Nたばこ店でもらった謎のパイプタバコ葉
「せっかく気に入ったのにマックバレン ラタキアフレークが無くなってしまうんですね。残念です。買いだめしようか悩んでいます」
N「・・・あと2缶ありますよ。」
今月はパイプを新調したし、もう少し葉巻で遊びたい。
でも、、、よく考えろ週に1回程度とはいえ、あのまろやかなラタキアフレークの味わいが吸えなくなると考えたら寂しくないか?
寂しい・・・
しばらく後に買ってもよいのかな。。。
「やらしい聞き方になりますが、しばらく後でも買えそうですか?」
N「そればっかりは分からないよ笑」
「でも、棚を見てもらえば分かるだろうけれど、売れているものは少なくなってるよね」
後2缶というところが、全てを物語っているわけだ。
ラタキアの強烈な旨味を好む人には物足りないのかもしれないが、自分のようなバージニア+ペリク好きの人間でも、あの深みのある味わいを楽しめるとなれば、それなりに人気もあるのだろうな。
「2缶とも買います!」
N「どうもね」
Nたばこ店の人達の笑顔が俺は好きだ。
タバコに関する悩みや、疑問などを素人臭い拙い説明で伝えても、真剣に受け止めて一緒に考えてくれる。
最初のちゃんとしたパイプを買うまでのやりとりも、非常に長期間に及んだが嫌がらずに一緒に悩んでくれたので、最初に門戸を叩いたお店がここで良かったと思っている。
その際の話は、長くなるので別の機会にしておこう。
あ、そうだ欲しいパイプ葉がまだあったぞ。
「ファイアーダンスという名前のパイプ煙草も吸ってみたいのですが、売っているところが見つからないんです」
葉を陳列している店に向かいながら、どれだろうかと探し始めてくれた。
N「んー、どれだろ。どこのメーカーかわかります?」
即座に思い出せず、スマホに打ち込む。
「サミュエル・ガーウィズですね。ありますか?」
N「あ!ひと缶だけありますよ!!」
N「サミュエル・ガーウィズさんは、入荷が無くなってきてるから、これで最後かもしれないです」
N「あと、気になっていると言っていたPeterson - De Luxe Navy Rollsは、発売したばかりだから焦らなくても大丈夫だと思いますよ」
ままま、まじか。買うしか無い。
「それも買います!」
N「ほんとに?ありがとね!」
うん、笑顔が素敵。
・・・
それから、パイプ煙草を吸うからには、沢山出ている着香系も色々と試したいが、パイプについて悩みがあることを相談した。
着香系の煙草を吸うと、パイプに香りが残るので手持ちの少ないパイプを専用化することは出来ずに、コーンパイプで吸っている。
しかし、コーンパイプは安いので当然だがマウスピースの出来が良くない。
ダンタバコのBlue noteを2日に一回くらい吸うのだが、味は美味しいのにパイプの歯当りが悪く物足りなさを感じ始めた。
そこで、自分の妄想にも近いワガママが敵わないか質問をしてみた。
「コーンパイプのマウスピースを作ってくれる人、もしくはスポッとハマる上質な物が売っていたりしないですかね?」
N「えー、、どういうこと?」
N「マウスピースはある程度規格あるけど、全部現品にあわせてるものだから難しいんですよ」
「いや、見た目が多少不格好になっても家で一人で使うだけだから、大丈夫なんですよ」
「作家さんにマウスピースだけ作ってくださいって、失礼だったりしますかね。」
N「気持ちはわかるけれど、作家さんにしたらパイプ全部を買って欲しいですよね。普通は」
苦笑しながらたしなめられてしまった。
N「あとは、中古パイプを何本か買って試すしか無いかも」
N「もしくは、、、年に何度かのイベントに来ている作家さんに直接きいてみるのも良いかもしれないですよ。コロナで2度中止になっちゃっているけど」
OMG!!
そう、憎き疫病のせいでイベントに行けないし、シガーバーも閉めちゃっているし!
悔しい。
そこで、自分はひらめいた。
そうかそうか、作家さんにパイプを1本作ってもらう遊びは楽しそうだ。
で、一緒にコーンパイプに使う用のマウスピースを作ってもらったら良くない?
ひらめいたら急に楽しくなってきたが、まだお店に居ることを思い出して、一旦落ち着いた。
廃盤になった葉を入手や備蓄した場合に、結局開けるのに葛藤があって、苦しいけれど楽しい事を楽しく談笑させてもらっていた。
そこで、最近偶然入手したESCUDEという葉の事を思い出して、ひと缶だけ入手して凄く気に入ってしまった場合の嘆きと喜びを想像すると、開封する踏ん切りがつかない事を話した。
N「そういうのも、楽しみのひとつですよ」
ニヤリと笑った彼は、ふとご自身のバッグから缶を取り出し、数枚のフレークタバコをパウチに入れ渡してくれた。
N「これもだいぶ前に廃盤になった葉だけど、今吸っています。差し上げるので吸ってみてください」
匂いを嗅いでみると、嗅いだことのない種類の香り。
ブラッドオレンジ・・・?
「帰ったら、とりあえず柘のテイスティングで試してみます。」
N「良いと思うよ」
「Eで始まる名前が思い出せなかった缶、開けるときに持ってきます!」
N「気を使わなくて大丈夫ですよ」
そんなこんなで、Nたばこ店を後にして帰宅した。
・・・そうだ、仕事を途中で切り上げて、出かけていたのだった。
数時間PCと格闘した後に、改めて頂いた葉の匂いを嗅いでみた。
微かに発酵したようなオレンジ、スパイス、石鹸、仁丹?
良い香りなんだが、説明が難しい。
加湿もしっかりされており、しっとりとした感触。
早速 漆黒の柘テイスティング21に4つに畳んで押し込む。
火を付けると、、、
爆発的な旨味が口内に飛び込んできて面食らう。
ねっとりとした発酵系の旨味、微かな塩味、朽木、奥に柔らかな酸味。
苦味もあるが、濃密な旨味のアクセント程度に感じられる。
あれ、これってラタキア入っているのかな?ペリクかな?
着火前から感じていた、ブラッドオレンジっぽい酸味、微かな甘味はヴァージニアのような気がする。複雑、濃密。雨の後の朽木。キノコ。
正直経験値が少なすぎて良くわからない笑
1/3ほど吸ったところで、疲れを感じて一旦休憩。
そのまま眠ってしまった。
翌朝、朝食後に珈琲を入れて、改めて火をつけてみた。
昨夜の衝撃を覚えていて少し身構えて着火したが、やはり濃密。
ウイスキーよりも、シェリーなどで口をリセットしながら吸いたい味わい。
ジットリとした旨味で、煮干し、朽木、奥に爽やかな酸味、甘味。
煙を吐き出した後に、仁丹系のスパイスを感じて、不思議と爽やか。
タバコ感もしっかりある。
昨夜と合わせて45分ほどかけてフレークを1枚灰にした。
何だったんだろう。これ笑
次にNたばこ店に行ったときに答え合わせをしよう。
可愛い女の子と、こんな謎掛け文通が出来たら楽しいかもしれない。
もちろん、オジサンとでも楽しいものは楽しい。
本日頂いた名言
「ワクチンよりニコチンだ!」
うん。笑顔と穏やかな気持が一番だと思う。
微笑ましいブラックジョークなので、噛みつきたくなった人は是非タバコでも吸って落ち着いた後に苦笑しましょう。
長くなったが、記録として残す。
【追記】
頂いた煙草は、エリンモアの四角い缶に入ったフレークでした。
探してみたら、海外で丸缶は売っているから、買って見るかもしれない。