生き辛い人間の為の弱者シグナリングの消し方
ワルに憧れる弱者達
他者から舐められ軽んじられたり、女性からキモがられたり、とにかく他者から雑に扱われがちな人間がいる。虐められっ子気質と言い換えてもいいだろう。しかし彼等は何ゆえにそのような境遇に甘んじてしまうのだろうか?
その答えとして多くの生き辛さを抱えた人間は自分が攻撃的な人間をおびき寄せる「弱者シグナリング」を発してしまっている事に気付き、そして「自分が弱々しそうだから舐められるんや!だからワルになればええんや!」という答えに飛びつきがちだ。結論から言えば弱々しそうだから舐められるのは事実であるが、だからワルぶるというのは間違えである。分かりやすい例がXの性風俗産業従事者やフェミニスト界隈だろう。
彼女達の間で強い女メーカーというのが流行った時期があった。どれくらい流行したか?というと、すっかりインターネット上で強い女メーカー=性風俗産業従事者・フェミニストの象徴となってしまい、作者が削除してしまったほどである。なんか利用に関して微妙なニュアンスがあるのでグーグルの画像検索のURLを貼っておくが、概ねアイコンの特徴は「フェミニンでありながら気の強さを感じさせるキャラ造形」と表現出来るだろう。要はあれは女性版のワルである。
また「おじさんに自分からぶつかりに行って跳ね飛ばす」「試着室のカテーンを開けた男児に鉄拳制裁」「デートDVを自慢し合う」と言ったワル自慢もXのそのような界隈で頻繁に見られる光景だ。
https://twitter.com/KS21120560/status/1532470044051259392?t=u9n7XXp0qSLoG7eCwJzg0Q&s=19
https://twitter.com/TansanNOsab0314/status/1663427476062883840?t=1jM7E1Fu8ih1dsJgi5jPZg&s=19
彼女達の言い分は「私はワルだぞ!私を舐めるな!」に集約されると言っていいだろう。彼女達の言い分に耳を傾けると、どうやら自分は女性であるが故に他者(特に男性)から軽く見られたりバカにされたりするという被害者意識が根強くあり、それが上記のようなワル幻想に結び付いているようだ。
しかし肝心の問題がある。そんなワル自慢をする彼女達を見て、我々は「わぁ強い女性だ!跪いて敬わねば!」となるだろうか?彼女達を尊敬し丁重に扱う気になるだろうか?答えは勿論NO!である。「社会不適合者の遅れてきた厨2病」と呆れられて終わりだ。実際上記の女性達のアカウントを掘って見ると必ずといっていいほど人間関係トラブルに悩んでいる。
これは女性に限った話ではない。言い方が本当に悪くなってしまうが、皆様もXでも反社会的勢力や半グレとの繋がりを仄めかしたり、暴力的な言葉をやたら使いたがったり、田舎のヤンキーを讃えたり、何事に対しても過度に冷笑的な言動をとる男性が、精神疾患や発達障害等の生き辛い属性を自称してる光景には心当たりがあるだろう。そして彼等が尚も生き辛そうにしてるのが、その手法が上手くいかない証である。何故なら端的に言えばいい歳してワルぶるという行為自体が「周囲に怯えてキャンキャン吠える弱者のシグナリング」だからだ。
(ただし男性のモテに関してワルぶるのはある程度上手くいく。実際弱者男性であれギャングになったり女性に暴力的に振る舞ったりすると性的パートナーを獲得出来る事が示唆されている。詳しくはコチラ参照)
他者から軽んじられ雑にされた被虐経験は当然に「舐められたくない」という強い欲望を産む。そして社会に溶け込めず、社会に適合できず、社会を変えらない人間は社会から逸脱した「ワル」になることで自尊心の回復を図ろうとする。謂わば生き辛い人間のワル願望は傷つけられた過去から生じる負債だ。
しかしながら弱者が社会から人の輪から離れて生きる事は不可能だ。余程の天才や資産家なら話は別だが、その場合でも社会との軋轢に苦しみ続ける羽目になる。実際ワル系…アングラだったり露悪的だったり…のクリエイターが不健康で精神疾患に苦しんでる様子はXでも多数観測出来るだろう。本当にありきたりな1般論になってしまうが、幸福・健康に生きたいのであれば何とか社会と折り合いをつけてやっていくしかないのである。
ただしイケメンに限るの本当と嘘
まず最初に断っておく。「※ただしイケメンに限る」自体は確かに存在し、それはモテの文脈は勿論として人間の第1印象や性格認知まで左右する。それ故に当然弱者シグナリングと容姿は1定の相関自体は確かにある。
例えば美容整形手術を受けた男性が、その顔の変化により他者の性格評価がどのように変化するかを評価するために、美容整形を受けた平均年齢49.3(SD = 16.4)の24人の男性の手術の前後に撮影された写真を女性64人と男性81人に見せた研究がある。その結果、全体的に美容整形を受けた男性の術語写真は術前写真を比較して、よりよい人格だと評価されたという。スコアの増加は魅力(0.29; 95%CI、0.13-0.46)、好感度(0.41; 95%CI、0.24-0.57)、ソーシャルスキル(0.25; 95%CI、0.08-0.40)、信頼性(0.27 、95%CI、0.11〜0.44)。
https://www.liebertpub.com/abs/doi/10.1001/jamafacial.2019.0463
またイケメンは頭もよく認知され、不細工は頭も悪く認知される。40人の大学生の20秒間のビデオクリップを撮って、彼等のユーモア(面白さ)を評価させたところ、魅力的ではない大学生は、音声のみの条件ではユーモアと評価されても、ビデオでは面白くないと見なされたという。そして分かりきった結果だが、魅力的な男性には逆のことが当てはまったという。人間が人間に対してユーモア・知性を感じるか否かは、外見的魅力のハロー効果によって大きく影響されるのだ。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886912005028
これらの研究を顧みても分かるようにイケメンは性格をよく思われ知性も高く評価される傾向にある1方、不細工は不細工というだけで人間性も知性も悪く思われるということだ。それ自体は紛れもない事実である。「つまり不細工はそれだけで何もかも悪くとられ雑に扱わてしまうってコト?」と言う問いの答えはYES!だ。しかし「つまり不細工は何をやってもダメってコト?」という問いの答えはNO!である。
それを端的に示すのがイケメンのいじめられっ子だ。1999年4月20日、スクールカースト最下位の存在として虐められていたコロバイン高校の生徒であるエリック・ハディソンとディラン・クレボルドは同校にて銃を乱射し12名の生徒と1名の教師を殺し、また両名とも自殺した。その犯人の顔が以下である。
その生き残りがredditに「何か質問ある?」とスレッドを建てた際に、こんな質問が飛び交った。
Q.エリックとディランはどうしてスクールカースト最下位になったんだと思う?動画や写真を見る限り彼らにとりたてて変わったところはない。2人ともハンサムなティーンエイジャーだ。彼らが黒い服を着ていたから?たぶん僕が高校に通っていた80年代なら目を付けられたかもしれないが90年代の話だろう?僕の人生で最大の謎は、どうして僕がいじめっ子から目を付けられたのかってことなんだけど、少なくとも僕は頭が大きくて歩き方が変わっていた。彼らはどうしてそうなった?
A.運動部じゃなかったこと。社交能力が低かったこと
不細工が虐められやすいことは事実だ。それこそ肥満の生徒は虐められやすいみたいな研究は山ほどある。しかし容姿は雑に扱われやすい要因ではあるが決定打ではない。
またエリックとディランはトレンチコートマフィアとしてワルぶっていたが、それが上手く行かなかった事は説明するまでもない。
虐められやすい人間の特徴
まず最初に断りをいれておくがイジメは虐める側が100%悪く、如何なる理由があっても暴力に頼った私的制裁は肯定されない。しかしながら「虐められっ子には虐められる原因がある」に関しては事実だ。勿論虐められる側に原因があることは虐めに何の正当性も付与しないし、非難されるべきは「何か理由があれば虐めてもいい/虐められても仕方ない」と考える人間達の方である。
が、自己防衛としてこれらの特徴を知っておいて損はないし、何よりそれを知ったうえで対策を勧めるのがnoteの趣旨である。
まずノルウェーで行われた大規模研究レビューによれば虐め被害者には大きく分けて「服従的ないじめ被害者」と「挑発的ないじめ被害者」の2タイプいる事が判明した。前者の特徴は用心深い/繊細/寡黙/引っ込み思案/不安/低い自尊心/抑うつ/身体的脆弱性といった特徴が確認された。後者はそれに加えて支配的/攻撃的/反社会的といった特徴が加わり、いじめられっ子にもいじめっ子にもなりやすい。そして後者タイプの存在は「ワルぶる」戦略の間違いを端的に示唆している。いじめられっ子がワルぶったら虐めっ子を脱却出来ないまま虐めっ子になってしまうのだ。
https://psycnet.apa.org/record/2010-13348-015
また虐めの影響を追った研究として、過去にいじめられた体験をもつ大学生らを対象にした半構造化面接によれば、いじめられっ子には虐め加害者に追従して機嫌をとるなどの「同調傾向」が見られたという。
これらの要素を総合するに弱者のシグナリングの正体は「怯え」である。
それを如何に克服するか?語る前に
大切な事として「イジメというかカーストは相対値で決まるので、構造上弱者はどうしても出る」「弱者に極端に厳しい環境は適応とか克服とか考える前に逃げろ」ということを言っておきたい。
たまにXでは「体育会系陽キャは如何なる環境でも悠々泳ぎ社会を上手い感じに渡っていく」みたいな言説が唱えられがちだが、そんなのは転職サイトで電通を見れば30秒で嘘だと分かるだろう。電通みたいに体育会系陽キャの上澄みを集めても、その中の下位n割は(相対的)弱者となり、周囲に馴染めないコミュ障として入社から3年経たず「ノリがキツイ」と転職サイトに書き残して去っていくのだ。
逆に文化部系陰キャも集めれば、コミックマーケットなんかが典型だが上位n割はコミュ充の陽キャとなってブイブイしだす。
こういった現象は陰キャ・陽キャというのは属性ではなく状態である事を示唆している。要は陽キャとは「コミュニティ内の上位として周囲に怯えることなくノビノビとしてる状態」であり、陰キャとは「コミュニティ内の下位としてビクビクしてる状態」に他ならない。というか普段は大人しくてマトモに話せないオタクが、オタク仲間相手には饒舌かつ凄く楽しそうにイキイキと話し周囲を笑わせるようになるのは決して珍しい光景ではないし、なんならこのnoteを読んでる方の中には「自分はそのタイプ」という方も多いだろう。コミュ力、社交性、積極性…こういったものは本人の資質だけでなく周囲の環境にも大きくバインドされるのだ。
それを悪い形で示すのがゼリア新薬の新入社員自殺事件だ。ゼリア新薬工業会社に勤める男性Aさん(当時22歳)の人生は順風満帆に思えた。早稲田大学を卒業し、社交的で多数の友人に恵まれ、両親との仲も良く、ゼリア新薬という大企業に就職出来た。どっからどう見ても勝ち組の陽キャである。更に彼は筋トレが趣味で部屋にはプロテインとバーベルが置かれていた。心身ともに強強の超強者男性だ。しかしそんなAさんは研修にて「過去の虐め体験」を告白させられ、悪口を浴びせられ続け、なかでも吃音を執拗に指摘されて入社1か月で自殺した。彼が人望に厚かった事は死後に友人達が自主的に追悼文集を作ってくれた事からも伺える。
繰り返すが陽キャ・陰キャは本人の資質だけでなく周囲の環境に大きくバインドされる。ちょっとした工夫でなんとかならないような環境であれば、適応を目指すより環境を変える事を検討すべきだ。また敢えて自分とは合わない/異なる環境に強引に身を置くのは間違いである、メンヘラは自己嫌悪のあまり自身と真逆の属性を神聖視し、例えば上下関係の厳しい体育会系の環境に身を置こうとするが、そのメソッドが上手くいかない事は企業の研修が証明している。また自衛隊や警察学校でもイジメは発生する事から分かる通り、強者・弱者/陰キャ・陽キャというのは絶対値による区分けではなく相対値によって発生する状態である。
何故怯えを見抜かれるか?
の答えは緊張だ。私は自分自身も陰キャなので詳しいのだが、陰キャの人間は大抵姿勢が悪く、オドオドしていて自信がなく、自分から何か主張しようとせず、表情が乏しく、声も小さい。服従的な態度をとってると換言してもいいだろう。
何故陰キャがこうした言動をしてしまうか?というと「自分の言動が何処まで許されるか分からない」恐怖があるからだ。とりあえず身を縮めて周囲の様子を伺う処世術が癖になってしまっているのである。それを本人も自覚はあるが、過去の被虐経験から来るある種のトラウマで分かっても心身が緊張してしまう…。これが弱者の…虐げられてきた犠牲者の烙印となってしまうのが、この手の人間が他者から雑に扱われやすい理由に他ならない。
対処法としては勿論「自信をつける」「小さな成功体験や許され体験を重ねて安心感を得る」「とにかく場数を踏んで慣れる」のが1番だが、そのような根本解決には時間がかかるし、半ば人生をかけた課題のようになってしまう。そこでイジメ研究等を元に「形から入る」方法を書いていこうと思う。
※広まると性質上効果を無くしてしまう為に有料設定にしてありますが、発達障害者の方には男女問わず間違いなく役に立つメソッドなので該当する方は返金OK設定にしてあるので読み終わってメモしたら申請するなりして下さい。
何故ハッキリNo!と言うのはNo!なのか?
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