女性は社会でどのように特権を得てきたか?

結論から言えば現実の湾曲・捏造・隠蔽である。女性は人類史において常に湾曲・捏造・隠蔽された現実を基に「女性は差別されてきたんだ!だからその埋め合わせが必要なんだ!これは逆差別とかじゃなく公平なんだ!」と主張してきた。

例えば2025年1月からNHKで放送が開始されたNHK大河ドラマ「べらぼう」は江戸時代の遊郭をテーマにしたものだ。そこで遊女の遺体が裸で描かれた事が話題を呼び「女性を軽く扱ってる!」「なんでセクシー女優を使った!?」「とにかくミソジニーだ!」と炎上し、同時にXでは江戸時代の遊女が如何に悲惨で人権の無い存在であるかが語られた。以下の記事もそうしたモノの1つである。

記事では遊女の悲惨な境遇の1例として平均寿命が極端に短かった事が語られる。

浄閑寺の過去帳(西山松之助の『くるわ』に掲載)に記された遊女たちの享年によれば、彼女たちの平均寿命は「22.7歳」。若死にが多かったことが推測され、あまりにシビアな現実に言葉を失ってしまいます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f3b16488a2f7db784ad6185351cb635e475185d0

しかしながらこれは歴史湾曲だ。何故ならコレは「遊女という属性自体の寿命」を無視しているからだ。例えば慶應義塾大学保健衛生センターによれば慶應大学生の平均死亡年齢は21歳であるが、これはもって「慶應大学は恐ろしいところなんだ!学生には人権がないんだ!だから平均的な慶應大学生は21歳で死ぬんだ!」とはならない。当然「そもそも大学生は…浪人生や留年等を除外して18~22歳しかいないだろw。慶應義塾大学で在学中に死ぬ大学生の死亡率が極端に高いとかでない限り、慶應義塾大学は危険だとか学生に人権がないとか表現することは出来ない」で終了だ(慶應義塾大学は新入生6400人に対し死亡者数は10人程度)。

https://www.hcc.keio.ac.jp/ja/research/assets/files/research/bulletin/boh1992/11-51-57.pdf

そして決定的な事にこの「遊女平均寿命22.7歳説」はなんと提唱者本人が上記の誤りを認めて訂正している

因みに遊女属性の寿命は諸説あるが、歴史学者である脇田晴子氏は「13,14~23,24歳ぐらいじゃね?」と唱えている。この説が正しければ遊女はむしろなんらかの形で死を迎えることがないよう大切に扱われたことすら推測出来る。

更に言えば遊女は貧しい家の家族に売られて~という話で悲惨さが強調されがちだ。しかしながら、この時代において遊女は相対的には「上澄み」に入る部類だった。そもそもガチで貧しい家の女児は売られる以前に殺される。その直接的証拠は江戸時代の異常な男女比だ。例えば信濃国(長野県)諏訪郡横内村の1671~1725年にかけての出生コホートでは男子226人に対し女子144人だ。更に1726~177年にかけては男子253人に対し女子は97人になる。

社会が厳しくなると女性は古今東西の区別なく間引きの対象になる…これに関しては既にnoteで書いた。

しかしながら当然に男子は間引きされる事も売られる事もなく特権を享受して楽に生きていたわけではない。男子も間引きされる事はないといえ普通に人身売買されてたのだ。所謂丁稚奉公などはその典型だ。男子は10歳前後で商店に売られると年間数日の休みで1日13~16時間の雑用や肉体労働をこなし、用事のない時でも店先で行儀よく座り愛想を振りまくことを求められた。衣食住は支給されるが当然給料などはなく、食生活の貧しさから脚気で死ぬ丁稚も少なくなかった。

しかしこの丁稚も相対的には「上澄み」の部類であり、逸話レベルの話で確固たる記録は残ってないが鉱山や農村に売られた男子(売られた記録自体は残ってる)は、過酷な労働の中で死んでも供養されずご覧の通り顧みる事も出来ない歴史の陰に消えた。まとめれば遊女のような女性が生まれる社会においては、そもそも女性に限らず男性の人権も相応に雑に扱われいたのだ。

このような社会的背景を無視して女性の悲惨さや男性の残酷さを過度に強調して叫ぶことで、同時に存在している/存在していた男性の困窮や苦境を透明化する事こそが、女性が社会で特権を得る常套手段だ。例えば大学の理系学部における女子枠など、正に「女性は差別されてきたんだ!女子だから進路はこうしなさいとか抑圧されてきたんだ!」と男子学生の方が進路制限されてたり進学率が低い現実を透明化して女性の悲惨さをゴリ押しすることで特権を得られた典型例の1つである。

こうした彼女達の現実修正の最たるものが「投票権」だ。恐らく皆様の歴史認識はこんな感じだろう。今の日本社会の元となっている西洋社会は歴史的に男性に特権を与え、殆どの場合において女性は抑圧された立場に置かれてきた。選挙権、財産権、家を継ぐ権利、その他様々な権利が制限されていたが、女性運動家…フェミニズムによって徐々に男性と同じ扱いになっていったと。勿論大嘘だ。以下少しだけ上記の虚構歴史が現実の歴史と1致してない事を述べていく。

我々が漠然と認識してる女性参政権については、大体このような感じなるだろう。昔は投票権は男性だけのものだった。女性参政権は女性を抑圧する邪悪な男性に対して戦った問題であり、女性参政権運動家は平等の擁護者だった云々。勿論、これは事実ではあるが正確ではない。何故なら例えば13世紀に議会制度を導入して選挙権という概念が生じ、世界で初めて女性選挙権を認めた英国においても1800年代において投票権を持つのは人口の僅か3%の資産所有者だったからだ。当然大多数の男性にも投票権なるものはない

これを打開すべく動いたのがチャーティストではあり、彼等は議会で3回に渡る大規模なデモを行ったが要求は却下された。これから少し後の1900年代に爆弾闘争で女性参政権を得ようとするサフラジェットが登場する。興味深いのはこうした流れの中、英国女性のマジョリティは明確に女性参政権に反対していたことだ。その最たるものが1910年に行われた女性参政権に関する討論会だ。この討論会の為に女性運動家は16年間に女性参政権に賛成する女性の署名を19万集めたが、なんと反対派は僅か18ヶ月の間に30万も女性の署名を集める事に成功した。

現代社会に生きる我々はコレがどういう事か?を直感的に理解するのは難しい。これは当時投票権などの完全な市民権は徴兵などの市民としての責任を負っている人だけに与えられた時代であり、投票権は権利であると同時に義務であると見做されていた為である。従って男性は女性を参政権から締め出すということは決してしなかった。問題は「女性全体が明らかに望んでいない責任を女性に課すかどうか?」だったのである。

女性参政権に対する女性の支持が薄かったのを受けて、女性参政権運動家たちは極めて過激な活動を展開した。1903 年エメリン・パンクハーストは娘のクリスタベルとシルビアとともに女性社会政治同盟 (WSPU) を設立し、WSPUは全国規模の爆破および放火キャンペーンを展開した。1912年から1915年にかけて、列車、劇場、郵便局、教会、更にはイングランド銀行の外に数100の爆弾が仕掛けられ、木材置き場、鉄道駅、民家への放火攻撃によって計り知れない被害がもたらされた。

そしてこうしたテロリズムは労働者階級の男性の投票権獲得反対ともセットだった。これは彼女達が上流階級の女性が投票権を得るより、労働者階級の男性が投票権を得ることの方が難しいと思っていたからだ…と言われているが、もっと単純にそういった男性達を心底侮蔑していただけな事が窺い知れる。実際彼女達は「全てに投票権を与えろと言ってるわけじゃない。私達のような賢くて立派で社会的地位の高い女性が投票権を得られないのはおかしいと言ってるの!」と繰り返し、男性の投票権運動も爆弾で妨害した。

彼女達の暴走はこれだけでは止まらない。記録では彼女達は男性嫌悪のあまり、自分達を支持する騎士達をも粛清していた事が記録には示唆されている。例えば議会改革に関する著書の中で彼女達は「パンクハースト夫妻は強硬な反男性主義者となり、最も忠実な男性支持者さえも容赦なくWSPUから排除している。彼女達は男性は"性病の媒介者"に過ぎないと主張している」と記録された。

状況が変わったのは1914年の第1次世界大戦勃発である。英国は1915年に前線で亡くなった兵士の補充に困るようになり、翌年の1916年1月に兵役法が導入された。1916年3月には18~41歳の独身男性全員に強制的な徴兵が実施された、5月にこの法は既婚男性にも兵役を課すように拡大された。英国政府が全男性に選挙権を拡大することを検討したのはそれが直接契機である。

前述したように第1次世界大戦中に戦争に徴兵された資産のない労働者階級の男性の殆どは選挙権を持っていなかった為であり、これがついに不公平であると認識され始めた。前線での銃弾に階級の区別はなく、全ての男性が平等に国の為に犠牲になっていた。

そして1918年、英国のジョージ・ケイブ内務大臣は名高い人民代表法の演説を行った。「我国のあらゆる階級の国民が戦争をすることで我々はより緊密に結束し、人々の目を開き、あらゆる面での誤解が解消された。戦争により現在の世代が生きている間に、多くの原因、とりわけ我国の国民の多くが選挙権階級から排除される原因となった古い階級意識が再び復活することは決してあり得ない。選挙権の拡大を正当化するのに、これ以上言う必要はない」。

これにより女性800万人と男性500万人が選挙権を獲得した。(尚第1次世界大戦で男性が死にまくった事を受けて、女性が圧倒的過半数になることを避ける為に1時的に年齢制限が課せられたが10年後に解除された)

まとめれば普通選挙権は女性参政権運動家の爆弾闘争と選民意識ではなく、戦争で様々な属性を有する男性が階級の別なく共通の敵と戦ったことにより達成された。男性は投票権を持っていたが、女性は持っておらず、女性参政権は女性達を抑圧する邪悪な男性達との闘いであったとする偽史は彼等の透明化に他ならない。

そしてフェミニストが彼等の手柄を簒奪すべく歴史修正をやったことは様々な記録に残されている。例えば1930年代初頭、エミリー・ワイルディング・デイヴィソンの回想録を執筆中だったエディス・マンセル=ムーランはサフラジェット・フェローシップの創設者の1人であるエディス・ハウ=マーティンに手紙を書き、難しい問題について助言を求めた。「爆弾については触れないほうがいい?( leave out the bombs?)」

また爆弾闘争を指揮したエメリン・パンクハーストの娘のシルヴィア・パンクハーストは、後に女性及び男性に普通選挙権を与えるロイド・ジョージ財務大臣をママが「選挙権は下層民に与えるべきではないんだ!」を理由に爆殺しようとした事について1931年の回想録「The Suffragette Movement: An Intimate Account of Persons and Ideals」で「Emily Wilding Davisonが勝手にやったんじゃ。ママは何も言ってない。嘘だと思うなら本人に聞け。あっ本人は自殺したんだった」と歴史修正を行った。尚、事件当夜エメリン・パンクハーストは犯行声明を発表している。

https://www.exploringsurreyspast.org.uk/themes/subjects/womens-suffrage/the-womens-suffrage-movement-in-surrey-new/activism-and-militant-suffragettes-in-surrey/lloyd-george-and-the-suffragette-bomb-outrage/

このような本人達の歴史修正と並行して、サフラジェット・フェローシップはロビー活動を開始した。今後出版される回顧録から誤った箇所を削除したり、すでに出版された記録の次の版から削除したりするよう各地に圧力をかけまくったのである。勿論こうした試みが歪みを産まなかったわけではない。例えば爆弾闘争に積極的で放火犯として英国のアチコチを燃やしまくったキティ・マリオンは歴史から削除された。彼女は家族計画連盟、そして産児制限連盟の設立に重要な役割を果たし、米国と英国において「リプロダクティブ・ライツ」概念を提唱したにも関わらずである。これにより英国の女性参政権運動における歴史書「Sex and Suffrage in Britain」から彼女の記述は消失している。また「The Long Sexual Revolution: English Women, Sex and Contraception」からも消失し、彼女が抜けた為に家族計画連盟及び産児制限連盟の記述は要領を得ないものになっている。

また英国で労働者階級の男性の投票権に反対したように、米国の参政権運動においても女性は自分達より下と見做した黒人女性の参政権に反対した。1890年に結成された全米女性参政権協会は、黒人女性や参政権団体を協会に加入させることを拒否した。また1913年にワシントンDCで行われた女性参政権パレードでは主催者が「黒人は1番後ろに並べ」と命じ、無視した黒人をリンチにかけようとした。

(この中から黒人の姿を探してみよう!1応記録によれば少なくとも40人以上の黒人女性が参加表明してるぞ!)

米国では当時(今でも)女性の権利と黒人に対するリンチと選民思想と男性憎悪は密接な関係にあった。例えば女性参政権運動家のスーザン・B・アンソニーは「黒人の為に何かするぐらいなら右手を切り落とした方がマシよ(cut off this right arm of mine before I will ever work for or demand the ballot for the negro and not the woman)」とヒステリーを起こし、またエリザベス・キャディ・スタントンは「低学歴の黒人の奴隷になるより高学歴の白人の奴隷になりたい(it’s better to be the slave of an educated white man than of a degraded black one)」と学歴厨やった。因みにエリザベス。キャディ・スタントンは1868年にワシントンD.Cで女性参政権に関する演説を行ったが…その内容が非常に面白いので少し紹介する。

筆者訳:憲法第16条の修正を求めます。何故なら「男性の選挙権」…つまり男性の政府は、市民的、宗教的、社会的に無秩序だからです。男性の要素は破壊的な力であり厳しく利己的で増強を求め、戦争を愛し暴力と征服と獲得を求め、物質社会でも道徳社会でも不和と障害、病気や死をふやすものです。男性的要素は破壊的な力であり、厳格で、利己的で、権力を強め、戦争、暴力、征服、獲得を好み、物質的および道徳的世界で同様に不和、無秩序、病気、そして死を生み出します。歴史のページが明らかにする血と残酷さの記録をご覧ください。奴隷制度、虐殺、犠牲、異端審問と投獄、苦痛と迫害、暗黒の掟と暗い信条を通して、人類の魂は何世紀にもわたって苦闘してきましたが、慈悲がその顔を覆い、すべての心が愛と希望に対して同じように死んでいました。
(中略)
自然界の暴力や混乱には、力の均衡を保つための絶え間ない努力が見られます。自然は愛情深い母親のように、陸と海、山と谷をそれぞれの場所に留め、荒れ狂う風や波を静め、暑さと寒さ、雨と干ばつの極端なバランスを保ち、平和と調和と美が至高となるように努めています。物質と精神の間には驚くべき類似点があり、現在の社会の混乱は、女性を廃絶することで暴力と破滅の要素を解き放ち、女性だけがそれを抑制する力を持っていることを警告しています。時代の文明が参政権の拡大を求めるのであれば、最も高潔で教育を受けた男女による政府のほうが、どちらかの性別のみの代表よりも、全体をよりよく代表し、全員の利益を守ることができるはずです。

https://www.historyplace.com/speeches/stanton.htm

ミサンドリーで始まり学歴厨で終わる素晴らしいスピーチだ。戦争は男性指導者よりも女性指導者が起こすとか、白い羽根運動とか、医療において男女の果たした役割とか…ツッコミどころは沢山あるが、こんなん言い出したらキリがないので、ここでは彼女が「奴隷」についての歴史修正を行っている事に対する言及に留める事とする。

まず単純な歴史的事実として1850年と1860年の国勢調査データでは白人女性が全奴隷所有者の約40パーセントを占めていた事が判明している。当時も男女には経済的格差はあったにも関わらず、この数値である。女性が男性より奴隷を欲していたのは誤魔化しようがない。当時米国…特に南部においては女性にとって奴隷とはアクセサリー扱いであり、また便利な乳母扱いだった。白人女性は大人になると、黒人女性を赤ん坊から引き離し、代わりに白人の愛人の赤ん坊に乳を飲ませることがよくあった。その赤ん坊がどうなるか?については語る間でもない。この目的の為に白人女性は新聞に何1000もの広告を出し、出産したばかりの奴隷の黒人女性の巨大な市場を作り出した。

しかし、実態はもっとおぞましいモノであったことが明らかになっている。何故なら黒人女性の中には「自分たちの母親がいつも白人の愛人とほぼ同じ時期に出産していた」とする証言が沢山あるからである。これが何を指すか?については明確だ。つまり白人女性は黒人女性奴隷の乳を出させる為に自分の妊娠・出産タイミングに合わせて黒人女性奴隷を強姦したのである。因みに証言によれば、この強姦には竿役として黒人男性奴隷が多く使われ、彼等が拒否しても肉体的暴力で強行させたそうである。

こうした歴史的事実…労働者階級の男性への参政権反対、黒人女性参政権への反対、選民意識、奴隷志向、学歴厨…は、要するに女性は「平等」ではなく「特権」を欲していた事の証明だ。彼女達は万人が平等に扱われることなど望んでいない。徹頭徹尾、自分が上澄みの人間と同等の権利が得られない事に怒っていたのだ。

そしてコノ特権要求運動は現在も「男女賃金格差」「女性管理職の少なさ」「女性政治家の少なさ」等と形を変えて続いている。彼女達が平等の為に危険な現場仕事の男女比、労災・労災死の男女比、ホームレスの男女比…そういったモノに光が当たる事は決してないだろう。1910年にフェミニズムを批判したあの肩書が多い英国の弁護士・ジャーナリスト・哲学者・歴史家であるアーネスト・ベルフォート・バックスが残した次の言葉は100年以上経った今でも真実だ。

筆者訳:「女性の権利を主張する人々の中で、男女平等を熱心に訴えて夫による妻の扶養権を廃止することを提案した人は1人もいない。それどころか彼女達は男性の負担を増やす事に熱心である」
(Among all the women’s rights advocates I am not aware of one who, in her zeal for equality between the sexes, has ever suggested abolishing the right of maintenance of the wife by the husband.)

https://www.marxists.org/archive/bax/1910/05/feminism-suffrage.htm

しかし、こう思った方も多いはずだ。「女性が男性の下層を封殺することで自分達だけ不当に抑圧されてるように見せ掛けて特権を要求することは分かった。その為なら破壊的営為や差別やリンチにまで手を出すことも分かった。しかし女性はその多くが被害者意識を持っている。reiも前のnoteに"女性の8割程度は女性は社会の被害者であると信じてる"みたいな事を書いたじゃないか。この特権意識と被害者意識は明らかに矛盾していないか?」と。

この答えは女性はそもそも全員が例外なく

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