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生布施明レポート 2022.11.20@中野サンプラザ(2022.12.1 一部更新)

 今月2回目の、そして(私にとって)年内最後の布施さんレポート。

 そして今回は中野サンプラザ取り壊し前最後の布施さん公演ということで、布施さんもこの会場にまつわるお話をちらっとされていました。公演は、笑いあり(二大ハプニング含む。詳細は後述)、感動ありの、素晴らしいものでした。なお今回は、友人も連れての鑑賞でした。(サイリウムに手拍子も一緒にありがとう~!)

 私自身はなぜか公演当日にパソコン画面が壊れるアクシデント…。(公演前になんとか修理に出せました。)このためこのレポは別媒体より執筆しています。読みづらいところなどありましたらご了承ください。(ご指摘等ご遠慮なくコメントにていただければ幸いです。)

画面左下、不注意で何かを挟み込んでしまったためか、時間などが見えない。
なお壁紙は若かりし頃の布施さん(この写真、大大大好き)

余談はこのくらいにしまして、以下、セトリなど情報をまとめます。
※この行以降、ネタバレを多大に含みます。今後の公演で初めて鑑賞される方、ネタバレがお嫌な方は、回れ右でお願いいたします。




(ネタバレを避ける間)



会場:中野サンプラザ

 いつもサンプラザ中野と書きそうになってしまう。中野駅からすぐの好立地。ホールのキャパは2,222席とのこと。今回は1階の中央よりやや前、向かってやや右側から鑑賞。

 布施さんの表情もしっかり見えつつ、小堀さんがよく見える。照明も俯瞰的に見れて、よい位置でした。(見え方写真撮ればよかったぁ~!)

 なお、老朽化のため2023年に営業が終了、2024年から解体の予定との事です。跡地には別のビルを建設予定だとか。

流れ・セトリと所感

 ※曲名を太字で表します。「」は布施さんのセリフ、()は私の心の声が多いです。(正確に書き分けきれていないですが、ご了承ください。)
 
 緞帳上がってもしばらく暗闇。徐々にバックの照明が明るくなって布施さんのシルエットが。井川さんの合図でイントロの"ドンッ"という音。3回目というのにいまだにその音にビクッとなる。

勝手に想い出
 
ダンスがキレッキレ(当社比)。あれ、越谷や京都より若返ってる!?と思うほど。「微笑んで好きなように やればいいなんて言って」のところだったか、ちょっと手を払うみたいな仕草があって、なんだかそういうところにいちいちキュンとしてしまう…。

 衣装は黒ジャケット、黒ズボン(脇にラインあり)、赤チーフ。

昔日の情熱
 
小堀さんのギターが冴えわたってました!

 歌の方は、「昔日の情熱を」と歌うところの「せーきじつのぉーん、じょうねつをぉー」の「ん」の音が好き…。(我ながら細かすぎ。)

MC:
・コロナ3年目。中野サンプラザは来年取り壊しなので、最後の公演になる。
・昭和48年(1973年)にできたホール。自分としてはきつい時期だった。3年後(とおっしゃっていたが2年後(1975年)か?)にシクラメンのかほりというヒット曲が出たけれど。
・そして年内最後の東京公演でもある。
・「これも運命、これも幸せ」的なことをおっしゃっていた。
・ツアータイトルについてのお話。「薄れていくような情熱を迎えに行ってみたい」という言葉に熱いものを感じます。

 そしてMr. Bojanglesへ。これまでの公演同様、蝶ネクタイを締め、帽子を被り、眼鏡をかけてカバンと杖を持って準備万端、ギィーっとドアを開けて「ハロー!」の声(ドア音と「ハロー!」は録音音声)がして歌い出したところ…

 ここで今回の二大ハプニングその一: マイクを忘れていらした。

 
最初の歌い出しでマイクが入ってないぞ、と思ったら、帽子など小道具を置いたところにマイクを置いたままだった、というオチ。ご本人もつい「マイク忘れちゃった…」と仰って、取りにいかれていた。(歌い直しはせず、スッと入れるところから。)その後は至ってスムーズ、歌唱も素晴らしかったです。

 余談ですが、岡山であったというYOKOTAでのスタンドマイクプレイはなかったですが、この曲のダンスで杖は蹴り上げていらっしゃいました笑。

 一個表現で上手いなと思ったのは「(長年連れ添った犬が死んだと)泣きながら言っていた優しいあの人」を観客に背を向けて、泣きじゃくるのは肩の動きで表現されていたこと。泣いた表情をしながら歌うのは難しいと思うので、なるほど〜!と思いました。(たまたまかもですが。)

 あと「みんなの悲しみぬぐっているだろうか」のところだったか、拭う仕草で力が入ったか「くっ!ぬぐ~って~」となっていて、ついメモしてました。

MC:
・歌唱終わっての第一声: 「マイクを忘れるとは…何か忘れてると思った。一番忘れちゃいけないものを。井川さん、こないだピアノ忘れてたでしょ」
ここで井川さんを巻き込んで照れ隠しする布施さんが、また大変愛おしい。

・劇団の一座や、曲に出てきたような旅芸人の人に昔は駅などでよく会った。知り合いかどうかに関わらず会釈をするのが決まりごとのようだったけれど、あの時のあの方々はきっと自分より年上だろうと思うから、元気でいてくれたらなー、と思います。というお話。

・物議を醸す独白コーナー。毒(を)吐くコーナー?なぜ物議を醸すかというと、評価が二分しているから。
①いいわね~あのコーナー、という人
②もういいわね、あのコーナー、という人(も~も~言うのでウシ軍団、とも笑)
若いスタッフも「お笑いコーナーにしたらどうでしょう、さだまさしさんみたいに」というが、さだまさしさんもお笑いのつもりではやってない。

独白①:
 
想い出は時間がたつと苦しみが薄れて悲しみ色した懐かしさが残る。さらに時がたてば、悲しみ色も消えて、懐かしさだけが残るのだろうか。(という感じ。何回聴いても覚えきれない…。)

落ち葉が雪に
 
笛の音(アンデスという楽器による。詳細は前回参戦の京都レポもご参照ください。)が印象的。マイクを笛に見立てて、笛の音に合わせて指を動かす布施さん。指の動き、本当に笛で音が出る動きにしてたりするんだろうか。楽器については詳しくないので分からないですが、布施さんならピッコロもフルートも過去にされていたしやりかねないなと思いました。舞台の向かって右手側で主に歌われていました。ライトは最初緑色で、途中赤色に変化。

独白②:
 
太陽に背を向けると、影は自分の前にある。太陽に向かって見ると、影は自分の後ろに引っ込む。太陽の方を向いて、(悲しみで?)ひくひくする胸を抱きながら、大きく息を吸って、太陽に向かって、歩いてみようか。(という感じ。これもやっぱり細かいところの覚えが甘くてすみません。)

流離の彼方で
 
「僕が君を連れて行くからね(だったと思います)」のフレーズがグッとくる…。優しい表情、声に癒される一曲。

独白③:
 
寸劇的なもの。女性と街で偶然の再開をする設定。お茶でもどうかと誘うが、女性は急いでいるようで、軽く言葉を交わした後に立ち去ってしまう。男性は「当分ここにいるから!…当分、ここにいるから…」と繰り返す。

 重箱の隅で、「毎日パンを焼く毎日さ」とおっしゃってたのが重言でしたが、話し言葉あるある。

それが僕です
 
ご自分を指差して「それが僕です」のフレーズを歌う布施明に射抜かれ続ける曲。
 歌詞の「ホーッと息を吐きながら」のところを、「ほぉ~~っと息を」という感じで、ついクスリとしてしまいました。全部が一生懸命で大好き。
 あと「それが僕の仕事だからね…」のところ、双眼鏡で観てたのですがちょっと流し目な感じの、ふっとした表情がたまらなくステキ!でした。

MC:
・お笑いコーナーの方がよかったかな?
・でもあと3年で60周年なので、あと2回これで行けないかな、と思っている
・メドレーのコーナーについて
(このあたりで携帯の着信音が観客席から…。コンサートでは電源を切りましょう~。)
 これまでのCDとかレコードを見てみたら、結構な数歌っていた。忘れているような曲もある。「陽は沈み陽は昇る」とか…当たり前のことをいうなぁと(確かに…笑)。
・自分ではPOPS歌手のつもりだった。けれども平尾昌晃さんの影響で歌謡曲の方に。
・「平尾先生もポップスだったんですよ、こないだテレビで他のこと言ってましたけど。」(これはつまり、11月18日放送の「ヒット曲にかける作家たちの情熱【作詞作曲家・平尾昌晃と「霧の摩周湖」】」をご覧になったということか…?気になる…。)
・ボラーレをマイナー(キー)にすると摩周湖になる。(本当か?)
・とにかく俺はポップス(歌手)なんだけどなーと思っていた。
・で、今回出したPOPSというCDの話。4曲しか入ってない。自主発売。
「高いと思うかもですが…高いと思います。(思うんかい!)」
・横田基地の話。福生の街に行ったときは返還前の沖縄に行ったときより驚いたとのこと。ただ「アメリカあんな感じじゃないけど」、とも。(ついさすが住まわれてただけあるなと思ってしまいました…。)

 おそらくここで衣装のジャケットを変えていらっしゃいました。(違ったらすみません。)白いジャケットで、縁に黒のパイピングがあるジャケットでした。カッコイイ!
 そして布施さんのタイトルコールからYOKOTA AIR FORCE TOWN (CAN REALLY BRING YOU DOWN)。いやここの"CAN REALLY BRING YOU DOWN"の発音が良いのですよ…。これだけでチケット代を払った価値がある。歌唱はノリノリ、声は艶々。なんだか高音の声の出し方が前(越谷、京都)より滑らかでは…?

 続いてこれが青春だ。この曲は確か1966年初出なのでかれこれ56年…?ライブでまだこんなに明朗に歌われるとは、この歌も思ってはいなかったのではないだろうか。レコード音源とは、もちろん違う。でも青春してる!生き生きとした声。

 
小堀さんのギターでガラリと大人な雰囲気になり、雪がおどる。サビで雪が見えたような気がしたほど、引き込まれました。

霧の摩周湖は、最初の「あ〜あ〜…」をマイクなしで!これには会場からも大きな拍手。溜めがところどころすごくて、歌詞忘れかと思いきや溜めか~!となること数多。

カルチェラタンの雪も安定のひとりミュージカル。

は相変わらずのワンフレーズ。この曲は紫のライティングがよく似合う。

うりずんの風、回数を重ねるほどに、沁みます…。

シクラメンのかほり
は、今回も真綿色と薄紅色まで。ライティングが緑、紫、白の組み合わせで、綺麗でした。

 そして愛情物語を観ましたか。何度聴いても、こんなにある日のデートの顛末をこんなドラマティックにできるってすごいなぁと感じてしまう。「遠い遠い昔の 僕の愛情物語は 開演のベルの音と エンドマークだけ」
歌詞が私のお気に入り。フルではなく一番まで。

 ここで布施さんは袖へ。

 衣装替え中のインストゥルメンタルは愛情物語(To Love Again & Manhattan)。最初のピアノアレンジを井川さんが変えてるように感じました。(同じだったらすみません。)

 演奏の終わりとともに、お着替えされた布施さんが登場。黒ジャケットに濃い目の緑のチーフ。中に白のベストを着られていました。

 ここでメンバー紹介。服部さん(パーカッション)の紹介の時に楽器のことを言及しようとして「メラホン…じゃなくて何だっけ、あ、ビブラフォンとマリンバ!」みたいに仰っていて可愛かったです。

 井川さんの紹介の際には50年も一緒にやっていてよく生き延びました、とおっしゃっていました。いやほんと、50年一緒にできるってものすごいことですよね…。

 昔のヒット曲の一覧(?)を見ていた時に、東京キューバンボーイズの名前があり、その見砂(みさご)さんのお父さんと井川さんのお父さん(サックス奏者)が並んで写真に写っていた…というお話をされていました。で、井川さんのお父さんはものすごく怖かった、と。その息子(井川さん)がこの体たらく…と話されて会場に笑いが。

MC: 「いろんな出来事があって、大丈夫かな、この星は、この島は?と思います。2050年には平和な、お平な世の中になるという話があるけれど、あと28年…、んっふふ(不思議な笑み)。その時には井川さんは101歳、俺は…うるさいな人のことは放っておいてよ。」的なお話。不思議な笑みが可愛くてついメモ。

 さらに「皆さんは…うん、まぁ。100歳まで生きれば大したものです。え、違うの?」とおとぼけ。

 そこから「早めに旅立ってしまった友人へのレクイエム」と仰ってのWe Will Meet Again。なんだかこのあたりから声の出力がすごかった気がします。あと今回、気持ちの込め方が強かったのか、最後が"We will meet again…"と通常行くところ、"We will…, we will meet again"となってました。ホロリと来ました…。もしかしたらですが、「友人」とされている西城秀樹さんもかつて公演されていた中野サンプラザでの最後の公演だったので、思い入れも強かったのかもしれません。(調べたら、西城さんは2017年、亡くなる前年にも中野サンプラザで公演されていたようです。)

 
そして安定的に感動的な慟哭。「人それぞれだと 言い聞かせても」のところで胸に勢いよく手を当てられて、そのドンッという音がマイクにも入ったかこちらまで聞こえるくらい力強くて、衝撃でした。「儚くあなたを 運んでいく」の3回目では膝が床につくまで屈まれていて、いやすごい74歳だなと思いました。そして最後の「夢の世界へ」はマイクなし。久々に聴けて嬉しかったです。

 今回ツアーのセトリ、普通ならこのまま感動的な流れで終盤に行くはずが、ここでご本人より衝撃の報告。
 「いやびっくりした、頑張って動いたからサスペンダーが取れた。『時のな~が ”パチン!” (笑)』」(すみません、言葉は多少違ったかもです。)
 この言葉に会場は大爆笑。これが今回の二大ハプニングの二つ目でありました。まさか後半でこんなに笑うことになるとは。しばらく笑いで会場がざわついてました…!

MC: 
異常な気象だったり、疲れ果てた人の心があるけれど、日本人としての民度を持っていきたい。いいね、頑張ってるね、いいねーこの島、と言われるように。今日お越しいただいた皆さんへの応援歌として、歌います。(主にまほろばの国についてかと思われます。)

・雨どうだろう?止んでる?と袖のスタッフか誰かに聞くように話されてました。(残念ながら帰るときはまだまだ雨でした。笑)

・最後の中野サンプラザ、今年最後の東京公演。皆さんお運びいただきありがとうございました。(どこかで私の大好きな「心底より」と仰ってたのですがどこだったかな…。)

 拍手の中始まったまほろばの国。「草は踏まれて」のところの足フミフミいただきました~(ここ可愛くて好きなんです…)。非の打ち所なし。「六花の夜も超えて行こう」で冬寒そうなしぐさをされるんですが、これがまた可愛い。(可愛い何回目?4回目。)

 
そしてついて来るなら。イントロの雰囲気がCDやLP音源と違った感じで、一瞬「何の曲だっけ?」と思ったほど。こういうときほど耳がレコーダー、メガネがビデオカメラだったらなぁとつくづく思います。歌は大変良かったです…。(このあたりから語彙力消失。)私には布施さんが80年代の時の布施さんに見えました…!気持ちも声もやっぱり74歳のそれじゃない。間違いなく若かりし頃の布施さんの作った名曲です。これからもっと多くの方の耳に入っていくといいなぁ。

 My Way。イントロを聴くとそろそろ佳境か…と複雑な気持ちに。(布施さんの声は本当にいつまでも聴いていたいような気持になります。)私の沼落ちのきっかけとなった曲でもあるので、やはり何度聴いても大好きです。

 (そして間奏の際に初めてのスタオベを実施!いや~、緊張しました。後ろの方、ご迷惑だったらごめんなさい。)

 曲が終わり、袖に引いた布施さん。鳴りやまぬ拍手。少しして、ピンクのジャケットに着替えられた布施さんが再登場。タイはなしでした。

 そうしてJAZZバージョンのイントロから始まった君は薔薇より美しいは、会場もノリノリ。服部さんが手拍子を促してくれるので、とってもノリノリしやすい。ありがとう服部さん!確か間奏で水を飲まれて、井川さんに何か話かけていらっしゃいました。何を話されたのか、気になる~!
 にしても声の伸び、ツヤ、声量、どれをとっても最後から2曲目とは思えない…(毎回ですが)。調整を最後の数曲に合わせてされているのだろうか、と思ったりします。

 そしてラストのTime To Say Goodbye。なんだか神々しすぎてもはやよく覚えていないですが、最後の「イヨコンテ」まで隙が無かった。

 これぞプロフェッショナルだなぁと感じるそんな1時間45分の公演でした。終わった直後は「良かった…」しか言えない…。これが布施明。

まとめ

 今回のツアーでは一番全体的な完成度が高かったと思われます。回数を重ねて、バンドの方、布施さんともにどんどん進化している感じが素晴らしい。

 一方ハプニング(と公式様も認められております(笑))展開もあって、絶対忘れることができない公演になったと思います。

 中野サンプラザの後に入るビルの完成予定は、2028年とのこと。そこにコンサートホールがまた入るのかは分かりません。が、私としてはなんとなく、またこの場所で、新しいホールで、布施さんがまた歌ってくれるんじゃないだろうか、そんな風に思っています。

後日談〜友人によるレポ〜

 なんと!一緒に行った友人が!レポを書いてくれました〜〜〜!(歓喜)視点がまた異なりとても新鮮でした!ぜひこちらもお読みいただけたら嬉しいです。

 私としては、「まほろばの国」について、『「威風堂々」を聴いたときと同じ印象』だったというくだりを読んで、布施さんの想いが、バッチリ伝わっていたんだなぁと感じており大変にアツいです…!(前回ツアー「祭りのあとの歌ものがたり」のMCで、アメリカならGod Save America、イギリスなら威風堂々のような、その国の人が慣れ親しんでいる歌、そんな歌を作りたいと思って藤野浩一さんと作られたのが、「まほろばの国」だ、とおっしゃっていたのでした。)

 あと友人のレポに書いておりますが、実は出待ちをひっそりさせて頂いたのでした。車に乗って颯爽と去っていった布施さん、カッコよかった…。
(周囲の方の通行の迷惑にならないように最大限の注意をいたしました。)

 他の人のレポによって、あの日の感動がまたよみがえりました。ありがとう友よ〜! 

 












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