感想記事:2021.11.26 宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星 布施明(後編)
「宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星」の後編。11月26日は布施さん宇都宮公演の日でもありましたが、だけど流石に場所が遠くて断念したので、これを楽しみに生きていました。
ここからは内容にネタバレを含みますので、これからご視聴の方は、お気をつけください。
前編のまとめは↓の記事からご覧ください。
オープニング
全編と同じ出立ち(当たり前?)。
ナレーションで「海のように豊かな声量」という説明があって、納得行くと同時に少し笑ってしまった。海だなぁ。確かに。
布施さんの音楽ルーツについて〜She
好きな歌手をひとりだけ挙げるとしたら…という宮本さんの質問にシャルル・アズナブールと答えた布施さん。
音楽に対して「正直」と形容されていたのと、所作が綺麗!と仰っていたのが印象的だった。
各国でアズナブールのコンサートに行ったそうだが、開かれる国ごとで訴え方が変わることを力説されていた。
アズナブールは2018年に94歳で他界されましたが、一度聴いてみたかったなぁ。
その後、昨年のジャズライブからのSheの歌唱映像。ジャズライブでメガネを必ずお着けになるのは、気分が上がるからかなぁ。
布施明の喜怒哀楽〜楽〜
「楽」としてあげられたのは「奇跡のデュエット」。55周年記念BOXにも収録された「恋のバカンス」「花と小父さん」についてのお話でした。
「恋のバカンス」はザ・ピーナッツの曲。元々布施さんはザ・ピーナッツの前座もされていたそうで、「恋のバカンス」も歌ったことはあるけれど音源には残っていなかったそう。
「花と小父さん」は植木等さんの曲。(調べたらいろんな方がカバーもされているようです。)
それぞれ、船山基紀さんがボーカルの音だけ抜き出し、その音に新たに音を重ねて作られたそう。
やってみてどうでしたか、という感想を尋ねられて、教えてもらうということがなくて悔しかった、と仰っていたのが印象的でした。実際に、それぞれご存命の時にデュエットが実現していたら、ものすごかっただろうなぁ。
あと、ザ・ピーナッツも植木さんもミスがない、今のように一度録ってから直せる環境との違いを語られていました。昔は録り直しが効かない分、準備をものすごく入念にされていたんでしょうね。
もし実際に今回の歌をザ・ピーナッツや植木さんが聴いたら、植木さんは「いい加減にしろよ、もっとここはこうしなきゃ」的なことをおっしゃるだろうし、ザ・ピーナッツは「ふふふ、笑っちゃうわね」みたいな風に言うだろうなぁ、と布施さんが仰っていたんですが、この時のザ・ピーナッツを真似するところが、ものすごく可愛かった(笑)よく観察してらしたんだな、と思いました。
スマホの一番星〜まほろばの国
ここで、ゲストのスマホの写真を覗かせてもらうというコーナー。
と聞いたところで、思ったこと。「布施さん、スマホ使うんだ!」(失礼)
スマホ、どの機種か分からなかったけど、ちゃんとスマホでした(重ね重ね失礼)。
出てきた写真は、ニューヨークの藤野浩一さんのご自宅で、藤野さんと談笑している時の写真でした。(誰かに撮ってもらったのかな。)
なんでもコロナが流行り出す直前にニューヨークへ行かれたそうで、その時に藤野さんと色々話す中で日本の応援歌を作りたいね、と言う話になり、できたのが「まほろばの国」だった、というお話。曲を作るのに1年かかったため、55周年のコンサートがコロナで遅れず予定通り行っていたら、逆に55周年でのお披露目や55周年記念BOXに入れることができなかったから、怪我の功名だったと仰っていました。確かに、ある意味そうではある。
まほろばの国は、あくまで「日本はいいとこですよ〜」くらいの軽い感じ、と仰っていました。
(宮本さんが「まほろば」は住み良いところ、理想郷と言う意味ですよね、と言ったところで「理想郷はオーバー」と仰っていました。)
その後、55周年ツアーの東京国際フォーラムのライブ映像で「まほろばの国」の映像。これはWOWOWでの放映ではカットされていたので、初めて見れて感動しました。やっぱりライブでの感情の込め方、歌い上げ方が素晴らしい…そして本当に、笑顔が溢れて歌うのが楽しいんだなというのが感じられて最高でした。もちろんCD音源も大好きですが。あと55周年の国際フォーラムは、スーツの着こなし、ヘアスタイルが私のイケオジ採点で100点満点です。
余談ですが、55周年ツアーのDVD化が決定したようなので、気になる方は要チェック。2022年1月26日(水)発売予定とのこと。
布施明の喜怒哀楽〜喜〜My Way
喜怒哀楽の「喜」として挙げられたのは「55周年を越えて」。
50周年で燃え尽きた感があったけど、と言う話もしつつ、こんなにやってるのか!とも仰っていました。
・勉強が足りなくて、育った家も別に音楽の才能がある家庭でもないけど、とにかく悔しがりでやってきた。
・浅学非才を隠すには新しいことをやり続けないといけない。
と語られていて、なんだか布施さんがおっしゃると、自分も頑張らねば!という気持ちになりました。とにかく前を向いていらっしゃる。見習わねばな…。
その流れから、若い時から歌い続けてきたMy Wayについての話に。
布施さんが歌うことになるまで、かなり紆余曲折があったらしいと言うことは前から聞いていましたが(NHK SONGSでは話すと1時間くらいかかる、と仰ってましたが、そこまで長くはなかった笑)、なんでも以下のようなことだったようです。
・元々はシャンソンの曲。クロードフランソワと言う人の曲で、内容は「女性の尻に敷かれる歌」
・それをフランスに行ったポールアンカが聴いて、メロディーを気に入り、権利をもらってアメリカに帰り、歌詞を変えて、もうすぐ引退する予定だったフランク・シナトラに歌ってもらったところヒット(フランク・シナトラの引退はそのヒットも影響してか後になった)
・日本で中島潤さんという方が訳詞を書いたのを布施さんが歌うことになった(愛すれど切なくという曲のB面として入れた)
・後になって、訳詞は中島潤さんではなく、片桐和子さんがされていたと分かった。(訳詞の原稿も出てきた)
・JASRACに、片桐和子さんの名前も入れて登録
・出だしの「今船出が近づくこの時に」は元々「今黄昏近づく人生に」だったが、布施さんが変えた。後々、片桐さんには「(元とは)違うわね、でもあれもいい」と言われたそう。
別のところでも語られている内容だったようですが、(下記、はるまきさんのブログを参照)私は初めて聞けたので良かったです。
その後50周年DVDからの映像でMy Way。やっぱり、何度聴いても、いい曲。そして紆余曲折あって歌い続けていることを知ってから聴くとまた感慨深い。これからも、声が続く限り、布施さんのMy Wayを歌い続けて欲しいなぁと思いました。
余談も余談ですが、50周年ライブの時はなぜか睫毛が可愛らしく見えるのは私だけでしょうか。
締め
最後の宮本さんの締めの一句。「逃げ水を 追い求めてる My Way」と詠まれた時に、「逃げ水」は元々武蔵野の由来の言葉なんだと布施さんが仰っていて、そうなんだ!と思いました。博識だなぁ。宮本さんは、特にそこは意図されていなかった模様。武蔵野の逃げ水、と調べると確かに色々出てきました。(↓はその中の一つ)
全体的な感想
前編でも書きましたが、終始リラックスした表情で語られていて、司会の宮本さん相田さんとの掛け合いも楽しそうで、見ていてとても楽しかったです。地上波でもぜひこういう番組があったらなぁ、と感じる良番組でした。
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