2022.4.9 生布施明レポート@千葉 森のホール
行って来ました、布施さんツアー千穐楽!
(え?また行ったの?なんて声が聞こえてきそうですが)
昨年9月から始まった「祭りのあとの歌ものがたり」ツアー。
神奈川→中野→名古屋→渋谷と参加したので今回は5回目。
(我ながらよく行ったな…)
先週4月2日から1週間の間を空けて実施された公演でしたが、今回もとても素晴らしかったです。
今回は前回より少し後ろ目の席で、落ち着いて観れたので、また前回と違った印象もありましたのでまとめていきます。(前回があまりに近すぎて、気が動転していたとも言う。)
会場
千葉県は松戸市にある森のホールの大ホールでした。周りに緑が多く、いい雰囲気。最大約2000人の収容人数のようですが、2階3階席の端の方の席には観客を入れていなかった模様です。
今回の席
1階9列の舞台向かって左寄り。近すぎず遠すぎずいい感じでした。
セトリと曲ごとの気づき
※曲名を太字で示しています。
私の感想も混ぜてて長いので、適宜お読み飛ばしをお願いします。
読みやすさは…あまり考慮できておりません。あらかじめお詫び申し上げます。
ブザーが鳴って、暗転。時間通り17:30開演。
いつものように印象的なドラムで演奏が始まる。濃いグレーのジャケット、グレーのベスト、赤に白水玉のスカーフという出立ちは、今回のツアー共通。
君は薔薇より美しいは、安定の歌唱。
「笑いながら 風を追いかけ」でちょっと小走りな布施さん。かわいい。
続けてちょっと悔しさなぜかうれしさ。レコード版と比べると『「さて 行くか」などと独言…』というところがお芝居の台詞のようで、素敵だなぁと感じる。この曲は1980年のGOMENというアルバムからの曲なのだが、収録から40年以上経つというのに歌えるという驚きを感じると共に、レコード版に比べて大人の魅力が増した感じで、ライブで聴けて大層嬉しかった。
そしてBecause of You。前の曲から打って変わって、高級バーに連れて行かれたような雰囲気。"Because of you"の"Because"を発音する時の低音が艶かしくてたまらない。ウィスキーでも飲みたくなる。
間奏ではダンスをされて…いや本当に、セクシーな74歳だわ…。
ここでMC。なかなかコロナが5波6波7波…と終わらないですが…というような前振りで始まり、この公演で本ツアーの千穐楽となる、というお話。
と、ここでなぜか、井川さんが譜面を落とし、それに気づいて井川さんをいじる布施さん。これは演出…ではなさそう。
愚痴は言わず、陽はまた上がることを信じて行こう、というようなお話をされてました。
皆さん一人一人の物語のその一行に差し込んでもらえれば…とも。
再会の季節&ノスタルヒアス組曲は、印象の違う2曲を交互に歌っていき作られる、不思議な世界観。再会して付き合って別れるまでを「再会の季節」で、その間の逢瀬の光景を「ノスタルヒアス」で表現している(と私は理解している)この曲は、布施さんが曲ごとに舞台上の位置を変え、ライトニングも切り替わったりして、なんだか一つの演劇を見ているような気分に。最後の「乾杯しようね」で乾杯のジェスチャーをして、そのグラスのお酒を飲んで、グラスをテーブルに置くそぶりまでが、細かくて大好きです。
ここでまたMC。昨年サントリーホールで歌った時の館内放送の話。「ブラボーなどというお声がけはご遠慮いただきますようお願い申し上げます」のちょっと高い声での声真似で、笑いが起きていた。今回のお客さんは、年齢層的には若い方はそれほどいなかったけれど、MCの時の反応がとても暖かかった。
そして日常と非日常の話。祭りの後、宵宮が終われば、明日には何事もなかったように日常を始める。それが日本人、というようなお話。
後から、きっとこの祭り(ツアー)が終わってもまた淡々と次に進んでいく布施さん自身のこともおっしゃってるんだろうなと感じました。
その後、「マスクはもうすぐしなくて良いんじゃないかという話になりつつあるけど、多分少なくとも今年いっぱいはマスク生活になるんじゃないか」などとお話されていました。(私もそう思う。)
布施さんもおっしゃっていたけど、マスクしてると「メーキャップ」しなくて済みますしね…(ちょっと英語っぽい発音だったのが、笑ったポイント…さすが布施さん。)
と、いつもならどんなコーナーか説明を入れてから入る独白に、前振りなく入った。
独白を挟みつつ、
落ち葉が雪に
Five O'clock Shadow
聞いてください
と続く。独白はおおむね、名古屋と同じだったと思います。気になる方は↓を。
独白コーナーが終わって、MC。独白コーナーの説明をここで。相変わらず「評判が良くない」って説明されますが、私は好きなんだけどなぁ…。でもご本人が何より楽しそうなので、それが一番。
この時2年くらい前に森のホールで公演されたとおっしゃってましたが、どの公演だろう…(「AKIRA FUSE LIVE 2019-2020
il Piccolo Paradiso~小さなパラダイス~」が2019年4月に予定されていたのは分かったのだけれど、コロナで中止はされなかったのか…?当時は全く布施さんノーマークだったので、情報求む。)
阿部健太郎、もとい千昌夫さんのメンタルクリニック通院話。ここも大筋は愛知と同じ。でも「いつからそう思うように…」のくだりの観客からの笑いが大きかったような。なかなかMCは全体的にウケが良かった印象です。
千昌夫が74歳で、同い年という話をされたときに、自分は64歳って言おうと思ったけどバレる嘘を言ってもなと思ってやめたそうですが、いや、バレないと思いますよ。と伝えたいけどどう伝えたらいいのか。
MCは続き、昭和43年の話。
三億円事件の話(いつも通り、高田純次が怪しい話)と、神田カルチェラタン(学生闘争)のお話。高田さんのお話の時は、話した後に「先輩(高田さん)には言わないようにお願いします」って仰ってたけれど、多分もう何かしらで伝わっている気がしてならない(笑)
学生闘争に参加する友人へのカンパを高田馬場に持って行ってそこで友人に渡した…という話を聞くたびに、馬場のどこで会ったのかなぁ…などという妄想がいつも始まります。(馬場らへんで育ったので)
そしてニコライ堂の鐘の音が鳴り(ちょっとMCがモゴモゴされていて…可愛かったです。)…愛の園。直前のMCで「(当時は)こんな歌歌っていていいのかなと思っていた」と語っていらっしゃいましたが…「ずっと歌って下すってありがとうございます!」と思うのが、ファン心。
そしてこの愛の園が、歳を重ねたからこその色気が足されて私は聴くたび溶けるのです。紫のライトニングにも、いつもうっとり。
その後は怒涛のヒット曲メドレー。
カルチェラタンの雪はしっとりと。
霧の摩周湖は冒頭の「あーあ〜」を半マイクで。
恋のサバイバルは観客のノリもよく、賑やかに。
君を守るは力強く。
恋はワンフレーズ。
愛は不死鳥は「ごらん不死鳥」のライトニングと歌、前を指差す布施さんの動きの融合が素晴らしい。(今回はここのところしていた「アゥーウーウー」というところはなかったです。)
シクラメンのかほりはしみじみ…。あ、薄紫色のシクラメンが今日は薄紅色に入れ替わっておりました。
布施さんが袖に下がって、TAKARAJIMA。
「74歳じゃない」「すごいよねー」の声が周りからチラホラと聴こえてきました。休憩時間ではないから私語は…と思いつつ、お褒めの言葉なので許してしまう自分。
TAKARAJIMAも毎回聴いていますが、ちょっとずつソロのところが違う気がするなぁ…と思いつつ、どこがどう違うかを説明できない歯痒さを感じる。
でも今回も、金子さんのピアノソロ、小堀さんのギターソロはじめ素晴らしかったです。この曲はなんだか前に進む勇気というか、希望をもらえる気がします。
曲が終わる頃に、布施さんがお召し替えして登場。ワインレッド色のジャケットに黒の蝶ネクタイ。
ここでメンバー紹介。井川さん、冒頭で楽譜を落としたことをまた布施さんにいじられる。そしてさらに安定の井川さんの紹介飛ばし。
藤橋さんの長い楽器は「自分で作るの?」などと仰ったり、お茶目。オーチャードよりお茶目度高めだった記憶。今回は藤橋さんのお名前ちゃんと出てきてました。千穐楽ですしね。
井川さんのお父様(有名なサクソフォン奏者)の話から、ツアーは最近札幌や福岡は日帰りしている話など。
今回のツアーにはいらっしゃらないバイオリンの篠崎さんがシクラメンのかほりを「疲れが取れない親父のように…」と新幹線で歌ってたという話をされてました。何回聞いても良い替えフレーズだな〜。
早くお平らになってほしい…と複数回おっしゃっていたので、本当にコロナやウクライナのことや昨今多い地震のことが気になられてるんだなぁ…と感じました。(あえて「平和」でないところが、私は好きです。)
そして「必ず、あんなこともあったねー!なんて言える時がくる。私が約束します」といったことを仰っていて。なんだか心強くなりました。
そこから祭りのあとの歌ものがたり。これだけツアーに参加してようやくメロディーを脳内再生できるようになりましたが、歌詞が本当に今回のツアー向けの勇気づけられる歌詞で、ジーンとしました。
その後の慟哭。「時の流れ 儚くあなたを 運んでゆく 夢の世界へと」のところが大好きなのですが、いつも「運んでゆく」のところで行うかがんで何かを運ぶようなジェスチャーで、最近は膝をついてなかったのが3回目の「運んでゆく」で膝をついてました。おおっと思ったと同時に、足を痛めてないか心配してしまったのは、内緒。(その後も布施さんは至って普通でした。)
あと、「人それぞれだと言い聞かせても」のところで胸をバシッと叩くのですが、その音をマイクが拾って聴こえてきました。胸に痣ができないのか…と思うくらい強く。それくらい、想いを込めていらっしゃるんだなと思います。
最後のMC。言葉というものは恐ろしいもので…と始まり、「不要不急」について。
コロナでエンタメは不要不急と言われたけれど、必需品でいられるように、日々刃を研いでいる…そんなお話。
ベテランのトロンボーン奏者が公園で基礎演習を何回も何回もしている姿を見た時のことを話され、「涙がこぼれそうになった…こぼれなかったですけど」と仰って笑いを誘っていました。こぼれなかったんかい。
そしてコロナ流行が始まる直前の2019年の暮れにニューヨークに行った話。ビリージョエルのライブとディアエヴァンハンセンのミュージカルをどうしても観たかったそうです。
きっとその鑑賞が今のツアーにも生かされてるのかななどと妄想したり。
その際に藤野さんのご自宅に遊びに行って、話をしてる時に応援歌を作ろうという話になり作ったのが「まほろばの国」という話。
そしてその「まほろばの国」を観客の皆さんに贈ります、というメッセージ。
いよいよこのツアーももう終わってしまうのだな…とMCで泣けてくる。
まほろばの国は本当に力強くて優しくて、包み込まれるような気持ちに。
「六花の夜も越えてゆこう」のところで足をトコトコっとされていて、想いが足にも出てるなぁ…と感じるなどしていました。
そしてともかくも。このツアーで初めて聴いて、大好きになった曲の一つ。「うまずたゆまず生きて行くよ」のところで太ももあたりを叩く仕草があって、ここでも想いの強さを感じました。
大好きな歌詞。
「歩いて 歌い続けて
その向こうで 最後の愛は
きっと 生きている
あの地平線を超えた君の場所で」
(この曲は過去のツアーでも歌われたことがあるそうで、過去ツアーのパンフから抜粋しています。)
「歩いて 歌い続けて」きた布施さんが歌うと、本当に心の底から勇気付けられるのです。本当に、この曲はできることなら全世界全ての人に聴いてほしい!ので音源化を切に希望します…!
さぁは雄大な雰囲気で、最後の「さぁ 安らぎの場所に帰ろう」のフレーズにジンとする…。
一旦布施さんは袖に。鳴り止まない拍手。
そしてアンコール。
まずはマイウェイ。名古屋から始めたウクライナカラーのチーフは今回も。
今回は青と黄色のライトニングもしっかりと見ることができました。
そして「あなたには愛する国があるから 信じたその道をあなたは行くだけ」という特別な歌詞。
一度アメリカに行かれて、それから日本に戻っている布施さん。
まほろばの国で日本の良さを歌い、そしてこのマイウェイで観客それぞれに想う国があり、それを大切に進もうと歌われ…
愛が大きいなぁとつくづく思いました。
そしてTime To Say Goodbye。あぁ本当に終わってしまうのか…そんな想いが胸によぎり、切なくなりながらも、この曲もまた新たな道へ進むためのGoodbyeなのだと自分に言い聞かせながら聴いた。
そしていつもながら素晴らしい「イヨコンテ」の歌いあげの後、終演。
感想など(まとまらないまとめ)
今回の布施さんの歌声は、時に力強くも、なんだか優しく暖かいシャワーのようだった気がします。
席が最前列ど真ん中だったオーチャードでは、なんだか強烈なオーラというか、ビームを浴びた感じで、感動がすごかった反面、終わった後の喪失感が半端なかったのです。でも今回は終わった後も心がほくほく暖かく、感覚としては心に岩盤浴を受けた感じ。
松戸の観客の皆さんも暖かく、拍手や公演後漏れ聴こえる感想も嬉しかった。
あと、声が(MCでは今回言わなかったけれど)花粉症のせいなのか、低音のセクシーさが半端なかったです。特にBecause of Youと、君を守る。
ご本人はお辛いと思いますが…
優しさ、美しさ、暖かさ、セクシーさ、可愛さ、ユーモアなどありとあらゆる布施さんの魅力を感じられる2時間でした。もはやこれはただの音楽コンサートではなく、一(いち)エンターテインメント。
もちろんこのツアーが終わって淋しい…という気持ちも多々ありますが、また次もきっと素晴らしいツアーをしてくれるに違いありません。
それを楽しみに、私も宵宮の後の日常を、しっかりと生きていこうと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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