もとどおりの街で
久々に電車に乗って街へ出た。
大学はいまだオンライン授業が続いているので、僕はstay home生活をいまだに続けている。どこかに出かけるというのは実に久々のことだった。
人が多い。
久しぶりに見た天神の街は、以前とまったく変わらないように見えた。変わっているといえば、皆がマスクをつけていることと、アップルストアの前に入場制限の長い列ができていたことくらいだろうか。
自分が家で過ごしている間に、社会は動き始めていた。
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僕はアウトドア派を自認していたから、強制的に家に縛り付けられる生活は、さぞきついものだろうと予想していたが、僕は案外インドアでも生活できるようで、この自粛期間はそれなりに楽しく過ごすことができた。
Netflixを何作も見たし、好きなYouTuberができるくらいYouTubeも見た。本もたくさん読んだし、小説や物語にもたくさんたくさん触れた。時には一日中何もせずゴロゴロする日もあったけど、あのまま普通に春休みが終わり、学校が始まっていたら存在しなかった3ヶ月間は僕にとってどんな意味があったのだろうか。
自分の知らない一面を知ることができたと思うし、時間がたっぷりあったから将来のこともたくさん考えた。外からは時間が止まっているかのように見えたかもしれないが、内側では静かに次の飛躍に向けてエネルギーを蓄える時間であったと信じたい。
僕も少しずつ動き出していこうと思う、この街のように。
だけど、僕は単なる「再開」ではなく日々を「再構築」することを大切にしたい。そう思っている。以前の姿に戻るのではなく、今後の自分はこの期間を経てどうなりたいのか、社会をどうしていきたいのか、そういうことを忘れずに理想の自分、理想の世界を追い求めていきたい。
この世界同時活動停止期間に、いろいろなことを考えたし、いろいろなことが見えた気がする。僕がこの日々の中で考えたことはまた今度ゆっくり文章にしてみようと思う。一つ一つのことを大切に、ゆっくりと丁寧に日々を再構築していきたい。
新たな日常の足音はすぐそこで聞こえている。
そんなことを思った雨の金曜日でした。
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