生布施明レポート AKIRA FUSE COZY Theater 2023@アイマショウ 2023.1.9 〜千穐楽〜
3日間行われたCozy Theater。初日も行きましたが、千穐楽にも行ってきました!3日間行ければ良かったのですが、家族の都合もあり叶わず。でも新年早々に2回も布施さんを拝めて、とても幸せな気持ちになりました。
セトリ及び大きい流れは初日と同じだったため、今回レポは初日との相違点と、全体的な感想をまとめていきます。箇条書きが多くなりますがご了承ください。
なお、千穐楽、私の座席は前から4列目、中央からやや向かって右寄り。藤橋さん寄りでした。
参考:初日のレポはこちら↓
初日との相違点や改めて見て気づいた点
・カメラが複数設置されていました。公式様の投稿でもカメラの準備がある旨記載あり。これは映像化の期待大か…?
・一方でカメラがあったせいか、全体的にトークや歌唱でやや緊張を感じました。そういう意味では、初日の方が(あとは観てはいませんが2日目の方が)リラックスした雰囲気の布施さんを拝めたのかもしれません。
・冒頭、上手からコート姿でひょっこり現れてから、一旦引っ込んで出てくる箇所。一度サングラスで出てきたあと、サングラスをとって袖の方に投げていました。(投げるんだ…(笑))
銀座イエスタデイ
・アカペラの部分ではステップを踏むのと「シャバダシュビドゥバ」を言うのを同時にはせず、ステップ(半ばダンスに近かった)してから「シャバダシュビドゥバ」としていた。「マンボズボンのバンドマン」のところの腰振りが妖麗!!
・(初日と同じでしたが)やはり、銀座イエスタデイのアカペラで始まるスタートは印象的。一気に布施明の「はじまりのはじまり」の世界観に誘われます。
それが僕です
・前奏で「ウォーオー♪」と歌っていらした
・最初だけ「それが僕です」の入りが早かった(かも)
・目合いましたよね?←自意識過剰
・「さて!」が力強い!!(初日もだったかも笑)
She
・相違点ではないですが、初日も千穐楽も、ピアノの方に行って、そこで歌われてました。真ん中で歌わないのは、ピアノの音がより聴こえるようになのでしょうか。
・1箇所、"may be"の低音の響きにやられました…!アズナブールに負けぬ色気と表現力よ…。
MC
・「2023年の厄落とし。最後まで帰らずお楽しみください。」厄、落ちた気がします。前厄なのでありがたいです←
再会の季節&ノスタルヒアス組曲
・ノスタルヒアスの「君のため息」のところで「君の 『ハァ』 ため息」と歌っていて、セクシー。
・「バンドネオンから」のところで膝を曲げて中腰っぽくなるところが、素敵…!(膝を曲げた時、黒いズボンに光が反射して脚のシルエットが見えるのが、個人的に大好きです。)
MC
・「3日間やってるので疲れが出てる。ヨボってる」
・「チームFUSEの技をふんだんに入れている」(ファン仲間の方によれば、このくだりは2日目もあった模様です。)
・「でも次のコーナーは違います。」
・「(楽屋物語は)名物…でもないけど、しょうがなくずっとやっている」
・「(役者の楽屋に比べて)歌手の楽屋はつまんない!(「つまんない」に力を込めて)」
・悠々自適な生活をしている老人からの手紙で「小山田龍之介に会いたい」との言葉あり
・スタッフのオヌマも「龍之介さん戻ってきても良いですよね?」と話す
・小山田龍之介の説明
(ほぼ1日目と同じ。小ヒットがちびヒットになっていた。)
・説明終わって「あー疲れた」
・(前の席の人に)「寝てない?寝てるんじゃないかと心配になって」
小芝居
初日と違ったところだけ。
・最初ポケちゃんに電話したつもりが間違い電話に
・ゼミの生徒からの手紙を読んで泣く(初日はここまで泣いてたっけ…?)
・エプロンの左肩側の紐がよじれてて、かわいい
・菊ちゃんとの会話 休みの日には(学生と?)釣りをする。「釣れるんだこれが。真鯛甘鯛鯵鯖鱸だよ〜。」
・バンダナをつけるのが、舞台開演直前だった。つけないのかと思った笑。
・開演前のセリフ練習のセリフ「私には夢がある 希望がある その夢と希望の間で あぐらをかいているのさ」ようやくメモれた…。(合っているかの確認は、DVDが出るまでお預け)
(We will meet againを挟んで)
・社長との電話の会話で、初日の時は、満席と言ってたのが、今回は「ほぼ客席満席」
・(初日もやってたかもしれないけど)社長との電話後、電話に向かって「ありがとうございました…!」が沁みる
・楽屋退出、外で横断歩道を渡る時、しっかりと手をあげて渡っていた(客席から笑い)
・「ふるさとは遠きにありて思うもの そして悲しくうたうもの」(このふるさと、は東京のことか。)
夜想曲(ショパン「ノクターン」)で締め
MC
・ジャズなどやると思っていた皆さん、残念でございました。
・昔の舞台では寸劇を入れることも多かった。最近はやる人がいないので、しょうがない、自分でやるかと作ってみると、これが大変
・(大変なのは)カフス忘れちゃったくらいですからね(観客笑う)
・銀ブラしたら、まぁ今のこと(小芝居)は忘れられるんじゃないかと
・銀ブラの由来は、銀座でブラジルコーヒーを飲む、という説もあれば、銀座をぶらぶら歩く、と言う人もいて、布施さん自身は後者派
・「きっとたくさんの物語があったんでしょうね」と言って、次の曲へ
夢のポケット
大きな相違はなし。やっぱりなんだか切なくて泣きそうに。
MC
・「さっきカフスつけなかったのは、ギター弾くからなの。」(本当なのか、言い訳なのか笑)
・ギターはやっつけ。百本ノックとか千本ノックとかあるでしょう。僕は五本ノックくらいで弾いちゃう。
(ここのMCで下手のすごくギリギリに布施さんが移動していたのですが、これはギターをセットする黒子から目をそらすためか、と千穐楽に気づいた。)
落ち葉が雪に〜シクラメンのかほり
・弾き語りが初日よりいい感じになっていました!特に落ち葉が雪には、幻想的な映画のいちシーンを見ているかのようでした。(記憶が正しければ赤い照明で、影とのコントラストが美しかった。)
・最後の音、「ポーン」と言う音で締めた初日と違い、「ポン、ポン、ポン」と三音。(初日のようにしようとしてミスしたか敢えてそうしたかは不明。)
ピエロ〜君を守る
・最初の前奏がMr. Bojanglesのそれ。(初日も同じだったかと思いますが、メモしてなかったと思うので記載。)
その後手品→ピエロの歌唱へ。ピエロはやはりフルではなく、途中から。
・君を守るは、感情込め込めで、やはり泣きました。
MC
・2023年を2025年と間違ったことをご自身でネタにされていた。(さすがです)
慟哭
・「いつか溜め息と涙になる」のところで(確か)「いつか ハァ 溜め息と…」と溜め息を出していた。珍しいような。
・「時の流れ〜」のくだり、最初数回は、屈まなかった。最後の最後で屈まれていた。
ついて来るなら
・前奏で「オゥイェー」
・「ついて来るなら 俺のこの手を離さないでおくれ」の後、手を引き、相手を抱く仕草をされてました。(2回とも。)この曲、昨年どこかのラジオ出演の際に「スタッフに向けて作った」と布施さんがおっしゃっていたのですが、いやいやカルチェラタンの雪顔負けの一人ミュージカル感!私には、女性を優しく抱きしめるようにしか見えませんでした(笑)。あな美しや。
・2番に入る前、「ン〜ンン♪」と歌っていた。
マイウェイ
・(初日もだったと思いますが)スタンドマイクで、両手を広げて歌う姿に感動しました。
メンバー紹介
井川さん、金子さん、藤橋さんそれぞれに「何か言うことありますか」と振る→みなさん「いやいや…」と言った感じで首を振る(謙虚…!)
君は薔薇より美しい
・特別だよぉ!のセリフは変わらず。
・(初日もですが)緑のジャケットにお着替え。タイはなし。(ない方が歌いやすいんだろうか。)
・全体的にノリノリ。観客側も、初日に比べサイリウムを持っている方が多かったです。私も振りました。
・初日より、その後の井川さんの入りが遅めだったような。
別れの曲
・君薔薇が終わって、井川さんの方を向いて怪訝な顔→観客の方を見る→「じゃあ、特別の特別だよ!」
・歌唱は、文句ありませんでした…。そして終わってしまう寂しさよ。
・最後にカーテンが閉まる時、「ありがとう、さよなら…」とおっしゃっていました
・初日で鼻歌で歌ってくださった有楽町で逢いましょうは、今回はなし。
総じての感想
・初日と比較して、全体的にうまくまとまったというか、改善するところはして、完成度が高まっていたという印象が強いです。
・小堀さんのギターがなかったのが、今回の編成で一番驚いたのですが、ピアノ(井川さん)とウッドベース(金子健さん)とパーカッション(藤橋さん)という構成で全体的に音が柔らかく、聴いていてリラックスできるような雰囲気を感じることが多かったです。”Cozy(心地よい)Theater”と言う題にまさにぴったりと言う感じ。ギターは音が強いというか、前に出てきやすい故、この小さい箱、そして今回の雰囲気に合わせて入れなかったのかな、というのが私の解釈です。
・Twitterでも呟いたことですが、布施さんの表情を見ていて80年代、90年代、2000年代のそれに見えるときが多々ありました。それらの表情は布施さんが過ごしてきた日々の年輪のようなものなのだなと感じました。
当時にタイムスリップはできなくても、こうして観客は布施さんの過去も垣間見ることができる。そうしてその作ってきた年輪から、醸される音楽を聴くのだと思ったのです。
歌ってきてないこと、感じてきていないことは、できないと思うのです。まして舞台の本番で。つまり布施さんの歌で我々観客が感じる感情は、布施さんが鍛錬やこれまでの出演で実際にやってきたことが下地にあるわけで。
30年もののワインが、30年経たないと飲めないのと同じように、今芸歴57年の布施さんのこの音楽は、今しか聴けない。私は布施明という熟成した57年ものの芸術をこうして今耳に入れているのだ、そう感じたとき、なんとも私は贅沢な時間を過ごさせていただいているのだなと、本当にありがたく思いました。そして布施さんはまだまだこの先も、熟成というか、進化を続けていくのでしょう。やはり、ついて行かなくてはなりません。
・初めてCozy Theaterを観ましたが、これは布施明の持つ全て、やりたいこと全てが見れる貴重な機会と言って差し障りないと思います。
・邦楽カバー
・洋楽カバー(英語)
・洋楽カバー(ご自身で邦訳)
・自作曲
・弾き語り
・ご自身で脚本を書いた小芝居
(布施さん、他にもやりたいことがあったらすみません。)
これができるのは、会場のキャパシティ、設備も関係してくると思いました。アイマショウのキャパは、398席。千人単位で入るツアーコンサートでは、箱の大きさゆえ、小芝居の魅力は伝わりにくいでしょう。そして規模は Cozyと同程度のジャズライブも、ジャズセッション専用の舞台なので、自然とジャズ中心となり、小芝居はやりにくい。そこで選ぶのが、数百人規模の劇場なのかと思われます。前回のCozyの会場は博品館劇場で、こちらもキャパは381席と、アイマショウとほぼ同じです。
・そして、何より布施明は「歌手」という言葉では表現できない「アーティスト」ないし「エンターテイナー」なのだな、と思いました。そこで目指されているのは、おそらくアズナブールや、植木等さんといった、往年のスターたちの複合型なのかと思います。そして今も現在進行形で、布施さんはそのご自身の目指す先に行こうとされている。その想いがとても伝わりました。
・ご自身が今は数少ない「『エンターテイナー』でありたい」、という気持ちも垣間見えました。それは今回の小芝居後のMC(上述)でも明らかかと思います。現在は、分業化が進んでいるような感じで、「この人はこの表現」という感じが強い気が、私もしています。
でも他の表現方法を行うことで、「この人はこんな話し方をするんだ」「こんな演技(歌唱)をするんだ」と言った新たな発見も、観客としては見られるわけです。いわば複眼的に、そのエンターテイナーを観る、というか。いろんな視点から楽しめる、そんなものがエンターテインメントなんだよ、と布施さんに教わっているような気持ちになりました。
最後の最後に。一つだけ、残念だった点といえば、初日、千穐楽とも満席ではなかったようだということ。これはおそらくチケットのお値段も関係するかと思いますが、せっかくの極上のエンターテインメント、空きなくたくさんの方に見て欲しかったなぁという気持ちが非常に強いです。
お正月、さまざまなエンタメが飛び交う中で、この「劇場に足を運んで観る」という形での集客は難しいのかどうなのか。
一方で、今回の客層は往年のファンと思しき方々に混じり、若い方の姿も結構見えました。これからこれらの層を取り込んで、もっともっと布施明のエンターテインメントを多くの人に見てほしい。いちファンとして、そう強く思いました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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