ヒロインの兄貴が超カッコよかったところで無限に加点していきたい

　なんだろう、見終えるとまぁ「思ったよりおもろいやん」という話になってくるわけであるが、じゃあスタッフロール後に予告される続編を見たいかと言われると見たくないです。なんだろうなぁ。「客を笑かすために下ネタも辞さない」というノリじゃないんだよなこの作品。「笑かすことなどどうでも良くて、とにかく汚い話がしたいだけ」という印象を覚える。だが、なんということか。俺は本作が笑えない理由を説明できないのである。「明らかにそんなことを言っている場合ではないのに唐突におかしなことを言う」というのは笑いの原則として正しいはずなのだが、本作ではこの原則が機能していない。何故か。同じおかしなことを言うにせよ、下ネタでさえなければもっと印象は良くなっていたような気はする。プラス、あまりにも突拍子がなさ過ぎて意味不明なのである。そしてそうゆうギャグシーンを見ていたたまれない気持ちになるのは、俺自身も「意味不明で面白い」という楽しみ方が若干わかる方の人間であるからだ。本作のギャグは本当に意味不明で何も笑えないのだが、しかしこれらのギャグを入れた人間の心理は哀しいことにちょっとわかるのだ。突拍子もなさすぎる要素を入れて、それが一般に訴求できる要素だと思ってしまっている哀しい人間の存在を、リアルな質感を備えて想像できてしまうのだ。

　時間切れ。

（あぁ、この脚本を書いた人は俺だ。俺なんだ。本当に哀しい）