転職を彼に告げたとき

私はステップアップのために転職することになった。そのことを彼にいつ伝えるか考えたが、彼と勤務が合うときが少ないと考え、退職する2ヶ月前の夜勤で話すことにした。だけど、なかなか夜勤中に話せず、夜勤が終わったあとの電車で話すことにした。ちなみに、いつも駅で偶然を装ったり(「あっ、お疲れさまでした~」とか)してたが、その日は彼から更衣室前で「また駅で」と言ってくれて、すごく嬉しかったのを覚えてる。

彼も私も電車通勤であるが、車通勤の先輩が時々送ってくれることもある。ある夜勤明けの朝、私が先に歩いて駅に行き、彼は先輩の車で駅まで来たとき「○○さんの車が凍結でなかなか動かなくて」と私がいるホームまで走ってきてくれたことがあった。その先輩は、彼を電車のアクセスが良い次の駅まで送ることも考えられた(先輩の自宅の最寄り駅でもあるので)。でも、彼は私がいる職場の最寄り駅まで送ってもらったから、今思い返せば、私と一緒に帰るためにこのような行動をとったのではないかと考えた。

そんなことを思いながらホームで彼が来るのを待った。彼が来た。「忙しかったですね」と彼は話す。「そうですね。でも、無事終わって良かったです」と彼に話し、「お話したいことがあります。本当は夜勤で話したかったんですが、実は私、退職することになりました。」と伝えた。「ええっ⁉️」と彼が驚いたことに対し、私は驚いてしまった。ステップアップしたいこと、色々仕事で助けてもらったのにお返しできてないこと、こうして彼と一緒に帰るのが楽しかったこと等を伝えた。彼からは、私がいなくなったら仕事がまわらない、自分もいつかは辞めようかと考えている等話してくれたが、正直、伝えるのが精一杯だったため、あまり覚えていない。ただ、その日に少し早いがバレンタインのチョコを渡した(勤務が合わないため)。ドキドキしながら渡すだろうと予想してたが、彼から「私さんからは色々もらって(時々お菓子や栄養ドリンクをあげたりしていたため。LINEをする口実のため)…」と言われ、転職話で頭がいっぱいだった私は「あっ、そうだ!渡すと言えば、これバレンタインのチョコです」と普通に渡し、彼も「あっ、ありがとうございます」と受け取り、実にあっさりしたものだった。そんなこんなで目的の駅につき、それぞれの帰路についた。

自宅につき、夕方まで仮眠をとったあとに彼に「驚かせてすみませんでした。あと、残り僅かですがよろしくお願いします」とLINEを送った。すると、彼から「コロナが落ち着いたら飲みにいきましょう」とLINEがきた。私は大変驚き、そして嬉しくてたまらなかった。彼は優しくてシャイで、奥手で社交辞令を言えるような器用な人ではないため、この彼からの誘いが天にも昇る気持ちになった。もちろん彼に「コロナが落ち着いたらいきましょう、それを楽しみにしてます」と伝えた。


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