旅行に明け暮れた6月

一瞬で過ぎてしまった6月の記録を残しておこう。


まずはフィンランドのヘルシンキ。観光客が少なくて、街の美しさや治安の良さ、静寂な雰囲気、そのへんが完璧に揃っており北欧の魅力がしっかりと保たれている場所だった。白夜も体験することができ、もう最高すぎてまたすぐに行きたいくらい。マリメッコ好きの私は、道ゆく人々のファッションをみているだけファッションショーに来ているかのような気分で幸せだった。マリメッコは日本でいうユニクロみたいに、国民に愛されているブランドであることを知れて、より一層マリメッコもフィンランドも好きになった。


次はロンドン。目的は千と千尋の神隠しの舞台を観に行くことだった。これも先月の久石譲さん同様、生きててよかったなと思えるくらい素晴らしいものだった。冒頭の千尋たち家族が車に乗っているシーンで、オーケストラの演奏が流れた瞬間、ついに観に来れたという感動で感極まってうるうるした。私が観に行った回の千尋役が偶然にもファンである上白石萌音さんだったことも合間って、ここ数年の運を使い果たしたんじゃないかとちょっぴり不安にもなるくらい幸せな瞬間だった。


次にポーランドのアウシュヴィッツビルゲナウ収容所。ここは前々から、駐在生活で一度行っておきたいと思っていたところだった。事前に映画を観たり、本を読んだりして理解を深めていたので、映画で観ていた世界がそこには広がっていた。「負の遺産」や「絶対に繰り返してはならない」と言われているこの出来事。率直な感想は、行けてよかった。これに限る。その反面、内容が信じられないくらい残虐で、だからこそこんなにも信じられない出来事が本当に起きていたのかと、自分の中では非現実的で、100%実感が湧かない気持ちもあった。どんなに下調べをして、現地に足を運んで見学しても実際に経験していないことだから、やはりどこか他人事になってしまう。時間が経つにつれてショッキングな感情も薄れていく。だからいじめや差別、戦争はなくならないんだろうなとも思う。芸能人がこういうことを書いたら炎上するんだろうな、とも思いながら少し正直な気持ちを書いてみた。


最後はニース、モナコ、マルセイユ。これは夫の出張についででもあり、あまり期待せずに行ったが予想以上によかった。みんなの憧れ南仏。南仏の輝かしい部分も現実的な暗い部分も両方みれてまた一つ貴重な経験ができた。


夫の出張に合わせて旅程を組んだのもあって6月は旅行三昧になったが、どれもとても満足度の高い旅となった。今でも思い出しては余韻に浸れるくらい。お金はかなりかかったが、それ以上の、何にも変えられない貴重な経験、一生の思い出ができたと思えている。

さて、ついに今年も下半期突入。ドイツ生活も残り5ヶ月。今を楽しむことと同時に、帰国後の自分についても考え、時間を費やしているのでなんだかんだ心も体も忙しい日々。未来に不安を感じることもしばしばある。
まだ起こってもいないことに不安を感じている時間があったら、ドイツの自然や建物に目を向けてみたり、人間観察をしてみたり、ここで出会えた人たちと一つでも多くの思い出を作る時間に使いたい。と、頭ではわかっているんだけども。なかなかね。
「どうせもうすぐ帰るし」と思って消化試合のように過ごすのと、今までどおりこの地に馴染みたいと思って生活するのとでは大きく違う5ヶ月になると思っている。なのでこれまで通り、貪欲に、積極的に行動して学びを止めないようにしたいと思う今日この頃である。