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YouTube(世界初のスタジアムライブでの登場と曲(は一瞬))
アルバム「PLEASE PLEASE ME」のラストナンバー。
この曲については何から語ればよいのだろう。
カバーではあるがビートルズにとってとても重要な曲である。
まずはカバーとは思えないビートルズ色の強さ。
のちにリードボーカルをとったジョンは「ただ叫んでるだけ」と語っているが、まさにこの叫びこそがロック時代の幕開けだったのではないだろうか。
朝の10時に始まり、夜の10時を過ぎた長いレコーディングの締めとして選んだ曲で、風邪をひいていたジョンの喉はすでに限界を迎えていた。
ジョンはのど飴をなめ、牛乳で喉を潤し、気合いと入れるために上半身裸になって歌ったと言われている。(風邪ひいてるのに😆)
そして渾身のシャウト!
この曲は2テイク録音されたのだが、2回目は声がつぶれてしまいボツ。発表されているものは1回目のテイク、つまり一発録りというやつである。
冒頭でカバーと思えないビートルズ色の強さと言ったのは曲のアレンジの影響かもしれない。
前半からシャウトとコーラス、そしてスネアとタム中心のドラムで激しく押しまくる。
間奏に入ると一転して、ギターとシンバル中心のドラムという構成で静謐な雰囲気を作られ、間奏の後半にジョン、ジョージ、ポールの3人が声を重ねていき、シャウトに戻っていく。
エンディングはオリジナルと大きく違っている。
ジョンが「well,shake it,shake it,shake it,baby,now」(シェイクイットがチェキと聴こえる)の激しいシャウトを繰り返し、Ah~のコーラスを3人が重ねていき、最後の最後でコードを半音づつ上げながら、ビートルズが好きな9thのコードで締めている。
そしてすべての音が消える間際に「カポッ」という声が聴こえるように思うのだがいかがだろうか?
シャウトしきったジョンのどこかから空気が漏れたのではないかと想像している。
この曲はライブの定番でもあり、主にオープニングで使われることが多かった。
また毎年ロイヤルバラエティーパフォーマンスという英国王室主催のチャリティーショーが開催されている。そこではエリザベス女王を始めとした上流階級の人と一般の人が一緒にショーを観ることができ、そこに出演したビートルズはこの曲を歌った。
その際のジョンのMCは有名である。
「次の曲はみんなにヘルプしてほしい。安い席の人たちは手拍子を!他の人達は宝石をジャラジャラならして!」と言っておどけてみせた!
この発言としぐさでみせた反抗心とウイットをイギリス中が気に入ってしまい、一気にビートルズの人気を決定的にしたのではないだろうか。
デビューアルバムのラストを飾るには相応しいナンバーで、歌、コーラス、演奏とビートルズの魅力満載の曲の構成になっている。
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