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アバード 第一章 2話

ステアの幼少期

 べアンド家は、王家にも関わらず立派なお屋敷なんてない。なぜかって、政府が確立したことで王の権力が弱まったからっていうのもあるが父さんが館嫌いだったんだ。だから、べアンド家は所有している土地に家を何軒も建てて住んでいる。でもこれは、アバードではよくある話で大家族だとこのようにする人が多い。
 そんなべアンド家に俺が生まれたのはアバード暦847年6月23日のことであった。べアンド家の第一子の俺は父さん曰はく、すごく好奇心旺盛で父さんの書斎の本を自ら呼んでいたらしく、その中でも一番読んでいたのは、”世界の美術”という本だったようだ。
 それで、俺の2歳の誕生日に父さんはクレヨンや色鉛筆、絵具などをプレゼントしてくれた。その後、俺は色んな絵を描いた。弟たちと一緒にね。
 同年の4月小学校に入学しており、アバードでは、平均IQが高いため小学校は10年制で2歳から12歳まで小学生というわけだ。べアンド家では、2歳から入学させている。
7月には、エルンが生まれて、より日々が楽しくなった。
 べアンド家の兄弟が一歳違いなのは、母親が二人いるからである。アバードでは、王様のみに一夫多妻が認められているのだ。
という感じで、より詳しく俺の過去について話すとするか。
 これは、小学1年生の冬の話、、
『ステアーー!雪積もってるー!』
とヒルとシムが声を合わせて言ってきた。
『おぉ~、父さん積もってる!』
『今年もこの季節がやってきたな。よし、遊ぶか。準備しろ―。お前ら』
と父さんも乗り気だった。
俺たちは、マフラーに手袋を装着して外に飛び出した。
『えい!くらえ!シム!』
『えい!くらえ!ヒル!』
ヒルとシムは同時に雪玉を投げた。
『さすがの双子力だな』
とつぶやくと、背中に冷たい感触が走った。
『わっ!なんだ?!』
と振り返ると、雪を持ったエルンが父さんに抱かれていた。
『ハッハッハ、エルンにしてやられたなステア』
『父さん!』
『エルンは強くなるぞ、ステアに初めて攻撃したからな』
と父さんは、嘲笑って言った。
『ステア!かまくら作ろう!』
『あぁ、今行く』
そうして、俺らは雪遊びをした。
 次に小学6年生の時の話だ。
ここで妹ができた。それも二人だ。
女の子は大人しいからお世話は楽だったが、二人とも繊細だったからとても難しかった。
その中でも、一番は、家族で春のキャンプに行く時だ。
『明日、キャンプに行くから準備するぞ』
と急に父さんから告げられる。
俺たちにとってはとんでもないサプライズだ。
『やったーー!』
と俺らが喜んでる最中、妹たちはたんたんと母さんとキャンプの準備をしているのだ。
『お兄ちゃんたちも早く手伝ってよ』
と長女のリムが言ってきた。
『ごめん、ごめん』
『お兄ちゃんはいいとして、ヒルとシムとエル兄に関しては論外ね』
『なんでだよ』
と兄妹喧嘩が始まるんだ。
『落ち着けって、お兄ちゃんたちも手伝うからちゃんと、な?』
こんな感じに仲裁に入るとすぐ収まる。
これが一番大変なわけ。
 これが俺の幼少期の話だ。


今回の話はどうでしたか?
次回、ロンについてです。
それでは、お楽しみに!!

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