リアルとバーチャルをつなげる新しいサッカーゲーム「Sorare」の紹介
【本noteのざっくりとした内容】
★ 「リアルとバーチャルをつなげる」が今後コンテンツのトレンドになる
★ その中で「ファンタジースポーツ」というジャンルがアツい
★ ファンタジースポーツとゲームに昇華させている「Sorare」を推したい
はじめに:「リアルとバーチャルをつなげる」とは?
はじめまして、bearko(ベアコ)です。
「平和なGREED ISLANDを作りたい」という想いでXRやブロックチェーン領域を追っています。
中でも最近注力しているテーマが、「リアルとバーチャルをつなげる」です。ゲーム紹介に入る前に少しだけ本テーマについて触れさせてください。
「リアル×バーチャル」はこれからのトレンドである
先日開催されたFacebook Connect(旧:Oculus Connect)で、とあるプロジェクトが発表されました。
スマートグラス開発プロジェクト「Project Aria」です。
※ 長さは再生時点から2分半ほどです
※ 日本語字幕付きです
Project Ariaとは?
メガネ型のARデバイスを通じて、私たちの目の前に広がる現実の世界とバーチャルの世界をシームレスにつなげようというプロジェクトです。
2016年にプロジェクト自体は立ち上がっており、現状まだリサーチ段階であることから長期的なプロジェクトになるかと思いますが、遅かれ早かれ将来的には必ずくる未来だと考えています。
他にも国内では株式会社ポケモンが最近ホームページを刷新し、「現実世界と仮想世界をつなぐ」というキャッチコピーを掲げるようになりました。
ゲーム業界においてもPokémon GOを筆頭に、リアルとバーチャルをつなげるゲームがここ数年で増えてきたように感じています。
より正確な表現をすると、現実世界そのものがコンテンツとなっているゲームです。
【リアルとバーチャルをつなげているゲームの例】
・「位置情報」をコンテンツに加えたPokémon GO:
自分が歩けばゲーム内の画面も移動する。ポケモンを捕まえに出かけたくなる(外出志向になる)
・「筋肉」をコンテンツに加えたリングフィットアドベンチャー:
自分が運動すればゲーム内の敵を倒せる。戦うと疲れるが、続けるとリアルのレベルが上がる(筋肉がつく)
このように、今まではバーチャルで完結していたゲームの世界が、少しずつ現実(リアル)にも干渉する様になりつつあります。
【補足】
このあたりの話は別途技術書としてBOOTHで販売しておりますので興味を持っていただいた方はぜひそちらもご覧いただければ幸いです。
本noteで紹介する「Sorare(ソラレ)」も、リアルとバーチャルをつなげる要素が盛り込まれた新しいゲームです。
上記内容を踏まえた上で、
「どこでリアルとバーチャルがつながっているのか」
「それがどのような面白さに繋がっているのか」
という観点でゲームを紹介していきます。
Sorareの特徴1:ファンタジースポーツ
「ファンタジースポーツ」というジャンルをご存知でしょうか。
ファンタジースポーツの特徴(1/2)
- プレイヤーは【監督/ゼネラルマネージャー】としてプレイする
- 【現実のサッカー選手】を采配して、【空想のドリームチーム】を組む
ここまではFIFAやウイイレでもある要素かと思いますが、異なるのはここからです。
ファンタジースポーツの特徴(2/2)
- 【現実の選手の活躍(パフォーマンス)】がゲームと連動し数値化される
- チームで獲得した数値を合算して合計スコアを競う
「現実の選手の活躍と連動する」
これこそがファンタジースポーツの最大の特徴です。
ゲーム内で仮想の試合を行うのではなく、現実の試合に采配の結果を委ねているところが面白いポイントです。
例えばサッカーの場合、
- 選手の出場時間
- パスに成功/失敗した回数
- シュートを打った/決めた回数
- ボールを奪った/奪われた回数
- イエローカード/レッドカードの有無
- スーパーセーブの回数
などの指標をもとに、各選手の活躍具合を定量的に評価しスコアに落とし込みます。
Sorare上でスコアリングされるコンサドーレ札幌の福森選手
Sorareを遊んでいて面白いと思ったのは、自身がSorareで采配した選手が出場している試合をDAZNで見た時のワクワク感です。
「点を取った/取られた」ではなく、「ボールを奪った」「DFを抜いた」「クロスを上げた」「シュートに繋げた」という選手の一挙手一投足に一喜一憂しました。私は、サッカーは観る方もやる方も全くといっていいほどの素人なのですが、それでも十二分に楽しめました。「クラブ単位」ではなく、「選手単位」で応援するというのも新鮮でした。
既存のファンタジースポーツの取り組みも多く、2006年にはイギリスのプレミアリーグが参入しています。Fantasy Premiere League(FPL)というコンテンツで、プレミアリーグ所属選手を1億ポンドの予算内で自由に采配して活躍具合に応じてポイントを競うという仕組みです。
国民的に人気のコンテンツで、2019年には600万人を超えるユーザが登録してデータとにらめっこしながらオーダーを組んでいます。FPLプレイヤーの為に現地では各試合の予想をする番組がテレビで放映され、試合後のパブではFPLのスコアを自慢し合う話が活発に行われるとのことです。
FPLのプレイ画面。プレミアリーグのあらゆる選手を指名して采配できる
Sorareの特徴2:ブロックチェーン
前述の通り、Sorare以前にもファンタジースポーツという取り組み自体はありました。実はファンタジースポーツの歴史は長く、1962年にアメリカンフットボールで「ファンタジーフットボール」という概念が生まれたとされています。
以降、海外で長く親しまれ今ではアメフトに限らず野球やサッカー、ホッケーにバスケなどのスポーツにも広がり「ファンタジースポーツ」というジャンルで呼ばれています。
しかしながら、ファンタジースポーツはいまいち日本では広まっていません。理由はシンプルで、既存の取り組みは大抵ギャンブル用途に使われているためです。
ファンタジースポーツは、結果を外部に委ねるという特性上、ギャンブルの1ジャンルとしてアメリカを中心に人気を博しています。
スコアが高い人に高額な賞金が与えられる仕組みになっていて、だからこそ熱狂的なファンが生まれる様になっているのですが、日本だと法律上の問題で賞金制を設けることは難しく、同じ仕組みは使えません。
そもそも「スポーツ×ギャンブル」というものに対する心象も日本では良くありません。2000年からサッカーのTOTOくじが生まれてから少しずつ価値観は変わってきているのかもしれないですが、まだまだ世間一般の認知度として広く受け入れられているものではないように思います。
その点、先述したプレミアリーグ(Fantasy Premier League)は非常に巧い設計になっています。
FPLでは、入賞者に渡されるのは賞金ではなく、クラブ公式のTシャツやVIP席招待券などのモノ・サービスに留まっています。
FPLは参加費も無料で、もちろん掛け金なども必要ありません。
誰でも気軽に参加できます。友達にも誘いやすいです。
また、ブックメーカー等の一般的なギャンブルサイトでは、「どっちのチームが勝つか」の2択で予想を立てます。FPLは、「どの選手が活躍するか」を予測するのでパラメータが非常に多く、考える観点も多いです。
その中で活躍する選手を言い当てるのは非常に気持ちが良く、当てたこと自体に高い満足感を覚えます。
何よりそれだけ複雑な結果を言い当てることで、「俺これだけ高いスコア出した(=名采配したんだぜ)」と周りに自慢できる権利が与えられるのです。これはちょっとした賞金よりも価値は大きいです。
FPLの大半のプレイヤーの遊ぶ目的は、賞品目当て(ギャンブル)ではなく、FPLを遊ぶ周りの知人たちに「すげぇ!」と言わせる(コミュニティ形成)にあるのだと思います。
Sorareもこの仕組みに近いですが、FPLとも決定的に異なる点が3つあります。
Sorareならではのポイント
1. 選手が【カード化】されていて売買可能である
2. オーダーを組むことができるのは【自身が所有している選手】のみ
3. 賞品は【カードと仮想通貨(イーサリアム)】である
1. 選手がカード化されていて売買可能である
いわゆるファンタジースポーツと決定的に異なり、よりゲーム性を高めているのがこの「カード化されていて売買が可能な点」です。
Sorareは、ヘッダー画像にもあるようにTCG(トレーディングカードゲーム)に該当するのです。
「選手のカード化」は往年のJリーグチップスと同じようなものだとイメージください。Jリーグチップスと違う点は、「カードがデータであること」と、「ガチャ(ブラインド)要素は存在しない」という点です。
いわゆるソシャゲであるようなゲーム内通貨を貯めてガチャを回して当てるというものでもありません。カードは全て公開されており、目当ての選手を検索してピンポイントで購入することが可能です。
<SorareがJリーグチップスと異なる点>
- カードがデータであること
- ブラインドではなく、目当てのカードを探して買えること
(カードショップでシングルカードを買うのに似ています)
もう1点、「売買が可能」というのもこのゲームの新しいポイントです。
Sorareでは、カードをゲーム内で売買することができます。
決済方法はクレジットカードか、仮想通貨(イーサリアム)を使います。
運営が販売するカードを購入することもできますし、何より「プレイヤー間での売買」も可能です。これまでのゲームで言うところのRMT(リアルマネートレード)に当たります。
ただ、アカウントの売買のような運営が想定していないやり方ではなく、公式で用意されているマーケット機能を使って売買を行うことができます。
この仕組みの裏側にあるのが、「ブロックチェーン」という技術です。
仮想通貨という技術のベースになっているもので、簡単に言うと、「データの改ざん・複製をできなくする」ための技術です。主に金融業界で資産を管理する手法として研究が進んでいます。
Sorareはブロックチェーンの技術を活用することで、安心してデータ上のカードを売買できる仕組みを構築しました。これはFPLも他のファンタジースポーツも、ましては既存のソシャゲのどれでも実現していない新しい取り組みです。
Sorareでは1つ1つのカードがIDで管理されており、「いつ、誰が、どのカードを、いくらで、どのように、誰から購入したか」を記録されます。
※上記はFC東京の高萩選手のカードの売買履歴をブロックチェーンで参照したものです。
Sorareはブロックチェーンを使うことによって、データが不正に改造されることを防ぎ、ユーザが安心してカードを売買できる環境を作っています。
これは既存のソシャゲではなかった仕組みです。サッカー×カードゲームでいうとコナミのJクラ(Jリーグクラブチャンピオンシップ)などがあるかと思いますが、それらとも違う新しいサッカーの楽しみ方かと思います。
<Sorareがソシャゲ(例:Jクラ)と異なる点>
- カード(データ)を売買できること
- ゲーム内通貨は存在せず、クレカか仮想通貨(イーサリアム)で売買する
- ガチャではなく、目当てのカードを探して買えること
(大事なことなので2回言いました)
2. オーダーを組むことができるのは【自身が所有している選手】のみ
これも既存のファンタジースポーツと大きく異なる点です。
Sorareをゲームとして面白くしている点でもあると言えます。
自身がオーダーを組むことができるのは、自身が購入して所有したカードのみです。
本noteの下に貼り付けた招待リンクから登録すれば初期カードを10枚できますが、本格的に始めるなら目当て選手を1枚ずつ集めていく必要があります。
Sorareのチーム編成では、5枚のカードを使います。
【Sorareのオーダー枠】合計5枠
- FW枠
- MF枠
- DF枠
- GK枠
- ワイルドカード枠(どのポジションでもセット可能)
開始から当面の目標は、この5枚のカードを集めることです。
贔屓のクラブの選手を買い集めても良いし、安定してパフォーマンスを発揮しているスター選手をいきなり収集しても良いし、これから活躍するであろう若手選手を発掘しても良いのです。お財布事情と相談ですが、自身の好きなペースで選手を集めてオーダーを組むことができます。
いきなり購入するとなると、ハードルが高く感じるかと思います。
しかし1点留意していただきたいのは、これはソシャゲの課金とは根本から別物です。
Sorareの良いところは実際のカードゲーム同様に売ることもできる点です。
そのため、初期投資としてカードの購入は必要ですが、選手を変えたいと思ったら手元のカードを売却してその資金で次のカードを買うことが可能です。
投資というほどではないのですが、課金という消費活動とは根本的に違うものだという点を強調しておきたく、認識いただければ幸いです。
売買ができる以上、選手カードは単なるデータではなく資産とみなすことができます。このゲームの面白さは、現実のサッカーの試合とにらめっこしながら、自身の所有するカードを戦わせつつ資産として運用するという点にあると思います。
3. 賞品は【カードと仮想通貨(イーサリアム)】である
これは補足になりますが、Sorareでは各試合(サッカーでいう節)ごとにスコアを競います。
報酬は基本的にカードです。
試合に勝ち、強いカードを手に入れ、さらに強いランクに挑むというのがサイクルになります。
また、上位に入賞した場合、仮想通貨(イーサリアム)ももらえます。
Sorareがリアルとバーチャルをどうつなげているのか
Sorareを始めるまではサッカーにはほとんど興味はなかったのですが、今はDAZNにも契約してJ1サッカーの試合を手に汗を握りながら観戦しています。
応援している選手(=所有している選手)がボールを持つたびにテンションが上がります。YouTubeでサッカーの解説動画を探したり、スポーツニュースで今注目の選手は誰かを調べたり、日常でサッカーのことを考える時間ができました。今私はサッカーに強く興味を持っています。
これは、選手のパフォーマンス(≒選手カードの価値)が自分ゴトになっていることに起因しているものだと感じています。ゲーム内のカードが資産になっている(=売ることができる)ことによって、新しいゲーム性・面白さが生まれていると実感しています。
・今まで興味がなかったサッカーに興味を持っている
・DAZNを契約した
・サッカーの試合を観るのが楽しい
・YahooニュースやYouTubeでサッカーの情報を収集する時間を作った
・Football Labでデータを眺めるようになった
これらは全てゲームの中ではなく、現実の筆者が起こした行動や感じたことです。
これまでのゲームは、「ドラクエの世界」や「ポケモンの世界」、はたまた「ウイイレの世界」というバーチャルな世界の中で遊ぶものでした。
「モンスターを倒す」、「四天王を倒す」、「試合をする」といった行動も全てバーチャルのゲームの中で完結するものでした。
しかしSorareは、それらのどのゲームとも違います。
イメージでいうと【触媒】みたいなもので、「サッカー」というリアルにあるコンテンツと、「私」というリアルにいるプレイヤーを、「Sorare」というバーチャルな仕組みが結びつけているのです。
この、新しいゲームのカタチとも言えるサッカーTCGは、サッカーに興味がある人はもちろん、新しいタイプのゲームに興味がある人にもぜひ一度は体験いただきたいです。
最後に、Sorareの招待リンクを貼っておきます。バナークリックいただければユーザ登録画面に飛びます。
この記事を見て少しでも興味を持ってもらえれば幸いです。