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DJ論(サウンドチェック編)

僕は本当に素晴らしい他の人のDJを体験すると帰りたくなります。
今の自分ではこんなプレイができない、悔しいと思ってしまい帰って練習しようって思ってしまいます。
3回ありました。
一度目は大阪に10年前に存在した大箱オンジェムでのbanvox、全ての曲がDJセットの中でストーリーのようにつながっていて本当に素晴らしかった。
二度目はサーカス大阪のカオル•イノウエさん、サーカスってこんな音でるの?って音になっていていつまで聴いていても心地よく、あんな音はあれ以来サーカス大阪では一度も体験していません。
三度目はケンイシイさん、場所は忘れてしまいましたがその時はとりわけよかった。
自分にできないプレイを体験したらどうやったら自分ができるようになれるのかを逆算して考えます。
DJ論として
基本は「音」と「曲」
です。
「ミックス」はその次

まず基本として「音」で踊る人と「曲」で踊る人に別れるとおもいます。
「音」で踊る人はよりミニマルなジャンルでベースの音なんかを感じて踊ります。
「曲」で踊る人にとってはメロディーやストーリーがより大切だからベース音が聴こえていても感じていない人すらいます。「曲」で踊る人にとっては踊るために必ずしもそれが必要ではないのです。

まず「音」
音をどうだすか?
DJが音を出すための勝負はサウンドチェックからすでに始まっています。
まず、あらかじめ自分のジャンルに対応したサウンドチェック用の曲を数曲選んで持っておく必要があります。
音色的にバラエティーに富んだサウンドを持ち、しかも各パートの定位がしっかりされている曲、
パンで右から左のように効果が付いている曲ならなお良い。
そしてその曲でサウンドチェックをする訳ですが、そう簡単にはいきません。
サウンドチェックはなかなかできないのです。
サウンドチェックの大切さをわかってくれているクラブ側の人や主催者、DJがほとんどおらずサウンドチェックが全く重要視されていない現状があるからです。
単にUSBに曲が入っているのか?音がスピーカーから出るのかだけをチェックしている人が大半って状況なのです。
だからパーティー前にサウンドチェックの時間がほとんどなかったりする事もよくあります。
僕は当日がどうしても無理で前日にお願いしてやったこともありますが、セッティングも変わってしまうので極力当日やりたいものです。
また出演者が多かったり、有名な海外アーティストが同じステージだとそちらに多くの時間がとられてしまい全くできない、なんてこともザラです。だから最低1時間前に現場に行きサウンドチェックのタイミングを待つようにしています。
勝負はそこから始まっています。
そんな困難を乗り越えてやっとブースが空きサウンドチェックの番がまわってきたら、まず何をすべきか?
まず可能ならPAさんと話をします。
挨拶を丁寧にして(最重要)、自分はどんなDJでどんな音が好きか、どんな音を出して欲しいのか、普段のクラブはどんなサウンドか、コミュニケーションを極力して、(可能なら)PAさんに一緒にその日の音作りをしてもらいます。
まずボリュームをレベルメーターのどこまで出していいのか確認、時間帯によっても変えて欲しいなどクラブ側から要望がある事も多いのでそこもコミュニケーションします。
そして機材の状態をチェック。全てのボタン、ノブが適切に機能しているか?を確認。
そして遂に音をだします。
音を出してまずフロアに行き、選んだサウンドチェック用の数曲の音がどう鳴っているか?音色毎にチェック、またクラブのスピーカーや音響の特徴を把握します。
この時クラブはお客さんがいない状態なのでお客さんが満員に入った場合とはかなり違う環境であるとゆう認識を持っておくことはすごく大切です。
そして感じたクラブが持っていてPAさんが出している素の音を確認できたとして、その音をどう自分の出したい理想の音に近づけるか?とゆう課題になります。
まず全てのトリムが12時で理想の音であるようにPAさんと話合い音作りができればそれで完了です。
ただ自分のイベントでなければなかなかそうもいきません。ですから出来るだけPAさんにお願いしつつもフロアの音を覚えておいて、曲毎に微調整をするのです。
では微調整はどうするのか?
そのためにモニタースピーカーがあります。
多くの場合モニタースピーカーのボリュームを大きくしすぎたり、小さくしすぎているDJの人がたくさんいます(9割)
サウンドチェックでやるべきもう一つの大切なこと、フロアで体感した音とブースでのモニタースピーカーからの音を極力同じにする。
僕は何回もフロアとブースを往復してモニタースピーカーのボリュームを調整しボリュームがほぼ同じになるようにします。そしてその時のミキサーのモニタースピーカーのボリュームノブの位置が何時の場所にあるのか覚えておきます。(写メとる)
なぜなら自分の番までに皆んながモニタースピーカーのボリュームを変えているから、自分の出番ではまずモニターボリュームを調整するのです。
これでフロアでどんな音が鳴っているかDJブースで感じとれます。
理想はフロアとDJブースのスピーカーが同じメーカーで同じクオリティのものであるべきなので、モニタースピーカーが良いものを置いてくれてあるだけでクラブの意識がわかります。
ただ貧弱なモニターでもできるだけのことはやりたいので、可能なら位置を調整したりもします。
ここまで出来ればその日の勝負はほとんど勝ったようなものです。

PAさんや主催者、共演者のみんなに挨拶してサウンドチェックを終わりましょう。

長くなりすぎたので続きはまた次回。
ただ長くなりすぎるくらいサウンドチェックこそが大切なのです。
素晴らしい曲をどれだけ最高の状態でお客さんに届けるか。それこそがDJの役割です。

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