気に放出されます。速すぎて恒星の外層はそれを吸収しきれません。そのため、外層は空間へ吹き飛び、超新星が誕生、その爆発の反作用が、既に潰れかけている中心部を、更に強く、早く、内側へ向けて圧縮するのよ。そして、超新星の中心部は、ブラックホールにまで圧縮されてしまう。
この超新星の中でも極めて質量の大きな恒星の爆発は、極超新星と呼ばれるの。極超新星爆発からは、ガンマ線バースト(Gamma Ray Burst、GRB)が起こされる。それはガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、そのあと地球からでもX線の残光が数日間見られるようになる。これによってブラックホールも形成される。
多くのガンマ線バーストが何十億光年も離れた場所で生じている事実は、この現象が極めてエネルギーが高く(太陽が百億年間で放出するエネルギーを上回る)、めったに起こらない現象である事を示しているわ。ひとつの銀河で数百万年に一度しか発生しない現象なの。これまで観測された全てのガンマ波バーストは銀河系の外で生じているのよ。
ガンマ線バーストが銀河系で生じ、地球方向に放出された場合、大量絶滅を引き起こすと推定されています。ガンマ線バーストの継続時間は短いので、被害は限定されるが、十分に近い距離で起きた場合は、地球大気に深刻な被害をもたらし、オゾン層が破壊されて大量絶滅を引き起こす可能性もあるとされているの。ガンマ線バーストによる被害は、同じ距離で起こる超新星爆発による被害よりは小さくなると考えられています。
古生代デボン紀と石炭紀の境界にあたる約三億五千九百万年前に起きた大量絶滅は、地球から比較的近い場所で発生した超新星爆発によって引き起こされた可能性があるとする研究もあるのよ。デボン紀後期に起きた大量絶滅では、海洋生物を中心におよそ八割の生物が絶滅したそうなの。この時代の地層からは何世代にも渡り紫外線の影響を受け続けたとみられる植物の胞子の化石が見つかっており、超新星爆発によるガンマ波バーストの原因によりオゾン層が破壊された証拠とみられているらしいのね。
超新星爆発で地球にはわずか10秒間しかガンマ線が降り注がなくても、地球大気のオゾン層の約半分がなくなる可能性があります。消滅したオゾン層の回復には少なくとも5年を要するとされているらしい。オゾン層の破壊によって、太陽からの紫外線が地上や海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半を死滅させ、食物連鎖も破壊される。
地球から二十パーセク(つまり約六十五光年くらいね)先という比較的近くで超新星爆発が起きた場合、爆発時に放射された紫外線、X線、ガンマ波だけでなく超新星に加速された宇宙線が地球に飛来することで、地球は最長で十万年続くダメージを負う可能性があるそうなのよ。
加藤「はあはあ、わかった、岬さん?」
岬 「え~っと、録音していますので、テキスト起こしして、また、質問に来てもよろしいでしょうか?」
加藤「・・・」
岬 「加藤博士、無理ですよぉ~。これをすぐ、理解しろと言われても。大丈夫、私もリケジョですから、なんとか理解するようにしますから・・・」
加藤「岬さん、次はね、『閉鎖系における男女関係の性的な処理』とか聞いてくれる?」
岬 「は?なんのことでしょうか?」
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