リズムが合うと馬が合う? ― リズムの効果についての妄想的考察 ―
ビートオブサクセスのタッカーです。
サブタイトルのとおり、裏付けデータは全然ない妄想的な仮説のお話ですが、よろしければお付き合いを願います。
ビートオブサクセスは、リズムを使ったチームビルディングプログラムが売りで、私自身何度も研修にスタッフとして参加し、その効果を目の当たりにしてきました。
新入社員研修であれば、参加するのはその日の朝まで知らない同志だった新入社員たちです。
はじめは、みんな互いに間合いを測りながら相手がどんな人か探ろうとしている感じで、会話もあまりありません。そんな雰囲気でオリエンテーションの後で別室へ移動すると、太鼓(ドラム)が並んでいて、サプライズの「ドラムサークル」が始まります。
「研修」で太鼓叩くとは誰も思ってませんから、周りも気にしつつファシリテーターに促されておずおずと叩きはじめますが、だんだん息の合った太鼓のリズムが地響きのように響いてきます。
それが終ってからの昼食会場は、はじめとは打って変わって仲間の飲み会みたいに会話が弾み、笑い声が絶えません。それまでの、ちょっと大げさに言えば、心理的な壁を立てて警戒しながら相手を探ってたのが、壁立てる必要なくなってやめちゃったんですね。
一緒に太鼓叩いて、リズムに乗って身体動かしてますから、テンションも上がりまくりな訳です。
話は変わりますが、昔から人間関係の相性をいう時に「ウマが合う」「息が合う」なんてことをいいます。
「ウマが合う」は馬が合うで、乗馬の乗り手と馬の息が合うということの例えから、物事の好みや感じ方が合う相手との関係をいいます。「息が合う」は、文字通り呼吸のタイミングが合っちゃうくらい、行動のテンポやリズムが合う関係ですね。
チーム内がこういう関係の人ばかりなら、仕事もトントン拍子に運びそうですが、そううまくいかないのが世の常。たいてい、馬が合わない人とは息が合わせにくいし、息が合わない人とはスムースなコミュニケーションがしにくくて、会話がなかなか進まなかったり、言いたいことが伝わりにくかったりします。
もうだいぶ前のものですが、2013年に理化学研究所がこんな実験結果を発表しています。
「2人の間の発話リズムがそろうと、脳波リズムもそろうことを発見」
そのプレスリリースから趣旨を抜粋でご紹介します。
詳細はこちら
https://www.riken.jp/press/2013/20130422_2/index.html
会話のリズムが合う、息が合う人とは脳波レベルでも同調しやすかったわけです。
そのうち、「彼とは脳波リズムが合うんだよ」なんて話に…ならないか。
リズムが合うと言いましたが、「このところ生活リズムが乱れちゃって」とか「やっと投球のリズムをつかんだ」などというリズム感ではなく、人間には個々人が持っている「自発的リズム(テンポ)」があることがわかっています(※)。
試しにテーブルを自分の好きなテンポでトン・トン・トン・トンと叩いてみてください。これは個人の中ではほぼ一定で、自然だと感じる光や音のリズム(テンポ)であり、歩行のリズムや心拍数が一致してくるそうです。
この自発的リズム(テンポ)は人によって違うということです。人それぞれが固有のテンポ感を持っているとするならば、社会生活はある意味でいろいろな人の異なるリズムが同調していく過程と言えるかもしれません。
相互に自分にとって不自然なリズムだと、コミュニケーションもスムースにいかず、息が合った活動はできませんから、「合わせる」ということが必要になってきます。
昔ならば飲み会や社員旅行などの機会を重ねて、時間をかけてやっていたことなのでしょう。
でも、リズム合わせなのですから、自分たちが太鼓やパーカッションでストレートにリズムを合わせていく体験をして、その結果の一体感を味わう経験があれば、相手のリズムに必要な時に合わせられる「ウマが合う」関係が1時間でできちゃう。
一緒にリズムを奏でているときは、脳波も同調してるはずですからね。
これだけでチームビルディング完了、ではもちろんありませんが、最初の新入社員研修の例みたいに、同調、共感、一体感といった一番大事な下地がすぐできちゃうのが、ドラムサークルなどリズムを使うチームビルディングの他にないメリットなんじゃないでしょうか。
その先の研修プログラムも、テンポよくトントン拍子に進みます。
※この項は、社団法人 情報処理学会の2003年のレポート「リズムを介した感性協調支援実験」を参考にさせていただきました。
リズムを使ったチームビルディングならば、ビートオブサクセスへ。