ラップスタア誕生は「M-1グランプリ」になって欲しくない
こんちわ
くまです🐻
ついに今日、応募を締め切った今年の「ラップスタア誕生」だけど、
みんなどう?いいの作れた?
今回もなかなか豪華なビートが揃っているので、誰のビートを使うか悩んじゃってる人もいるんじゃないかなーと。応募した人はひとまずお疲れ様です。
で、まあタイトルの通りなんだけど
「ラップスタア誕生」という番組は、お笑いにおける「M-1グランプリ」みたいになって欲しくない。
んですよね。
もっと言っちゃえば
既にファイナリストまで登ったことがあるラッパーは、エントリーすらしないで欲しい
んですよ
なんでそう思ったか
きっかけはItaqくんのこのツイート
目指すな、やめてくれよオイ
2020年のシーズン4ではファイナリストまで勝ち進んだItaqくん。
当時の審査員からは厳し目のフィードバックだったり、惜しいところもあったんだけど、シンプルなラップの上手さと曲作りのセンスとかは抜群だったと思う。
その後も精力的に活動していて、音源制作はもちろんインタビュー記事がでていたり、「オタク IN THE HOOD」に出演したりと活躍中。すばらしい。
ラップスタアを通していろんな人と繋がりもできただろうし、
まだまだこれからとはいえ順調にステップアップしているように見える。
そんな彼が、今年もラップスタアに応募する理由ってなんなんだろう。
Itaqくんから感じるM-1み
多分なんだけど彼は「ラップスタアで優勝した」っていう実績がとにかく欲しいのかなって。
それで自分のキャリアが大きく変わることを期待しているのか、それともただ単に自分の人生の履歴書に「ラップスタア シーズンxx優勝!」って書きたい的な、
称号が欲しいのか。
まあ真意は良くわからない。
で、ここで比較として出したいのが漫才No1を決める大会である、
「M-1グランプリ」なんだよね。
年末のお笑い番組の「M-1グランプリ」では、毎年たくさんの芸人さんがエントリーして盛り上げる。
新進気鋭のダークホースが出てきたり、下積みの長かったコンビがようやく決勝の舞台に上がれたり、何度もファイナリストに選ばれる優勝候補だったり
これについては結構理解できるんだ。
リアルタイムで放送される番組だし、何よりもM-1優勝したってだけでいろんなテレビ番組に呼ばれて、一躍スターになれるから。
一晩で人生が変わるくらい、「M-1王者」という肩書はデカい。
準優勝やただのファイナリストとは違う、格別な待遇が待っている。
だからこそ優勝を目指して何度も挑むんだよね。これはわかる。
じゃあ、M-1と比べてラップスタア誕生はどうだろうか。
ぼくが思うに、
全くの無名ならともかく、既にある程度名前が売れてる人にとってはそこまでの待遇が待っているとは思えないんだよね。
なんでかって言うと、漫才No.1を決めるM-1と違ってラップスタア誕生は
「無名の天才をフックアップする」という目的の方が強いんじゃないかなって思うんだよね。
例えばシーズン1ファイナリストのTohjiくんは、優勝こそ逃したものの日本のHipHopを聴く人ならば、もう誰もが知るスターになってる。
Fuji Taitoくんは昨シーズンで惜しくも敗れ、優勝の座を掴んだのはeydenくんだった。
それでも番組を通して生まれたTaitoくんの「Crayon」は、カルチャーの枠を飛び越えてみんなに聴かれて、大ヒットを記録した。
もちろん、注目された状態で曲を出すことにはプレッシャーがあったと思うけど、2人ともそれを跳ね除けるクオリティを提示し続けてきたからここまで来たはず。
これは元々持っていた彼らの才能が、番組を通して日本中に知られたからだと思うんだよね。
言わば番組自体は「滑走路」であって、優勝することだけが目的の企画じゃないと思うし、そうであって欲しいと願いたい。
そういう目線で企画を見ている側からすると、Itaqくんのスタンスはちょっと疑問というか、
M-1優勝を目指す中堅芸人、みたいに見える。
既に名が売れてる人はエントリーしないでほしい
ぶっちゃけた話、
もし今回のシーズンでTohjiくんやFuji Taitoくんがエントリーして、優勝したとしても、彼らを取り巻く環境は別に変わらないんじゃないかなと思うんだよね。
これはItaqくんにも言えることだと思う。
既にある程度注目されてるし、新曲を出せば聴いてくれるファンも一定数獲得しているはず。
そんな環境の人がわざわざ、他の無名なラッパーを差し置いて王者の椅子に座ることを目指すのは、厳しく言うと「野暮」なんじゃないかなーって。
もっと言っちゃうと、順調にキャリアを積んでいる(ように見える)Itaqくんが、これからもっともっとビッグになって、その状態でラップスタアに応募したとする。
そのときに、
「こんなビッグネームを落とすわけにはいかない」
「何度も挑戦しているし、獲らせてあげたい」
みたいな感情が審査に影響してくるとすれば、
企画として本末転倒じゃない?って思うし、本人のためにもならないと思う。
あくまで「新しいスターを見つける場」であってほしい
「hip-hopは常に新しいものであってほしい」
みたいなことを前にインタビューでZeebraさんが言ってたんだけど、これは完全に同意で。
音楽性にせよ、それを担うラッパーにせよ、
新しいものがどんどん生まれるような、新陳代謝が良い文化であって欲しいなと思うんだよね。
もちろん既にスターになった人へのリスペクトは大事だけど、それは音源やライブといった「活動」で提示していくものだと思うし、
ラップスタアという企画は本当に素晴らしいコンテンツだと思うので、
だからこそ優勝することでスターになれるM-1路線より、
審査を通過することだけで名前が売れるようなものになって欲しいなあと思う。
まとめ
Itaqくんを引き合いに色々言ってしまったけど、あくまでくまの一意見でしかないです!!
嫌な気持ちになったらごめんね。
企画の捉え方の問題だと思うし、
例えばItaqくんがエントリーすることで無名のラッパーに対して
「俺以上のラップができないならラップスタアはまだ早いわ」
的なポジションを提示するならそれもアリなのかもなーともちょっとは思うし。
(本人にその意図があるのかはわからないけどね)
とは言えやっぱり個人的には、ファイナリストまで一度でも進んだんだったらもうラップスタアじゃない活動を頑張って欲しいなというのが本音です。
なんて、偉そうにつらつら書いてみました。そんだけ。
追記
記事で取り上げたItaqくんからお返事頂けたので、追記するくま🐻
このあともやり取りさせてもらって感じたんだけど、
たぶんItaqくんメチャクチャ真面目なんだよね。
ラップスタアという一大コンテンツが開催されてるのに、せっかくいろんなビートに乗ってverseを kickするチャンスがあるのに、自分が何もせずにはいられないというか。
自分が応募しなくてもSNSでは情報が流れてくるし、ステージを勝ち進むライバルの様子も目に入るし、僕みたいにヤイヤイ言うやつもいるし…
無視しようにも無視できないから、メンタルにダメージ入っちゃうし、そんな思いをするくらいなら応募した方がいい!ってことなんだと思う。
Itaqくん、お返事ありがとうございました🐻