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DJ松永、シーンに迷惑かけないでくれ【日本にHIPHOPは根付かないのか?】
こんちわ
くまです🐻
こんなタイトルだけど、僕はCreepy Nuts好きだよ。
賛否はあれど、いま日本のお茶の間で「HipHopの人」として一番有名なのはR-指定とDJ松永だと思うし、
これまでちょっとヤンキーちっくな、不良でアングラなイメージが付きまとっていたHipHopカルチャーを、ここまでポップに大衆に受け入れさせたのは間違いなくこの2人の功績だと思う。
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ただ、影響力がデカいからこそ発言の一つ一つに注目されてしまうのは仕方がないわけで。
自分の言動にヤイヤイ言われるのってすごくストレスになると思う。
できれば触れないであげた方がいいんだろうなとも思う。
ただね、今回の早稲田祭での炎上に関しては流石にさ。
松永さん、もう色々言わない方がいいよ。マジで。
そんなに背負い込まなくていいからホントに。
君たちが積み上げてきて、ここまで大きくしてくれたHipHopシーンを自ら貶めるようなことをしないでくれよ。
何があったの?って人向けに
コトの発端は先日の早稲田祭。
早稲田大学では2000年代初頭に、「スーパーフリー」っていうイベントサークルが組織的に輪姦・強姦を行っていたことが発覚して、この事件は当時かなり大きな話題となった。
事件が話題になってから約20年。
今年の早稲田の学祭で、DJ松永がこのスーパーフリーをネタにして、現在炎上中ってわけ。
僕は現場にいなかったから詳しくはわからないんだけど、
まあ前からスーフリをネタにしてた人だし、そういうこと言うのは全然想像つくなあって感じではある。
「ネタにしちゃダメ」だし、やり方もダメ
そもそもネタにしていい事件なんてものがあるのかどうかも微妙だけどさ。
例えばお笑い芸人が、日大タックル事件をネタにしたとしても、こんな風に問題にはならないと思うんだよね。
(それこそ当時、いろんな芸人が漫才中にネタにしてた記憶もある)
だけどこれは
・被害自体が怪我で済んだし、
・芸人は「笑いをとる仕事」だし、
・ネタとして表現されている中で、「良くない事が起きたという注意喚起が前提になっている」
からだと思うのよ。
それと比べると今回のDJ松永の発言は
・精神的なものも含め、被害の深さが違うし
・松永はDJで、アーティストで、「音楽活動が仕事」だし
・何より松永自身が問題のヤバさをあんま分かってなさそう(な印象を受ける)
っていう要素で、二重にも三重にもダメなポイントを重ねちゃってるのよ。
でね、これまでも松永はスーパーフリーをネタにしてたけど、それは単に
「問題になるほどCreepy Nutsが売れてなかった」
ってだけなのよ。
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中学生が友達と2人で、
「こないだこんなエロい事あってさー」「やば!スーパーフリーじゃんw」
みたいにキャッキャしてる時のような内輪ノリをさ、
オリンピック開会式のステージに立つほど注目されている人が、
多くの人が集まる学祭で、
いい歳こいてやったらさ、
そりゃダメだよ。全部アウト。
今回の炎上は、前回の涙とはワケが違う
まあとかく色々言われがちですよ現代は。
これまで平気で使っていた言葉がコンプラでアウトになるのは日常茶飯事だし、配慮のために価値観をアップデートしていくのは大変だと思う。
MCバトルといういわば「即興のショー」の現場で出てきた言葉や、
楽曲のリリックという「創作活動」で出てきた表現が、
ミソジニーだって言われることに苛立ちを覚えるのも無理はないよ。
実際、僕だってこれに関してはしゃらくせえなって思うし。
だってプロレス見て「暴力はいけない!」とか言う?
流石にそんな訳ないでしょ?あれはショーなんだし。
曲中のリリックで使われる言葉に拒否反応示すなら、犯罪描写やモラルに反する表現がある芸術作品、全部無くす?
悪影響があるっていうなら年齢で規制するとかのゾーニングをきっちりやったり、注意喚起のエクスキューズをつければいいでしょ。
って思うくま。
前回の涙はこういうスタンスが伝わらなくて悔しいって気持ちから出たものじゃなかったの?
立場と場所、内容を吟味しないで、ただ悪ノリの延長で無配慮なことを好きなだけ言っていいっていう姿勢だったなら、
HipHopがどうこうとか言わないで欲しい。
「冴えないヤツ」売りをしたことの弊害
と、厳しいことを言ってはみたものの、きっとこれって単純にDJ松永の良くない部分が出過ぎた結果だと思うのよ。
DJ松永にせよR-指定にせよ、一見「ふつーの男子」が、これだけカマせるってギャップが良かったし、夢もあったし、そこが人気の理由の一つだった思う。
冴えない男子が、これまでクラスの中心って感じでは無かった人が
そのポジションと規模感のまま喋ってるうちは問題じゃなかったのかもしれない。
なんなら多少のブラックジョークは「また松永がなんか言ってるよ 笑」
くらいで流しても問題なかったんだろう。
でも今やCreepy Nutsの2人はスターで、国内でも数少ない
「HipHop/ラップで大衆に受け入れられたアーティスト」
になっている。
しかも本人たちもそのシーンで売れることを指標に活動をしている印象も受ける。
今年とか紅白出るんじゃないかとか言われてたし、その可能性も全然あるでしょ。
そうなってくると自ずと発言や振る舞いにより一層の配慮と注意が必要になるよね。仕方ないよそれは。
「めちゃくちゃ陽キャで目立つってわけじゃないし、こんくらい言っても大丈夫っしょ、冗談だってわかるだろうし」
みたいなスタンスでいるうちに、
自分の立っているステージが遥か高いところにまで登っていることに、気付けていなかったのかなあ、なんて。
HipHopカルチャーはダークな表現だけではないし、そういう表現にも意味がある。
酒、クスリ、金…
みたいな表現が表に見えやすいHipHopだけど、
別にそれだけじゃなくて日常的な悩みや普遍的に皆が抱える不安にも寄り添えるのがHipHopだと思う。
純粋に音楽として楽しんでいる人たちもいるし、オタクだったり冴えない部分を持ちつつもラップしてるのはCreepy Nutsだけじゃない。
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仲よさそうだし、楽しそうよね
それにダークな部分に関しても、それは実体験や自分の置かれた厳しい現実を歌詞として表現しているパターンも多い。
元々がブラックカルチャーかつ、差別や抑圧などに対するカウンターカルチャーの色があるからこそ、
そのリアルを表現する中で犯罪体験やクスリの話。
またそこから成り上がって、キツかった状況を打破する中で、ステイタスとして金の話が出たりするのは何も悪いことじゃない。
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過去の実体験などが曲中で語られています。
むしろ、そういう内容に拒否反応を示しちゃうと、単に社会的な分断を加速させるだけだと思うよ。
めちゃくちゃ極端な話、それも夢物語をしちゃえば、
Creepy NutsでHipHopカルチャーに興味を持ってくれた人とかが、他のラッパーをDigっているうちに
「あ、なんか誤解してたわ」
なんて思ってくれて、世の中がより良くなってくれたら嬉しいなと思う。
だからこそ今回のDJ松永の言動で
DJ松永がスーパーフリーネタにしたらしくてやっぱHIPHOPの人ってそういう系の人しかいないのってなる
— じロう (@natuyonoyume) November 6, 2022
こういう意見とか、「やっぱHipHopってダメだわ」みたいになっちゃうと悲しいなって。
えらそーに語ってみました。そんだけ。