赤いきつねと緑のたぬきとアナログ記録とデジタル保存(間隔がめちゃくちゃあいてしまったのにエロなし[嫌そうな顔すんな])11

初出 2021年5月3日 Facebook

WindowsのPCでGoogle chromeをお使いの方ならばご存知の方も多いかもしれないが、かつて東京ローダーという動画ダウンローダがあった。Chromeの拡張機能としてChrome Web Storeで配布されていて、とても良くできていたのでお使いだったという方もいらっしゃるだろうと思う。

現在は東京ローダーは更新が終了しており、後継として動画ゲッターとストリームレコーダーという2本柱で同じ作者による運営が続いている。

ウェブ上の動画をダウンロード保存するという目的はどちらのツールも同じであるのだが、なぜツールが2種類用意してあるのだろうか。

生放送ではない動画配信には、現在大きく2つの方式がある。

ひとつは、1本の大きな動画を順繰りにサーバから送出し、クライアント(動画を見ている私達の側)は擬似的に途切れないように見える形式。

メリットとしては、この形式は古くからあるので、対応している再生環境も多分多いだろう。なのでクライアントの環境にそれほど依存せずに再生できるという点が挙げられると思う。

イメージとしては、VHSのビデオだ。動画再生開始とともにテープが進むように動画が再生され続けていく状況に似ている。

実際のコンピュータ上の動画としては、少しだけ先の動画も予め先読みで読みこんであり、その先読みしている動画を再生している最中に動画の続きをどんどん先読みしていく、という感じだ。ビデオの場合先読みはされないが数分先に飛ばすのはそれほど時間のかかる作業ではない。

デメリットとしては、サーバに負荷がかかりすぎると、読み込み中のぐるぐるがいつまで経っても終わらなかったりする。それに、先読みしている未来の再生分を超えた先にまでシークバーを動かしてしまったら、サーバは改めてその時点にまで動画を再生したものとして改めて読み込まなければならない。そのためシークに異様に時間がかかったりするのもこの形式の特徴だ。VHSのビデオもかなり先を見ようとすると少々時間をかけて早送りしないと行き着かない。

そしてもうひとつは、一本の大きな動画ファイルをごく小さな動画ファイルに大量に分割して、都度都度その小さなファイルをダウンロードして再生するという方法だ。ストリーミングと言われるものは、定義が今のところかなり曖昧ではあるのだが、一応はこちらに分類される。

2時間の動画でだいたい3800ぐらいの分割がされるので、1本当たり2秒ぐらいの、本当にごくごく小さな動画ということになる。

イメージで言うとパラパラ漫画に近い。

短い動画をパラパラ漫画の要領でどんどん繰り出していくとつながっている動画に見える。そういう状況に似ている。

メリットとしては、仮にサーバに負荷がかかったとしても、1本あたりの動画のサイズがキロバイト単位で小さいのでそれほど遅延せずに連続して再生ができる。先読みのファイルも少なくて済むのでメモリが少ないPCであっても結構快適に見られるし、先の方までシークしても改めて読み直すファイルはサイズが小さいので短時間で再読み込みされるため、前者よりは快適だ。

デメリットは、動画を配信する側としては特に見当たらないが、仮にサーバに負荷がかかって何か一つのファイルだけ送出に時間がかかってしまった場合、尋常ではない時間動画が停止する場合がある。そして、ダウンロードして保存しようと思っているクライアント側としてはこの形式は少々厄介だ。

前者の場合、動画ゲッターが使える。
サーバにある大きな動画ファイルをそのままの形でダウンロードでき、しかもDRMはかかっていない(DRM認証が必要な場合そもそも動画ゲッターは使えない)のでいつでも再生して楽しむことができる。

後者の場合、ストリームレコーダーを使うことになる。これは、再生している小さなサイズの動画の集合を、ブラウザ上で結合した形に自動でつなぎ合わせてダウンロードできるという仕組みだ。パラパラ漫画をクライアント側で一本の動画にして保存するイメージだ。

なので、このどちらかを使えば基本的に通常の動画ならばダウンロード保存できてしまうのだ。

ところが、ストリームレコーダーは、Chromeの運営陣から、一度待ったをかけられたことがある。
理由は、HLS暗号化されたファイルのダウンロードができてしまうという状況があり、Googleのポリシーに反しないかどうかの判断がGoogle側でも微妙な問題として取り沙汰されたからである。

その間ストリームレコーダーは全く使えなくなったのだが、半年以上経過したある時に突然GoogleがOKを出し、HLS暗号がかかっていないファイルに関してのみ使えるような状況で現在に至っている。

ストリームレコーダーが使えないときどうしたのか。
動画ゲッターを使ったのだ。数千のファイルを律儀にダウンロードして手元の環境でそのパラパラ漫画を再生できるならば、一応はちゃんと一連の動画として見ることができる。数千のファイルのダウンロードなので相当時間がかかったし、ファイルの数が多すぎるので取り扱いには大変苦労するのだが、しかしそれらのパラパラ漫画ファイルを一つのフォルダに入れて、フォルダごと再生アプリにドロップすればそれほど面倒でもなく見られる。編集をしないつもりだったらこれでも十分といえば十分だ。

しちめんどくさい説明をしてきたが、

「動画配信にはいくつかの形式があって、それに応じたダウンロードの仕組みはすでにある」ことがなんとなくわかっていただければ結構である。

ここでやっと、配信業者のガチガチのセキュリティが出てくる

(この手の話ってのはたいていいいところで次回になる)

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