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『ベア・スマート・コミュニティ』プログラムのマニュアル2つ

『ベア・スマート・コミュニティ』プログラムには詳細なマニュアルが2つ存在しています。

そのひとつがカナダのブリティッシュコロンビア州(BC州)が2002年に作成した “Bear Smart” Community Program: Background Report(ベア・スマート・コミュニティ・プログラム背景報告書) で、もうひとつがアメリカの省庁間ハイイログマ委員会(IGBC: Interagency Grizzly Bear Committee)が2023年に作成した IGBC Bear Smart Community Manual (IGBCベア・スマート・コミュニティ・マニュアル)です。

IGBC のマニュアルはBC州の背景報告書を参考に作成されたものなのですが、元になった背景報告書はA4で100ページを超える長大な英文と、翻訳サイトの力を借りてもなお読み解くのが難しいくらいの情報量の多さから、最初に取り組む技術マニュアルとしてはあまりおすすめできないというのが正直な感想です。

その点、IGBC のマニュアルは後発ということもあってか、要点が簡潔に整理されており、分量も『背景報告書』の1/5程度と大変読みやすい内容となっています。そこでBSJとしては、『ベア・スマート・コミュニティ』実現のための技術資料として『IGBC マニュアル』をおすすめしたいと思います。

IGBC による『ベア・スマート・コミュニティ』の取り組みについてはこちらのサイトをご覧ください。
Bear Smart Communities - Interagency Grizzly Bear Committee (igbconline.org)

Google Chrome の翻訳機能を使えば、英語が苦手な方でもその内容はほぼ理解できると思います。

こちらのサイトから以下の4つのPDFファイルがダウンロードできます。

1. IGBC Bear Smart Community Framework (12/2022)
2. 
IGBC Bear Smart Community Manual (5/2023)
3. 
IGBC Bear Smart Community References (5/2023)
4. 
IGBC Bear Smart Community Presentation (5/2023)

2がマニュアルの本体で3はその参考文献を抜き出したもの、1と4はそれぞれマニュアルの概要で、1が文書形式、3がプレゼンテーション用のスライト形式となっています。

それぞれのファイルを日本語訳したPDFファイルを以下に添付します。

『ベア・スマート・コミュニティ』の取り組みにおいては、地域社会の多様性を重視し、市町村のような単位のコミュニティが具体的にどのような取り組みを行うかはそれぞれのコミュニティによって全く異なるということが強調されています。

その一方で、このような詳細なマニュアルを整備し、『ベア・スマート・コミュニティ』の実現に必要な準備作業の標準化を目指しているところが、実に北米らしい合理性に基づいている取り組みだと感じられます。

我が国における地域のクマ対策、特に地域住民に向けた普及啓発活動についてはいまだ試行錯誤の段階にあることが多く、このように標準化されたマニュアルは十分に整備されていないように思います。

今回私たちBSJが紹介したマニュアル類が、地域のクマ対策を大きく進める資料としてお役に立てることを期待しています。

#ベア・スマート・コミュニティ #クマ #ヒグマ #ツキノワグマ

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