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奴隷商人 Ⅸ、第52章 ●奴隷商人50、紀元前46年

奴隷商人 Ⅹ
第52章 ●奴隷商人50、紀元前46年
 ●砂漠行 4
【砂漠行11日目】 200+90キロ

 30キロ、大スフィンクス方向に進んだ。残りあと3日。昨日のムラーとの話は重かった。第1~4ユニバースまでの運命がこの一戦にかかっていると思うと気が重い。どうしてもクレオパトラ7世は抹殺しないといけないが、できるんだろうか?

 目的地の南の大スフィンクスは、ギザの大スフィンクスからほぼ南に50キロのところにある。近くには、エジプト古王朝のメイドゥム・ピラミッドがあり、その北15キロの位置にある。敵地に近づいているので、警戒は厳重にしないと。

 今日の夕食は私が料理する!ということで、さて、何を作ろう?旅も終盤、食料の備蓄も残りわずか。大スフィンクスの戦闘で生き延びられたら、私かアイリス、イシスがアフロダイテ号、アルテミス号まで行って食料を抱えてくればいいので、着くまでの3日間で食料の備蓄はみんな食べてしまおうということになっている。しかし、ロクな食材が残っていない。

 スペルト小麦はあるので、ポレンタを作ろう。紀元前にトウモロコシなんてアメリカ大陸原産のものはないので、小麦で作るのだ。銅鍋に水10リットルを入れて沸騰させ、塩を加える。そこにスペルト小麦の粉2.5㎏を加え、素早くかき混ぜてダマができないようにする。火はずっと強火で、かき混ぜながら煮て、ポレンタが固まったら焚き火から遠ざけて火を弱める。煮る時間は約45分。

 ブルメンタリア(乾燥肉)、ヒヨコマメ、ヒラマメ、エンドウマメでスープを作る。無発酵のパンを焼く。チーズは乾燥していたがまだあったので、火で炙ってパンにのせる。濃い緑色のオリーブオイルの一番搾りをパンに付けて食べればいいだろう。オアシスの村から買ったデーツとナッツがまだあった。砂漠の旅なのだ。贅沢は言っていられない。

 両脚を踏ん張ってスゴイ格好でポレンタをかき混ぜる。火が通ってくるとポレンタは粘度が増すので力がいるのだ。少なくても、念動力で鍋を押さえているのでいいけど、普通だったら一人じゃできないわよ。

 ソフィアとジュリアが来た。「絵美様、誰かにやらせましょう。第1夫人がみっともないです!」とジュリアが言う。「みんなの分のポレンタを作りたいのよ。いいじゃない!」「いえ、ちょっとご相談がありますので・・・」と通りかかったベルベル人の女の子の奴隷二人を呼び寄せて交代させられた。自分で料理する自由がないのよねえ。

 焚き火から少し離れて、ソフィアとジュリアと一緒に座った。

「オアシスの村で買った女の子8人、男の子10人の件ですが、リーダーをそれぞれ決めました。そのリーダーをアルシノエの下につけました。それで、今まで3日間、セックスを禁じていましたけど、スフィンクスまで後3日。マンディーサ、キキと相手が決まった2人を除いて、相手のいない空き家は、女奴隷3人、娼婦2人だけです。ピティアスの手下も溜まってますので、ベルベル人の子供たちにも相手をさせたいんですけど、いかがでしょうか?」

「ピティアスの手下は23人よね?相手のできたムスカ、ジャバリと他2人を除いて19人。女奴隷3人、娼婦2人じゃあ足りないわね?いいんじゃないの?」だんだん、20世紀の倫理観が薄れていってしまう。「彼らも金貨百枚の前渡金をムラーが払っているからお金はあるでしょ?ベルベル人の子供たちもお小遣いが欲しいだろうし、一律銀貨5枚(約1万円)で後腐れなしじゃあどうかしら?子供たちに売り物の皮財布を上げて頂戴。お金をしまう物がないと困るでしょ」
「私とジュリアもそのぐらいを考えていました。手下の半数は見張りにつけておいて、交代でするのでいいでしょうか?」

「アオ姦じゃあ、砂がねえ・・・」
「ハイ?アオ姦?なんですか、それ?」とソフィア。
「いや、未来の言葉。気にしないでね・・・大テントの女たちは外で寝ることにして、手下たちに大テントを使ってもらいましょうか?別にアオ姦でいいんなら外ですればいいけど・・・」
「まったく、未来の女性は親切ですね?」
「親切にすれば厳しくするよりも忠誠心が生まれるのよ。つけあがらない程度で」
「なるほど」
「だけど、やったらベトベトになっちゃうわよね?」
「体を洗う水なんてありませんよ」
「あ!いい考えがある!イシスを呼んで」

第52章 ●奴隷商人50、紀元前46年 に続く。


奴隷商人 Ⅰ

奴隷商人 Ⅱ

奴隷商人 Ⅲ

奴隷商人 Ⅳ

奴隷商人 Ⅴ

奴隷商人 Ⅵ

奴隷商人 Ⅶ

奴隷商人 Ⅷ

奴隷商人 Ⅸ

奴隷商人とその時代

奴隷商人とその時代 Ⅰ

奴隷商人とその時代 Ⅱ
 ●古代の鏡

奴隷商人とその時代 Ⅲ
 ●イスラムの一夫多妻制度
 ●奴隷制度
 ●奴隷制度・ハレムと一夫多妻制
 ●奴隷商人ムラーの商売

奴隷商人とその時代 Ⅳ
 ●紀元前46、47年前後の出来事
 ●古代ローマの浴場

奴隷商人とその時代 (続き)
奴隷商人とその時代 Ⅳ
 ●紀元前46、47年前後の出来事
 ●古代ローマの浴場


A piece of rum raisin - 単品集


ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編1

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編2

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編3

挿入話第7話 絵美と洋子、1983年1月15日/1983年2月12日


登場人物

宮部明彦 :理系大学物理学科の2年生、美術部
小森雅子 :理系大学化学科の3年生、美術部。京都出身、実家は和紙問屋
田中美佐子:外資系サラリーマンの妻。哲学科出身

加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻
杉田真理子:明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、哲学専攻

森絵美  :文系大学心理学科の2年生
島津洋子 :新潟出身の弁護士


シリーズ「A piece of rum raisin - 第1ユニバース」

第1話 メグミの覚醒1、1978年5月4日(火)、飯田橋
第2話 メグミの覚醒2、1978年5月5日(水)
第3話 メグミの覚醒3、1978年5月7日~1978年12月23日
第4話 洋子の不覚醒1、1978年12月24日、25日
第5話 絵美の覚醒1、1979年2月17日(土)
第6話 洋子の覚醒2、1979年6月13日(水)
第7話 スーパー・スターフィッシュ・プライム計画
第8話 第二ユニバース
第9話 絵美の殺害1、第2ユニバース
第10話 絵美の殺害2、第2ユニバース
第11話 絵美の殺害3、第2ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)-第4ユニバース

第一話 清美 Ⅰ、1978年2月24日(金)
第一話 清美 Ⅱ、"1978年2月24日(金)1978年2月27日(月)
第二話 メグミ Ⅰ、1978年5月4日(火)
第三話 メグミ Ⅱ、1978年10月25日(水)
第四話 メグミ Ⅲ、1978年10月27日(金)
第五話 真理子、1978年12月5日(火)
第六話 洋子 Ⅰ、1978年12月24日(土)

 ●クリスマスイブのホテル・バー
 ●女性弁護士
第七話 絵美 Ⅰ、1979年2月17日(土)
 ●森絵美の家
 ●御茶ノ水、明治大学
 ●明大の講堂
 ●山の上ホテル
第八話 絵美 Ⅱ、1979年2月21日(水)
第九話 絵美 Ⅲ、1979年2月22日(木)
第十話 絵美 Ⅳ、1979年3月19日(月)1979年3月25日(日)
第十一話 洋子 Ⅱ、1979年6月13日(水)

メグミちゃんの「ガンマ線バースト」の解説

マルチバース、記憶転移、陽電子、ガンマ線バースト


シリーズ「雨の日の美術館」


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シリーズ「アニータ少尉のオキナワ作戦」

シリーズ「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」

A piece of rum raisin - 第3ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス-雅子編」

フランク・ロイドの随筆 Essay、バックデータ

弥呼と邪馬臺國、前史(BC19,000~BC.4C)


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