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生布施明レポート 2022.11.4@ロームシアター京都

 お待たせしました。1ヶ月ぶりの布施さんコンサートレポートです。(誰も待ってなかったらすみません笑)

 今回は、人生2度目の遠征。場所は京都ロームシアター!もちろん初めての訪問です。今回はお天気にも恵まれ、ファン仲間の方ともたくさんお会いできて、最高の1日でした!

開演前にポスターの横で。顔がはしゃいでる笑
終演後に記念撮影。
※いずれの写真も撮影時のみマスクを外しています。

 写真を撮りあうのが、すごく楽しかったのです。仲間のいるありがたさをしみじみ感じました。

さて、以下、セトリなど情報をまとめます。
※この行以降、ネタバレを多大に含みます。今後の公演で初めて鑑賞される方、ネタバレがお嫌な方は、回れ右でお願いいたします。




(ネタバレを避ける間)



会場:ロームシアター京都

 会場のロームシアター京都は、近くに平安神宮や岡崎公園があり、すごく開放的な印象の施設でした。会場のメインホールのキャパは2,005席。布施さんのこのところのツアーでは平均的な客数でしょうか。

 余談ですが、こちらの会場のスタッフさんが首に巻いているスカーフが赤と紺ですごく素敵でした。そういう制服的なの、ちょっと好き…。あとスタッフさんが非常にテキパキと誘導などされていて、とっても好印象でした。さすが京都。接客に慣れている…!(すみません、勝手な印象です。)

流れ・セトリと所感

 ※曲名を太字で表します。
 
 真っ暗闇になってから、緞帳が上がり、目が慣れて中央に布施さんがいるのが分かる。布施さんが手を掲げて、何かタイミングを測られている間に、ステージ後ろの画面が明るくなっていく。その後もしばしの沈黙のあと、突如始まる勝手に想い出のイントロ。瞬時に夢の世界に飛ばされる感じ。

 服は黒いジャケットに、グレーっぽいスカーフを首に掛けられていました(確か越谷ではなかった)。チーフは赤。タイは片結び。

 勝手に想い出は、高音のところが本当に少しだけ出にくそうな印象でしたが、雰囲気たっぷりに歌いこなされてました。

 スカーフを取られて、昔日の情熱。しっとりとした曲調。

 曲終わってMC。
 コロナ3年目。京都は5年ぶりくらい。「前の公演の時は私も20代…」とボケて笑いを誘う。昔の情熱をなんとか取り戻したい、ということで今回のツアータイトルとのこと。ごゆっくりお楽しみください、の一言。

 Mr. Bojanglesのイントロとともに、舞台上の鏡を見ながら身支度。ここで片結びだったタイを蝶結びに。メガネをつけて帽子を被り、ステッキと鞄を持って、前に出てドアを開ける仕草。それとともに「ギィー」という扉の音。そしてひょうきんに「ハロー!」という布施さん。(かわいい…。ボージャングル布施さんは本当に癒し。)舞台の後ろはなんとなくニューヨークかどこか外国の街風のネオンをイメージした画面に。今回は歌詞も綺麗に揃い、犬が二度死ぬこともなく、しみじみジーンとくるボージャングルさんのお話でした。途中杖をクルッと回そうとしたところで、杖を床に落としてとぼける様子も。(たしか越谷では無かった。)

MC: 
昔、一座や旅芸人の方とはよく駅のホームなどで会った。知り合いでなくとも、そういった人たちと会うと、会釈を交わしたものだった。きっとそういう人たちは自分よりも年上で、今は80歳とかその辺だろうから、今はどうしてるのかな。などという思い出話。

 そして「物議を醸す」独白コーナー。評価は二分していて、「良いわね〜」という人と、「もういいわね」という人がいる、というお話。さだまさしさんみたいにお笑いのコーナーにしたら?という人もいる。「(このコーナーを)どうするか決める会議で渋茶を飲み干し…今日の独白コーナーです。」とおっしゃって始まる、相変わらずのコーナー。(結局ご自身がお好きなんだなぁ〜としみじみ。私は「良いわね〜」派です!)

独白1:
 思い出は時が経つと悲しみ(苦しみだったかも?)と懐かしさが残る。かなしみ色も残るけれども、いつか懐かしさだけになる時がくるだろうか。
(こんな感じだったと思いますが違ったらすみません。個人的にはこの「かなしみ色」という表現が好きで、だんだん画材や染色の色が抜けてくように、悲しみも薄れるだろうか、という感じなのかなと思いました。)

落ち葉が雪に
 バースありのバージョン。ジャケットのボタンを外す。途中、縦笛の音を表現している「ピロロー」という音が印象的で、変わった楽器で井川さんが演奏していらしたのですが、楽器の名前を忘れてしまった。ファン仲間の方曰く、どうやらアンデスという笛の音が出る鍵盤楽器らしい。

 
 初日での越谷のライブではここで「雪がおどる」だったのですが、岡山で曲順変更が入った後、そのままの様子。なぜ変更したかは、2つ理由が考えられるかなと考えていて、
①「雪がおどる」は男性が昔付き合った女性を思い出して歌う歌。一方「落ち葉が雪に」は出会い別れを繰り返す自分自身(多分男性)の自省的な歌。なので、独白にある「思い出」が指すのが後に来る曲に歌われていることと考えると、「雪がおどる」だと女性についてのことだし、「落ち葉が雪に」だと過去の自分についてになる。あくまで過去の自分自身の昔日の振り返りと捉えてほしくて変えた。
②単純に構成的、音的に、変えた方が歌いやすい。
のいずれか、または両方なのかな、と予測しています。真相やいかに。こういうこと、本当にいつかご本人にインタビューしたい…。

独白2: 
 太陽に背を向けると、影は自分の前にくる。太陽に向かって太陽を見ると、影は自分の後ろにくる。太陽に向かって進んでいこう。という内容。

流離の彼方で
 
こちらは、私は気づかなかったのですが、ファン仲間の方曰く、少し進行ミスがあったらしいです。珍しかったのはこの曲の終わりで咳払いを2,3回されていたこと。

独白3:
 パン屋で働いている男性が、女性と偶然再会するお話。
「今はここでパンを焼く毎日さ」「しばらくここにいるから…」と話すも女性は後に用があるのか去っていく。(途中まだ咳を1回して、やや喉が辛そうでした。空調かスモークの関係かと思います。)

それが僕です
 
越谷に引き続き、サビで「それが僕です」をご自身を指差して繰り返す時の表情の可愛さに心を射抜かれます…。
 「○それが○僕です(○は間を表す)」だったり、「それが○○僕です」だったり、「それが僕です(間なし)」だったり、間のあけ方がかなりバリエーションに富んでいたのは、もしかしたら喉の調子の調整もあったかもなと思います。

MC: 
 「(独白コーナーが)ダメだったなーお笑いの方がよかったか」なんて仰っていたように聞こえましたが、ダメではぜんぜんないのになぁなんて思うなどしました。
「八さん熊さんとかね、それかEight and Bearsなんて…」という話も越谷と同様されていました。
以下箇条書き。

・こんなに(長く歌手を)やるとは思わなかった。
・(過去の曲を聞いてったら)自分が知らない曲もあった。
・いやらしいタイトルもあった。「百発百中」とかね。
などと仰り会場は笑いに包まれる。

・こんなところにCDがあるけど、と言ってPOPSのCDを手に取る。

・平尾昌晃先生のせいで歌謡曲に行ったけど自分は元々ポップス歌手
・摩周湖はボラーレなんです。
・六本木に基地がある。
・京都にも基地がある。なにが崎だっけ?陸軍の…(調べたら経ヶ岬と思われます)
・横田基地の話。拝島だか福生にある
・行ったときには返還前の沖縄に行った時のような、もしくはその時以上のショッキングさがあった。
・メドレーはTOKORA AIR FORCE TOWN (CAN REALLY BRING YOU DOWN)から。これは基地の近くで育った女の子のお話。

YOKOTA AIR FORCE TOWN (CAN REALLY BRING YOU DOWN)
 
ジャケットを黒から白にお着替え。フルでパワフルに歌われていました。
岡山であったというスタンドマイクプレーはなし。記憶が正しければ手持ちマイクでした。

これが青春だ
 
歌の入りで「〜かな?」みたいなことを何か仰っていたのですが、聞き取れず…。独白コーナーらへんの喉の辛そうな感じはこの辺から微塵も見えなくなる。あ、喉替えたな、という感じ。(「喉替え」とは:途中辛そうなとこなどあっても途中から無双の声になること。発声の仕方を変えていると思われる。)

雪がおどる
 短めバージョン。未練な雪、雰囲気たっぷりで聴き惚れる。

霧の摩周湖
 最初の「あ〜あ〜…」はマイクなし!やや声量控えめでした。(声量的にはもっと出そうな気がするのですが、声出しすぎると、終わりで音を切る時の処理をきれいにするのが難しいのかも、と思いました。)

カルチェラタンの雪
 
短めバージョン。これまでの中では比較的感情抑えめだったような。それでも素晴らしいひとりミュージカル。


 
今回もワンフレーズ。丸っと1曲、「酔えばまた…」バージョンで聴くのが、今の私の夢のひとつ。

うりずんの風
 
今回も「母になって」はなかったので、あえて全部「今になって」でまとめてるんだろうなと推察。

シクラメンのかほり
 前奏で大きな拍手が。この曲を聴きたくて来ている方もやはり多いのかなと感じます。
 今回は、真綿色と薄紅色まで。感情がこもって安定した素晴らしいシクラメンでした。「疲れを知らない子どものように」で子どもの頭を撫でる仕草をするときの表情のなんと優しいことか。
 余談ですが、このフレーズ(「疲れを知らない子どものように 時が二人を追い越してゆく」)の時に息子のマックス君を思い出すこともあるのかなぁ…などと勝手に想像してしまいました。

愛情物語を観ましたか
 
「君はふくれていたね」のところの前にちょっとふくれた顔をしていたのが可愛くて可愛くて…。私は74歳男性にキュン死にするんでしょうか。(悪くない。)
著書「ひこうき雲」に気になっていた女の子と映画を観に行った話があったので、おそらくそれとリンクしている歌詞から、多分これも今回のテーマの「昔日」に入る曲なんだろうなと思った。(ひこうき雲を読み返すと、映画を観に行った話で出てくるのは「ブーべの恋人」でしたが。)

 ここで一旦布施さんは袖へ引きました。

 衣装替え中のインストゥルメンタル(愛情物語(To Love Again & Manhattan))も映画愛情物語から取っていて、流れが相変わらず素晴らしい。クラシックコンサートも一緒に聴けたような、そんな満足感。

 そして布施さん再登場。黒のジャケットにちょっと深めの緑のチーフでした。緑は珍しいような…。

 バンドメンバーをここでご紹介。パーカッションの服部恵さんを、「八面六臂」と仰っていました。確かにたくさんの楽器を演奏されるし、コーラスにも入るし、本当にすごいです。
 井川さんの紹介の時、「ずっと「いがわ」って言ってたけど「実は『いかわ』なんです」って言われた」とのことで。50年も経って言われても…
と仰ってましたが、本当にずっと間違えてたんでしょうか笑。

MC: 2050年には平和な、お平な世の中になるという話があるけれど、その時には井川さんは101歳、自分は…相当行っている。もうこの世にはいないかも…。(いやいやお元気でいてください。)

 彼岸に行った友へのレクイエム、という前振りからのWe Will Meet Again。「友人」は西城秀樹さんのことと仮定しての話にはなりますが、西城さんもポップスをNHKの「青春のポップス」などでよく歌われており、ポップスへの情熱を持っていたその友に、布施さんご自身のポップス歌手として情熱を持ってこの先も歌っていくよ、という決意を伝えているような、そんな優しくも力強い歌唱でした。これもまた、昔日への想いのひとつなのでしょう。

 そこから慟哭へ。この曲はなんとなく、私にとっては「死ぬこと」への恐怖を抱きながらも生きていく、そんな思いをいつも感じる曲なのですが、布施さんのこの先残りの歌手人生への想いから入れているのかなという印象です。最後の「夢の世界へ」はマイクありですが、それでも圧巻でした。

MC: 最後のコーナー。色々ある世の中だけれども、民度を持って生きていきたい。今日来ていただいた皆さんへの応援歌として、まほろばの国という曲を送ります。ありがとうございました。という感じでした。

まほろばの国
 
この曲は回数を重ねるごとに布施さんらしさが出てくるなぁと思います。(逆に布施さんしか歌えないとも言える。)
 日本に生まれて、日本で生きていてよかったなぁと思えるようになりたい。個人的には、布施さんが以前にアメリカ暮らしをしていたからこそ、説得力がより増すなぁと思います。

ついて来るなら
 確か出だしの前に「オゥオゥ♪」とすっごい笑顔で声を出されていて、心の中で鼻血出ました。
 元はスタッフの人について来てほしくて書いたというこの曲。アルバムではファンの皆さんについてきてくれたら、もっと頑張る的な意味で入れたとラジオでお話されていました。
 …いやついて行きます!必ず!と思わせる、熱唱でした。「ついて来るなら 俺のこの手を 離さないでおくれ」で右手を観客の方に伸ばしてくださるのですが、心の中でその手を強く掴みました。おそらく多くの観客の皆さんがそうだったに違いない。
 あと最後「オーイェー!」と言われていて、それが格好良くてですね…。その声が本っ当に若いの。いや74歳の声とやることじゃないよ!反則だよ!と思いました。

My Way
 私がこれまで観た中でも絶好調の部類だったと思います。この辺り、正直胸が感動で震えすぎてあんまり記憶にないです。改めてこの曲、やっぱり大好きだわ〜〜!と思った時間でした。
 ちなみに2番の「今思えば」のところが「いまー、おー↑もえばー」と「お」のところが上がっていて、これは割とドラマティックコンサートとかあたりでやってた音の上げ方では?と思ってめちゃくちゃ胸熱!でした。だから74歳のやることじゃないって。

 曲が終わって一旦袖に引いて、万雷の拍手の中戻ってきた布施さんは、ピンクのジャケットにお着替えされていました。そこからの君は薔薇より美しい。これも絶好調だったと思います。「変わった〜」の伸びること、このままずっと伸ばすつもりかな?と思うくらいでした。

 そしてめちゃくちゃレアだったのが、君薔薇の確かあと、水を飲まれてたこと。グラスに入ってた水を、グーっと飲んでいらっしゃいました。今までで私の中では初めてで、ちょっとびっくりしました。

 そして最後のTime To Say Goodbye。岡山では実は歌詞間違いがあったとの噂なのですが、この日は落ち着かれていて、声も素晴らしくて…。いつもながらこのまま終わってほしくないな〜、と思いながら聴いていました。でもこの曲の本来の意味は君と旅立とう、というニュアンスだそうなので、また次お会いできるその日まで頑張ろうとも思う曲なのです。

 最後の「イヨコンテ」の圧巻の声量を浴びて、幕が両脇から閉まり、夢の世界は終わりました。

まとめ

 中盤、少し咳をされるなど多少波があったものの、後半は正直非の打ち所がなかったです。「昔日の情熱」を取り戻そうとするその想い、確かに受け取りました。「よみがえれ」ってツアータイトルにありますが、十分蘇ってるのでは。
 次回は11月20日の中野サンプラザ公演。次回はどんなコンサートになるのか、今からすでに楽しみです…!

おまけ:偶然できたお見送り

 終演後、トイレの列に並び、布施さんの写真の映ったディスプレイの隣に並んで記念撮影をしたりして、さて、じゃあ会場を後にしますか…と歩いていたところ、何名か人が固まっておりました。話を聞くと、出待ちできるかもという噂。じゃあちょっと待ってみようか…なんて言っていたらタクシーが出てきて、なんと布施さんが乗っているではありませんか!幸いにも手を振ってお見送りが出来ました。マスクをされてはいましたが、とてもにこやかに手を振り返してくださいました!いつもは終演後、かなり早く会場を後にされると聞いていたので、出待ちは頭になかったのですが、幸運にもお見送りができて、本当に良い思い出になりました。タクシーに続いてバンに乗ったバンドメンバーの方もお見送りをして、ほくほくした気持ちで帰途につきました。公演を観にいく前に、平安神宮にお参りした御利益かもしれません。

 本当に忘れられない遠征になりました。布施さん、ありがとうございました!












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