木から町が生まれるお話 第一樹
信じ難い文明
それはそれは気の遠くなるような遥かむかし、小さな種が風に乗って町はずれに落ちた。
その種は芽を出し、大きな木に成長し、木の枝から家が生まれ、葉から人々が誕生した。
そんな不思議な町の始まりの話など語り継ぐものは皆無であり、たとえ耳にしたとしても誰も信じなどしない。
文明の入れ替わりが繰り返されているという、漠然としたことでよければ想像できるかもしれないが・・・
メタバース“XANA”
時は2024年
Web3などという、分散型インターネットの新しい形があるらしい。
ブロックチェーンを使って、データの管理も自分でできるし、仲介者なしで取引もできるという。
つまりユーザーが主役になれる?面白い時代だ。
そんな中でも、特にメタバースは面白そうだ!仮想世界で新しい体験ができるというのが何とも魅力的。映画でも見た事有るようなワクワク設定。
そして数あるプラットフォームの中で、“XANA”というメタバースをさっそく始めてみることにした。
ブロックチェーンとメタバースの世界で有名なプラットフォームで、詳しく知りたいと思ったのだ。
どんなことができるのか?考える暇があったら飛び込んでみたくなるのが私の性分である。
アバターと呼ばれる、オンライン世界で自分を表現する仮想的な姿や人格を作れば、あとは自由だ。
そう、自由度が高過ぎて戸惑うほどである。
とにかくメタワールドとやらに入りたくて、適当にキャラを作った。せっかく個性的なキャラクターを作れるのにだ。
急いでいたとはいえ、我ながらセンスのかけらも無いアバターを作ってしまった。
幸先の悪いスタートなど気にしない、これが私である。と言い聞かせる。しかしこれは...いつか作り直すとしよう。
何もない
とにかく感覚で進めることにしたノープランナーは、ワールドに入ってみることにした。
(ここ何もない・・・)
勝手なイメージだが、こう派手な看板やサイバーパンクな空間などを創造していた。
肩透かしを食らった気分である。寂しい。
でも、これからどんどん面白くなるはず!きっと!...いや、変わらない、やっぱり寂しい。
ここまで走り続けたノープ“ランナー”は遂に足を止めることにし、“調べる”という人間らしい行動をとった。
情報によると、ワールドは普通の人から大企業まで、いろんな人が作っていて、自分で作ることだってできるらしい。凄っ!
という事で、今回の肩透かしの理由はこうだ。
何も考えずに走った結果、どこの誰が作ったか分からない極稀な何もないワールドを一発目に選択してしまったらしい。
試しに一旦戻り、オススメ的な一覧のワールドに入ってみた。
素晴らしい!そこで目にしたのは想像していたメタワールドであった。
(これを個人が作っているなんて)
よく考えたらさっきのワールドも景色は美しかった。
ちゃんと魔法陣のような入口にも立っていた。
(気になってきた・・・)
さんざん凄いワールドを見るほど、さっきのワールドの意図やコンセプトが見えてこない。それが逆に気になる。
そういえばあのワールドのタイトルは何だったかな?
一覧に戻り確認してみる。
「木から町が生まれるお話」
うん、もっと分からなくなった・・・。
とにかくもう一度入ってみることにしたプ“ランナー”である。
第一樹 完
登場するワールドやアバターは実在しますが、この物語自体はXANAのAI「XANA GENESIS」を活用して執筆したフィクションです。
※XANA非公式
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https://vt.tiktok.com/ZS2vjr48D/