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ぼくの二十代前半まで、ジョン・レノンは殺されもせず生きていた。ダイアナ妃もダイアナ・スペンサーという名前で独身だった。スペースシャトル、コロンビアが初めて打ち上げられた。テープのウォークマンの出始めの頃だった。CDが普及し始めたのは八十年半ば頃で、まだレコードが全盛の頃だった。JRは存在せず、日本国有鉄道と言っていた。CERNがインターネットを開発したのは83年だった。

ぼくの生まれは昭和三十年代前半、横浜の一番右の川崎寄りの下町だ。小学校までは地元の学校で学んだ。中学からは私立の男子校に進学した。だから、地元は二つある。生まれた下町と育った中区の山の手。

大学は東京だった。後楽園の隣の駅。外堀に面した小さなキャンパスだった。

大学卒業後、神田にあった建築系の会社に勤め、昭和六十年から海外赴任をした。すぐ日本に戻ってくると思っていた。事実、昭和六十四年から平成四年までは日本に帰国していた。だが、再度海外に。

シンガポールには平成四年から平成十二年まで居た。そこでいろいろあったが、その会社を辞めて別の会社に。次の赴任地は香港だった。

香港には、平成十二年から平成二十年まで居た。平成二十年に現地法人を香港人で運営するというので、その会社を辞めて、家内の故国のスリランカに移った。

昭和六十年から現在の令和三年まで、日本に居たのは、昭和六十年から昭和六十四年の三年半。

ぼくにとっての日本は、昭和六十年と昭和六十四年で止まっている。

ぼくが書く小説は、昭和五十年後半から昭和六十四年までの二十代であった頃の日本が多く出てくる。しかし、それも記憶がだんだん定かでなくなって来ている。

ぼくの二十代前半まで、ジョン・レノンは殺されもせず生きていた。ダイアナ妃もダイアナ・スペンサーという名前で独身だった。スペースシャトル、コロンビアが初めて打ち上げられた。テープのウォークマンの出始めの頃だった。CDが普及し始めたのは八十年半ば頃で、まだレコードが全盛の頃だった。JRは存在せず、日本国有鉄道と言っていた。CERNがインターネットを開発したのは83年だった。G7じゃないG5の頃で、プラザ合意が成立、日本円の価値が上がった。

世界の指導者は、ロナルド・レーガン、フランソワ・ミッテラン、ヨハネ・パウロ二世だった。ソ連の指導者は、82年までは、ブレジネフは生きていた。その後、アンドロポフ、チェルネンコ、と短命に終わって、ゴルバチョフが書記長の地位についたのは85年だった。まだ、ソ連は生き延びていた。

あの頃、家にあったのは日本電信電話公社の固定電話。携帯電話などSFに出てくる代物だった。女の子とデートして、いったん家をお互いが出てしまうと、待ち合わせの場所で会うまで連絡のしようがなかった。だから、携帯電話で適当に場所と時間を言う今と違って、厳密に何時何分の何々駅の何口の改札口の前、なんて決めないと、すれ違う時代だった。

そうそう、ぼくが中学生の頃までは、横浜の伊勢佐木町の入り口アーケードには傷痍軍人がいた。横浜の街中でもアメリカの駐留軍人をよく見かけた。高校生になっても、横浜の本牧や滝ノ上にはフェンスの向こうにローラースケート姿の金髪の女の子を見かけた。

そういう時代だった。時代考証がだんだん面倒臭くなる。

男女の仲だって、今と違って厄介だった。いろいろ口実をつけて、屁理屈をこねないとお互い寝ることもしない時代だった。

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 雅子、総集編

さて、また、あの頃のことでも書いてみよう。

ああ、こういう動画はありがたい。あの時代を視覚で思い出せる。ちょっと古すぎるかな?昭和五十年代前半の動画がないか、探してみよう。

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