パリのアパルトマン
パリに着いたのは確か1月の後半。その年は欧州全体が暖冬だったこともあり、(寒さにわりと耐性のあるわたしは) 雪が1ミリも降っていないパリにちょっとがっかりしたくらいでした。
到着後1週間足らずで学校の授業が始まってしまうので、とにかくそれまでに在留資格書類の手続きを完了したい!銀行口座を開設したい!現地で使うケータイを持ちたい!家を整えたい!学校までのルートを知りたい!近所をわかっておきたい!できればパリ在住の友達に早く会いたい!という、現地の言葉ができないとなかなかハードルの高いミッションたちを右往左往しながら、ときに冬なのに汗ダクになりながら、遂行していました。
今考えると世にも恐ろしい話ですが、パリでのアパルトマンの契約は日本から下見なしの決め打ち(しかも頭金を海外送金した)だったので、入居日=初めて直接家を見る日でした。会ったことのない大家さんと現地で待ち合わせをして、設備の説明をしてもらい、鍵を受け取りました。大家さんはJoelさんっていったかな。とっても笑顔の素敵なムッシューで、設備の説明はもちろんさっぱり何をいっているかわからんが、身振り手ぶりでとても優しく話してくれて、困ったことがあればなんでも言っておいで、みたいなことを言ってくれている… ような気がしていましたww
こちらがそのアパルトマンのお部屋。5階建ての2階部分。(でもフランスでは日本でいう1階部分を0階=グラウンドフロアとするので、フランス人にいわせると4階建ての1階。) さすがに何平米だったかは覚えていないけど、ワンルームで12畳くらいでしょうか。一人暮らしなので家具も最低限、仕切りもなかったので割と広々と使えていました。ちなみにトイレとシャワーは同室。
場所はマレ地区。第4区です。パリは街自体がコンパクトなので、メトロを使えばどこへ行くにもそんなに遠い感覚はないのですが、第4区はパリの中でもセンター。ルネサンス様式のレンガでできた建物囲まれたパリ最古の広場:ヴォージュ広場(Place des Vosges)まで徒歩3〜4分という最高の立地で、私の夢のようなパリ生活はスタートし…たかのように見えたのですが、、、さっそく風呂場にある貯水タンクから水が漏れているんですよね。ポタポタ、と。。。海外旅行、もしくは留学をしたことのある方ならお分かりかと思うのですが、渡航前に保険に入りますよね。その時水漏れ系の事故例で、ものすごくびびらされませんか?!水浸しにして下の階まで水が漏れた、ハイ、何千万円請求みたいな…。それが頭をよぎり、困ったことがあれなんでも言っておいでと言ってくれた(であろう)大家さんのJoelさんに早速お世話になったのでした。電子辞書片手に英語とジェスチャーで問題解決!
とまぁザ・海外あるある!的な出来事で幕開けしたパリ生活でしたが、今振り返っても住むところにあ本当に恵まれたなと思います。初めて扉を開けて部屋を見たときのあのワクワク感!!学校で新しく気の合う友達が出来て嬉しかった日、言葉がうまく出てこずイライラした日、店員さんと簡単なやりとりをし買い物ができて達成感だらけだった日、孤独を感じておいおい泣いた日、好きな人ができたかもしれないと予感した日、変なOssanに追いかけられて走って逃げ帰った日、何もせずパジャマでぼーっと一日過ごした日。どんな日もわたしを暖かく迎え入れてくれ、安全に包み込んでくれたこのアパルトマンが大好きでした。出会いとは、人とのことだけをいうんじゃないんだなーって今更ながら思うのでした。
P.S. あと、セントラルヒーティングっていいですよね。エアコンとかファンヒーターとかじゃなくて、部屋全体を暖めるタイプのあの暖房。どうしてもっと日本も一般家庭にあの方式取り入れないんだろうーーー?
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